なかでも他とは違う個性派カレーを提供するのがこちら。

創業1925(大正14)年、1966年からはフロアごと洋・和・中の多業態を展開する「三笠会館」。
銀座でその伝統のカレーを提供するのは一階にあるこちらのレストランです。

「ラ ヴィオラ 三笠会館」(LA VIOLA)

エントランスを入ってすぐはスタンディング形式のイタリアンバール。

その奥にシックで静謐なテーブル席エリアがあります。
テーブルを一つ挟んだ向こうでは、銀座マダムたちが
「普段着にするにはイッセイ・ミヤケがいいわ。」
「私はミッソーニのニット、いいわよ。」
「私は最近ギャルソンばっかり。」
・・・なんて会話を交わしていますよ。
大陸からの観光客を当て込んだ量販店の進出、コロナ禍における店舗の撤退と、
「かつての銀座の面影は何処へ?」なんて思っていましたが、まだここにありました。

消毒スプレーひとつとっても気品があります。
銀座はいつまでも、贅沢な気分にさせてくれる街であってほしいですものね。

伝統のカレーがいただけるのはランチタイム。

セットはシーザーサラダかミネストローネが選べます。

★三笠会館伝統のインド風チキンカレーランチ ¥1800(税込)
そう、実は「三笠会館」のカレーは昔からインド風を謳っているんです。
といってももちろん、最近日本でも普及したインド現地の料理ではなく、「新宿中村屋」の「インド式カリー」同様、日本の伝統洋食としてのインド風(インド式)カレー。
カレーがソースポットに入った、「昭和の日本人がイメージする」インドカレーです。

提供される全ての陶器には鹿の意匠。
三笠といえば奈良、奈良といえば鹿なのですから。

まず、具材がなんとも驚き。
骨ごとぶった切ったチキン手羽と、砂肝なんです。
ここに至った経緯、知りたいなぁ。
ともあれ、肉の滋味を一番感じるには骨まわりの肉と、骨髄に限る。
髄の旨味に加え、砂肝の苦味、そしてスパイスがビシッと効いた、アダルトな味わいがたまりません。

卓上にはレーズン・キュウリ漬け・アーモンドの三品。
ごめんなさい、めっちゃ使ってしまいます。
それぞれをカレーに混ぜ込むと食感や味の変化が堪らないんです。
というか、絶対混ぜ込んでくださいな。

食後にはドリンクもついてきます。
ブレンドコーヒーでゆったりと。
失われそうになっている、歴史ある銀座の贅沢な時間。
こんなにリーズナブルに楽しんじゃっていいんでしょうか。
いや、いいんです。
今だからこそ、気兼ねなく銀座に繰り出そうじゃありませんか。
●twitter「カレー細胞」:@hm_currycell
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