日本西洋料理のパイオニア「東洋軒」。
現在は三重に本拠を構える大御所が、東京駅改札内に出店。

「東洋軒 東京ステーション」
2020年8月オープン。

レトロモダンな雰囲気が素敵です。
店内にはかつてのメニュー表が。

ステーキやコロッケ(コロッケー)、カレーライスのほか「さしみ」も扱っていたんですね。
「カレーライス 参拾円」と読みかけて「カレーライス 三拾餞」だったことに気づいた時、この店の歴史の深さを再認識。

あ、こちらには「東洋軒和食堂車」の文字がありますね。
そう、明治大正の時代には「精養軒」やこの「東洋軒」が食堂車の運営を請け負っていたんですよね。
いままた東京駅改札内に店舗を構えるとは感慨深いものがあります。

今も昔も変わらない「東洋軒」の名物といえばやはりカレー。
例えば今でこそ大衆的なカレーとして親しまれる金沢カレーだって、元を辿れば「東洋軒」にルーツが見つかります。
それほどまでに全国各地の洋食カレーに影響を与えたパイオニアなのです。
そんな「東洋軒」のカレーは今では「ブラックカレー」の名で愛されています。
メニューを見てみましょう。

さすが三重に本拠を置くだけあって松坂牛や伊勢海老など贅を尽くしたラインナップ。
金額は駅ナカ飲食店としては流石に高級路線(そりゃそうなのですが)ではありますが、ハーフサイズでのオーダーが可能な配慮も。
ちなみにカレーをハーフサイズでオーダーするとソースポットではなくカレーライス仕立てのワンプレートでの提供となります。
しかし「東洋軒」の伝統的な世界観を満喫するなら、フルサイズのソースポット提供で行きたいところですね。

★松坂牛ロイヤルブラックカレー ¥3080
・カレーセット +¥880
三重の伊藤牧場松坂牛A5ランクを100%使用した、ブラックカレーの「上」にあたるカレーがこちら。
サラダとコーヒーがついたセットでオーダーしました。

・プチ・コンビネーションサラダ
ポテサラは男爵とインカの目覚めのブレンド、トマトは高知産の糖度が高い品種を使用と野菜ひとつひとつに気持ちが行き届いています。
流石の抜かりなし。

ブラックカレーは銀製四つ足のソースポットでの提供。
これが気分良いんですよね。
チャコールな色合いのブラックカレーは濃厚を超えて濃密、そして滑らかさの極み。
辛さより圧倒的なコク深さが身上で、リッチこの上ない旨さです。
そして、驚くべきは具材としての肉自体の旨さ。

いやいや、そりゃあ高くて良い肉使ってたら旨いの当たり前でしょと思うかも知れません。
けれどいくら良い肉を使っていても煮込む過程で肉の旨みがカレーに溶け出し、具材としては旨みが抜けた肉になっていることが正直多い中、こちらの肉は、カレーの中でも赤身としての肉の旨さをしっかり残しており、アップグレードした価格にしっかり見合う味わいに。
これほんと、あるようでなかなかないレベルです。
カタチを残したまま限りなくトロトロになった玉ねぎにも注目。ソースをここまで真っ黒にするには玉ねぎをかなりの量炒めていると思うのですが、それに加えトロトロ食感まで楽しめるというのは、これまたなかなかない。
付け合わせのピクルスも酸味はかなり控えめで、野菜の味を活かしたもの。
素材に自信があるんですね。
言わずもがな、ご飯の状態も完璧。実に素晴らしい。

程良き頃合いにやってくるセットのコーヒー。
ここも銀の匙なのが嬉しいですね。

駅改札内のレストランでありながら、圧倒的な伝統とその矜恃を寸分の隙なく受け継いでいることに敬服。
(いろんなお客が来る立地ですから、その大変さもひとしおかと)

お土産に「ブラックカレーパン」やブラックカレーのレトルトも販売しているので、東京土産に活用してみては?
(ただしロイヤルブラックカレーはレトルトでも2000円越え!)
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