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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

JAPANESE CURRY AWARDS2021ノミネート店発表!

さてJapanese Curry Awardsの季節がやって来ました。
(例年よりちょっと遅い)
JCAロゴ2021

今年も各選考委員が提出したノミネート店を発表、本審査を経て受賞店を決定するという流れ。
(発表は年明け予定)
各審査員より挙がってきた今年のノミネート店はこちら。

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▼メインアワードノミネート
インデアンカレー(大阪、兵庫、東京)
火星カレー(東京・池袋)
泰明庵(東京・銀座)
ボルツ(東京・竹橋)
よもだそば(東京、名古屋)
ケバブ・ビリヤニグループ(サルマ、カーン、ハリマほか東京・千葉)
トプカ(東京・神田、池袋)
メーヤウ信濃町(東京・信濃町)
マレーチャン(東京・池袋)
シディーク(東京、千葉)
Spice Drunkerやぶや(横浜・関内)
Japanese Spice Curry WACCA(東京・八丁堀)
サリサリカリー(横浜・白楽)
柏ボンベイ(千葉・柏 他)
笑夢(福島・福島 他)
タリカロ(東京・西荻窪)
スパイスカレー43(大阪・阿波座)
青い鳥∞黄い蜂(大分・別府)
INDIA GATE(京都・烏丸)
はぐ寧(大阪・天神橋)
Cini Curry(神戸・みなと元町)
メディスンマン(北海道・札幌)
コフタ(沖縄・読谷村)
みち草バザール(北海道・札幌)
サンラサー(東京・東新宿)
マルハバハラールフード(福岡・箱崎)
ダルマサーガラ(福岡)
フレックス バーアンドグリル(沖縄)
わさんたらんか(熊本)
カーネル食堂(福岡)
レディ アン 博多竹下本店(福岡)
メーヤウ(長野)
砂の岬(東京・桜新町)
LION SHARE(東京・代々木)
ガネー舎(東京・新橋)
CURRY-YA! CONG(札幌)
Quiet Village Curry Shop(岡山・岡山市)
スリマンガラム(東京・経堂)
TAPiR(東京・神楽坂)
256nicom(千葉・下総中山)
カレーの店ガンジー(東京・新宿三丁目)
ヴィラ・アフガン(山梨・甲斐大泉)
プルジャダイニング(東京・巣鴨)
ヨゴロウ(東京・国立競技場)
ザ・カリ(東京・御成門)
ダバインディア(東京・京橋)
Rojiura Curry SAMURAI.(札幌 他)
カレーハウス チリチリ(埼玉・戸田公園)
カーマ(東京・神保町)
piwang(東京・吉祥寺)
ソルティーモード(東京・恵比寿)
美味これくしょん神田倶楽部(東京・竹橋)
レカマヤジフ(東京・祐天寺)
アトリエ・ド・フロマージュ(長野県東御市・滋野ほか)
ahill(東京・西麻布/銀座)
ポールスター(東京・丸の内)
Japanese Restaurant 三州家(本所吾妻橋)
グルガオン(東京・銀座一丁目)
ジャポネ(東京・銀座)
プティフ・ア・ラ・カンパーニュ(東京・半蔵門)
日光金谷ホテル クラフトグリル(東京・新宿)
スパイスカリー バビルの塔(大阪・谷町六丁目)
Asian kitchen cafe 百福(大阪・九条)
Zipangu Curry Café 和風カレーHiGEBozZ(大阪・中崎町)
食堂 虹の仏(大阪・四天王寺)
だしとおばんざいと和カレー はぐ寧(大阪・天神橋筋六丁目)
谷口カレー(大阪・北浜)
サケトメシ(大阪・九条)
Cafe&Curry Buttah(大阪・心斎橋)
Camel curry(東京・世田谷上町)
東京コロンボ(東京・恵比寿)
三丁目のカレー屋さん(東京・京橋)
バンダラランカ(東京・信濃町)
天重(東京・麹町)
銀座にし邑(東京・銀座)
ヴェジハーブサーガ(東京・御徒町)
Like(東京・白金)
マドラスミールス(川崎・新丸子)
ベイリーフ(東京・赤坂見附)
ポンディバワン(東京・武蔵新田)
INDU(神奈川・元町中華街)
WODKA TONIC (東京・西麻布)
Ghar(大阪・肥後橋)
バビルの塔(大阪・谷町四丁目)
BAGAWAAN CURRY(大阪・心斎橋)
ガネーシュN(大阪・大阪天満宮)
マガリーダッタ(大阪・西田辺)
セイロンカリー(大阪・長堀橋)

▼新人賞ノミネート
ビリヤニ大澤(東京・小川町)
エムカッセ(大阪・住吉)
currytoiro(福岡)
レカマヤジフ(東京・祐天寺)
toi印食店(奈良)
欧風カレーイナバ(東京・三鷹)
BRICK(東京・恵比寿)

▼名誉賞ノミネート
スマトラカレー共栄堂(東京・神保町)
朝松庵(東京・中目黒)
仙臺(東京・神保町)
松屋
カシミール(大阪・北浜)
ボルツ(東京・竹橋)
白山文雅(佐賀)
日比谷松本楼(東京・日比谷)

サイトはこちら
https://japanesecurry.net/2021/12/27/2021nominees/?fbclid=IwAR1wmBffXnrTel_8lUYmOt6p1yx1s7dsLwvSfUWKzG4r-dRGrem2dWYGbh8
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この中から選考会を経て受賞店を決定。
発表は年明け早々になりそうです。


そして、以下がワタシからのノミネート分。
選に寄せたコメントとともにご確認くださいませ。

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●JAPANESE CURRY AWARDS2021 カレー細胞ノミネート
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2021年の日本は、「コロナ」と「オリンピック」という2つのキーワードに色々な意味で振り回された一年でした。
グローバルマーケットに向けて何年もかけ準備されてきた再開発計画、新たなニーズを見越した事業展開、それら全てが予測不能のカオスに巻き込まれた一年。2020年から始まったコロナが終わらないどころか、人と人との関係性を持続的に変えてしまうものだと気付かされた一年。今までの常識が常識でなくなった一年。
そんな中でも私は思いました。

「カレーはコロナに強い。」

スパイスの効能でウンタラカンタラ・・・という怪しい話ではありません。
カレーがテイクアウトにも通販にもレトルト にも適応でき、どんな食材も材料として生かせる可塑性のある料理であるからです。
夜の飲み需要が消滅した飲食店が、その食材を用いたランチカレーをはじめたり、フードロスの危機に頻した素晴らしい食材がカレーとして再利用されたり、観光需要が減少した地方がご当地の名物をレトルト として流通させ、PRの目玉にしたり。
有事の際、カレーが活躍できるフィールドがたくさんあることに気付かされた一年でもありました。

また、オリンピックイヤーとして食に関わるトピックとしては「ハラール」ということがあります。縮小する国内経済を国際対応し、未来への突破口を開く糸口となるはずだったのが、オリンピック。
その目論見の多くは肩透かしに終わったとはいえ、いや肩透かしに終わったからこそ、飲食も海外市場をリアルな視野に入れなければいけないと思います。そんな中、全世界で圧倒的な人口(それと富)を占めるムスリム社会への対応について、日本はもうこれ以上遅れるわけにはいかないでしょう。実際、海外からみた日本カレーのコンテンツ価値は、ラーメンを凌ぐ可能性があるもの。今こそ日本のカレー文化を、海外から見えるカタチにすべき時だと、私は思います。
今年秋に渋谷でJAPANESE CURRY FESTIVALを開催したのも、それが理由です。

今年のAWARDノミネートに関しては、
カレーというジャンルを超え日本の飲食に新しい可能性をもたらしてくれるお店、
日本のカレーが海外市場で戦えるきっかけを与えてくれるお店を意識して選んでみました。


★メインアワード カレー細胞ノミネート(10店)

マレーチャン(池袋)
1994年にオープンした日本マレーシア料理店一番の老舗。インド系、華僑系、ジャワ系、その他ローカル系など多彩なマレーシア料理を網羅し、その料理レパートリーは100以上!
日本に住むムスリムのマレーシア人学生たちが、日本で食べられるものが少ないことに気づき、いち早くハラール認定を取得したお店であり、実は東京オリンピックでムスリム系の選手への大量ケータリングを請け負うなど、日本社会の多様性を食でしっかりと支えている存在でもあります。


シディークパレス/シディーク(東京タワー)
ずいぶん前から都内あちこちにあったシディーク。
振り返ればまずそれが凄い。ハラール対応のお店があちこちにあるわけですから、その存在がどれだけ在日ムスリムの助けになったことか。
そして本気のパキスタン料理の凄みを見せてくれた「シディークパレス麻布十番店」
その後麻布十番店はクローズし、シェフの人手不足からお店によって味のバラつきが出たこともありました。
けれどもここから「シディーク」の逆襲がはじまる。ハラール対応の冷凍食品シリーズを自社開発しヒットさせ新大久保にオープンしたナショナルマーケットで販売。パキスタン以外の国の商品も委託販売というカタチで棚貸し。お店の奥ではホームスタイルのワンプレートパキスタン料理がいただける。そしてなんと東京タワー内に「シディークパレス」オープン。
まさに東京ムスリム社会の旗手にふさわしい活躍ぶりの2021年でした。


Spice Drunkerやぶや
日本のカレーが「たかがカレーライス」を超え、美食として認識されるための再構築。予約限定の日本酒とのペアリングコースへとお店のあり方を振り切ったこのお店は、その顕著なモデルケースとなるのではないでしょうか。
日本酒好きな海外からの大切なお客様を自信を持ってお連れすることができる、稀有なスパイス料理店だと思うのですが、これが「稀有」じゃなくなったときに、「やぶや」の存在意義が再発見されるのでしょう。


Japanese Spice Curry WACCA
大阪のスパイスカレー界でも、その創作性の高さが注目されていた「WACCA」。東京・八丁堀に移転した今年、店名に「Japanese Spice Curry」とつけた意図は明確。インド周辺国のスパイスと出汁を組み合わせたりといった、これまでの注目要素は単なるパーツに過ぎません。刺身を見事なスパイス料理へと変貌させた「海鮮カレー」のように、海外で戦える「スパイス和食」としてのカレーを強く印象づけ、これからも多くのカレー店や他ジャンルの飲食店たちへ刺激を与えていくことでしょう。


サリサリカリー
「WACCA」をはじめ多くのカレー店で採用され看板メニューとなっている「無水チキンカレー」。そのインスパイア元となった移植のレジェンド。ムスリム国パキスタンの家庭料理が、日本のカレーライス文化に非常にマッチすることを証明したお店でもあります。つまりここのカレーを軸にすれば西にも東にも行ける予感がする。マスターが亡くなられた今でも、そのチルドレンというべきお店たちは国内外を舞台に活躍することでしょう。


柏ボンベイ
「デリー系」と言われることが多いお店ですが創業1968年。すでに半世紀を超える歴史をもつ老舗名店です。おなじ名物「カシミールカレー」を擁していながらも、「デリー」がインド・パキスタンをルーツに据えた料理展開をするのに対し、「ボンベイ」は洋食発想の着地。和・印・欧をクロスオーバーさせた独自の世界観は再評価されるべきと思います。特に2021年は下北沢に「SANZOU」、神田に「ボンベイ神田店」と、カレーカルチャーの2大中心地へと進出。柏のご当地カレーを超えて本気を出してきました。


笑夢
本当は日本の食文化を語る時、米や豊かな食材の産地である東北地方を外すことはできないでしょう。なにせ、本州の面積の1/3は東北なのですから。けれども超老舗のお店を除き、東北で注目の飲食店と言ってそうそう数が挙げられないのは何故でしょう?
実際には東北には多くの魅力的なカレー店があり、特に仙台では間借りからスタートする若い世代のカレー店が続々登場したりもしているのですが。こちら「笑夢」は東北では例外的に、精力的な展開を行うカレー店。ラーメン以外の専門店はやっていけなしとさえ言われる福島の地で、カレーといえば「笑夢」を浸透させ、大阪スパイスカレーシーンで広まる前からあいがけワンプレートスタイルの提供を続けているのです。
しかも2021年にはなんと、大阪へと進出!これをきっかけにカレーファンたちが東北に目を向けてくれれば、日本のカレーはもっともっと面白くなると思うのです。


タリカロ
南インド、アーンドラプラデーシュ州の料理を下敷きにしているとはいいつつ、「インド料理」を名乗らないのが「タリカロ」。曰く「對馬流インド系辛口料理」つまり、インドで食べられるインド料理ではなく、インド人も荻窪に来なければいただけない料理ということなのです。世界から注目される日本のカレーを、日本人自身が海外に発信してこなかった根源は、日本人が「カレーの本場はインド」と余計な謙遜をしているからだと、私は考えています。もちろんルーツとなる国の食文化へのリスペクトは必要ですが、日本のカレーはほかのどこにもない日本のもの。そう考えた方がみんな幸せになれるんじゃないでしょうか。この「タリカロ」のように、めちゃくちゃ辛いJAPANSE FOODがあるって、海外で知られたら日本のカレーは勝ちです。


スパイスカレー43
品数が多く賑やかな盛り付けを競う感がある大阪カレーシーンの中で、「あまのじゃく」的にシンプルなライス&カレーで勝負。シンプルな中で斬新な発想やアイコニックなビジュアルを作り出す手腕は他にないもの。大阪のスパイスカレーと聞いてイメージするものとは随分異なるカレーを提供しつつ、店名で「スパイスカレー」を名乗っていることが重要なのです。つまり、カウンターカルチャーへのカウンター。みんなが同じ方向へいっちゃダメ。みんな違うからこそ日本のカレーカルチャーは世界一楽しいのです。きっと。

青い鳥∞黄い蜂
温泉の街として知られる別府のもう一つの顔、それは日本のダイバーシティーのモデル都市。人口に対する留学生率が日本一であり(車椅子人口率も日本一)、異なるルーツ、異なる文化、異なる宗教の人々が一緒に学び、一緒にお祭りをし、一緒に湯に浸かる。
日本が真の国際化を目指す上でたいせつな、人と人との関わり方の指針が、ここ別府では見つかります。
そして、多様性の街には多様性の産物としてのカレーがたくさん。福岡に続き熱い注目をあつめる別府カレーシーンの中心といえば、やはりこのお店です。

(次点)インディアゲート
昨年の新人賞ということで選から外しましたが、インドと日本の融合のみならず、米食文化を見直すきっかけを与えてくれる野心的bな試みを次々繰り出すこのお店、もはや新人ではなく完全に台風の目といって良いでしょう。その動向に最注目のお店です。


新人賞
ビリヤニ大澤
いま、日本で一番注目されているスパイス料理といえばビリヤニでしょう。雑誌やTVで多く取り上げられるだけでなく、
カレーイベントではビリヤニに長蛇の列ができるほど、リアルなムーブメントとして客を動かしています。
けれどもそれは決して、ポッと出のブームではありません。
なかなか説明が難しいビリヤニの魅力を日本に広めようとひたすら啓蒙を続けた人たちの功績であることは間違いありません。
そして、そんなビリヤニ啓蒙活動の中心人物だった大澤氏が、ついに店を出しました。
ただひたすら、ビリヤニに特化し、ビリヤニの美味さを追求する。それだけのお店。
「ビリヤニはカレーじゃない。」大澤氏はそういうかもしれません。
けれど2021年のカレーシーンは、ビリヤニの存在感を抜きには語れないのです。

名誉賞

朝松庵(東京・中目黒)
「カレー×出汁」「カレー×和食」という試みが広がりつつある今日。けれど振り返ってみれば100年前にそれを成し遂げたお店があったのです。「カレー南蛮の発明」はまさに、「カレー×和食」の最初の成功例。このタイミングで改めて光を当ててみました。



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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ

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