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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

日本インド料理の第一人者フセインシェフによる宮廷料理の魅惑。『インド宮廷料理Mashal(マシャール)』(大森)

赤坂『タージ』、九段下『アジャンタ』、青山『シターラ』の総料理長として腕を振るい、
名だたるインド料理シェフたちを輩出した、
日本インド料理界の第一人者モハメド・フセインさんがついに自らのお店をオープン。

これは2022年最大のニュースです!

名所は大森駅東口から徒歩2分、「LUZ大森」の3階。

『インド宮廷料理Mashal(マシャール)』

オープンは2022年7月1日。
店名はヒンディー語で松明という意味です。


私個人としてはオープンに先だって6月に行われたプレオープンパーティー以来。
正式オープンしてからは初の訪問となりました。


壁にはカラフルな象の絵。
実はこれ、今年2月池袋西武で開催した私のイベント「東京カレーカルチャー」で画家の武田尋善さん(タケダワーラー)がライブペインティングで描きあげたものなんですよ。

ここでまず、モハメド・フセインシェフの経歴をざっとご紹介しましょう。

1968年、インド・デリーの『ハーフィズホテル』での勤務を皮切りに、
『カリームホテル』『ムンバイタージマハルホテル』と一流ホテルの厨房で腕を磨き、
1982年にタージマハルホテル系列の赤坂『タージインドレストラン』の総料理長として来日。
1985~2004年まで、日本インド料理のパイオニア『アジャンタ』(九段下→麹町)でも総料理長を務めます。
その後青山『シターラ』を経て、2021年3月から池上で間借り営業の『インド宮廷料理 Mashal』を始動。
料理教室を開催しながら、実店舗オープンに向けての準備を進め、このたびの実店舗オープンへと至りました。

特に『アジャンタ』時代にフセインさんからインド料理を学び一流料理人になった方々は多く、名を挙げるだけで恐れ多いほど。
料理研究家として有名な渡辺玲さんに、初台の名店『たんどーる』の塚本シェフ、『アンジュナ』の藤井シェフ・・・

今の日本インド料理のトップクオリティはフセインさんの影響なしにはなし得なかったものといって良いでしょう。

この日はディナー訪問。
フセインさんの神髄であるタンドール料理をじっくり堪能してみましょう。

★タリスカースパイシーハイボール ¥880

ブラックペッパーを使ってガツンとスパイシーなハイボール。
なかなか濃いめで作っていただきました。


★タンドリーチキン 1P ¥660

スパイスマリネされた外側はがっつりスパイシー、
中はジューシーで鶏肉が柔らかいという絶妙の仕上がり。
タンドリーチキンと言えばボソボソッとした食感が当たり前、そう思っている人にこそ食べていただきたい。


★シークカバーブ 3P¥1320

これまた普通のシークカバーブ(中東ではシシカバブ)とは全く違う次元の食べ物です。
マトンと鶏ひき肉をフセインさん独自の割合で配合、スパイスと合わせ焼き上げたカバーブ。
肉感がしっかり堪能できる、言ってみれば上質なハンバーグなわけですね。


★ムルグマラーイー 3P¥1100

これ、プレオープン時にビックリした料理のひとつ。
鶏むね肉を生クリームとスパイスで漬け込みタンドール窯で焼いた料理なのですが、とにかく食感にビックリ。
フワッと、キュッと、弾力があるんです。
これぞタンドール料理の名手、その神髄。
是非食べるべき、フセインさんの看板料理のひとつです。

どのタンドール料理にも共通して言えるのは、スパイスの香りだけでなく肉本来の美味しさをしっかり引き出していること。

よく、「インドはアツい国だから、傷みそうな食材を美味しく食べるためにスパイスガンガン使うんですよね」なんて言われるし、
実際そういう面もあるのだけれど、フセインさんの料理のように、一流ホテルで供される宮廷料理の場合はそもそも食材も良いわけで。素材の良さをスパイスで引き出す調理だってあるわけです。
日本人ならではの感覚で素材の良さを引き出したインド料理も最近増えてきて嬉しい限りですが、そんな流れを作った日本人の名シェフの多くがもともとフセインさんの薫陶を受けていたことを思えば、彼の存在の大きさを再認識してしまいます。


★ジャルジッラーサワー ¥600

チャットマサラたっぷり、インドのインドの甘くないスパイスレモンサワー。
暑い日にピッタリのお酒ですが、これまたしっかり度数があって頼もしいですね。

さて、メインのカレーにも移りましょう。
一見、ご近所のインド料理店にもあるようなポピュラーなメニューが並んでいますが、そういうところにこそフセインさんの凄さが隠れています。食べてみたら「えっ、全然違う」って。

★パーラクパニール ¥1650
★ルーマリーローティ ¥550


よく「サグパニール」という名で見かけるカレーですね。
正確には「サグ」=青菜全般、「パラック」=ほうれん草なのですが、大抵はほうれん草のカレーです。

こちらでは、ほうれん草のグレービーにフセインシェフ特製のパニール(乳脂肪と生クリームを固めたインドのカッテージチーズ)をトッピング。

その明るめなグリーン色に、そもそも他店とは別物のオーラを感じます。

そして、食べてビックリ、濃厚な香り。
リッチでクリーミーな味わいの中にズン!とした低音域のように香るクミン。
インド料理にはスパイスを油で炒め、その香りを油に移す「テンパリング」という工程があるのですが、
フセインシェフはここでスパイスの香りを最大限に引き出す技術がとにかく凄いんです。

塩味も比較的強めで、華やかかつゴージャス。なのに品がある。
いわば渡辺謙のようなカレーであります。

あわせたのはこちらルーマリロティ。

大きなドーム状の鉄板で焼く、薄くて大きい全粒粉パンです。
ハンカチのように折り畳んで提供されることから、ハンカチ(ルマール)ロティと呼ばれているんです。

一般のインド料理店にはあまり置かれておらず、
タンドール料理を主とする焼きものにこだわるお店で出会うことが多い印象。

実際、これがなかなか便利で、カレーに合わせるだけでなく、タンドール料理の間にチャトニつけながらちょこちょこ摘まんだりするのにも最適。
なんか炭水化物欲しいけど、お腹いっぱいにはなりたくない。そんなときに頼んで間違いはないです。

さぁさぁ、ビックリビジュアルの料理がやってきましたよ。

★ダムビルヤーニー(マトン)¥2200

そう実はこれ、みんな大好きビリヤニ。
素焼きの壺にビリヤニを詰め、サフランをたっぷり用いたナン生地で蓋をして蒸しあげた一品。
ダム=蒸す という意味です。


中はしっとり、美しい艶を纏ったバスマティライス。
オイルに移ったスパイスの香りが、蒸し上がりの湯気とともに鼻腔をくすぐります。


そして見てください、この立派なマトン肉!
食感ふわふわ、これまた肉自体が美味しすぎます。
骨ごとぶった切られているので、骨髄の旨味もしっかり米にしみこんでいますよ。

もちろん、蓋になっているナンもウマウマ。
特に壺にひっついて良く焼きになったあたりがたまりません。

贅を尽くしたインド宮廷料理ディナー、〆はやっぱりこちら。


★ホットマサーラーチャーエ ¥550

いわゆるチャイです。
ホッと一息とはこういうこと。


食後の胃を整えるフェンネルも提供されます。

ここで皆さん、もう気付いているかもしれません。
料理名の表記が他店とちょっと違っていることに。

実はフセインさんとこの店を共同経営するオーナーの柴原三貴子(アリ三貴子)さんは「ムスリムの女たちのインド」の著者。
この店を文化交流の拠点とするため、なるだけ現地読みに近いカタカナ表記を心がけているんです。

「伝説の」「レジェンド」と紹介されることの多いフセインさんも、会えばいたってチャーミング。

けれども料理に対する情熱は凄まじいものがあります。
今回いただいた料理もハンドメイドにこだわるものばかり、ということは仕込みの時間がとんでもないわけです。
聞けば、タンドール窯の脇がフセインさんの定位置で、まかないもそこで食べ、ふとした時にずっと仕込みをしているのだとか。

そんな有難い料理がいつでもいただけるようになったなんて、感謝感激。
普段は王侯貴族とは程遠い日常を送っている私たちでも、手軽にマハラジャ気分を味わうことができますよ。

ぜひ何人かで連れ添って訪問してくださいね。


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