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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

インド新進気鋭のシェフによる、革新的モダンインディアンキュイジーヌ。「SPICE LAB TOKYO」(銀座/有楽町)

2019年のカレー界の一大トピックとして挙げられるのが、モダンスパイスキュイジーヌの台頭。

今やラーメンと並ぶ国民食といわれるカレーですが、実は外食においてその位置づけは弊害にもなっていました。
つまり「カレーのような庶民的な食べ物に1000円も払えない」なんて意識が結構多くの日本人にはあるんです。

でも実際には、世界を見渡せば、スパイス料理はあまりに多種多様ですし、高級フレンチと肩を並べる「格」のお店だってたくさんある。
カレーという視点から見ても、その拡がる先には無限の可能性がある。
なのに、「カレー」というコトバの先入観が、その可能性を邪魔していることだって多いわけですね。

が、そこへ来てオリンピックという節目が迫ってきたわけです。
日本人のカレーに対する先入観などどこ吹く風で、グローバルな視点のヌーベルキュイジーヌ、モダンスパイスキュイジーヌが次々と日本に現れ始めているんです。

今までは、店主の強烈な個性とポリシーで日本の常識を壊してきた北九州「KALA」、
日本の季節感とお酒とスパイス料理とをコース仕立てで組み立てる押上「スパイスカフェ」、
・・・あとはどこだろう?
という感じだったのが、千葉にモダンアジアン「ベンガルタイガー」、銀座にもタイ・ベトナムの進化形「Madam My」が登場。

そしてまさに真打ちというべき存在感を見せてくれたのが、2019年11月16日銀座にオープンしたこちらのお店。


「SPICE LAB TOKYO」(スパイスラボトーキョー)

銀座らしい上質な空間で、クリエイティブかつガストロノミックなモダンインディアンキュイジーヌを提供するこのお店。
総料理長のTejas Sovani(テジャス・ソヴァニ)さんはコペンハーゲンの「noma」で修行、インドの高級ホテル「The Oberoi」「AMAN」で副総料理長の経験を持つ新進気鋭のインド人シェフ。

その経歴はまさに日本の「カレー」に対する既成概念を覆すに充分な説得力を持っています。
実際、スタッフから聞いた話によると、最初に「我々が提供するものをカレーだと思ってはいけない。」と諭されるところから始まるそうです。

オープン直後はメディアでも紹介されヒートしていたため、1週間ほど置いた11月下旬、夜のコース予約にて訪問してきました。


エレベーターの扉が開くと待ち受けるのは、多彩なスパイスそして紅茶のディスプレイ。


通された席からもライトアップされた厨房が良く見えます。
沢山の厨房スタッフがきびきびとした連係プレイを見せるその様は、まさに「グランメゾン東京」ですね。


窓から見渡す銀座の眺望も素晴らしいものがあります。

こちらのお店、ディナーには8800円と14300円(いずれも税抜)のコースが用意。
ベジタリアンかノンベジかが選べます。

この日は8800円のコース「Spice Trail」をノンベジでお願いしました。
コースの構成には「インドの多様性を巡る旅」というテーマそしてストーリーが込められているそう。
さぁ、はじめましょう。


最初にやってきたのはこちら。


ひよこ豆ボールの上に、ターメリックで色付けされたラヴァドーサ(セモリナ粉で作ったドーサ)。
その上に色鮮やかなカレーリーフが乗せられています。
3色のチャトニはそれぞれトマト、アボカド、チャコール。

なんという独創性でしょう。
「これは、あなたの知っているカレーやインド料理ではない」と瞳孔を開かせられるゲートであります。


次に登場したのはスープ。


バターナッツに味噌、トリュフオイル。
そこにショウガやフェンネル。
インドだけではない、和食やフレンチとの融合。
滑らかな舌触りと、深い旨みと香味がたまりません。


おっと、ここで意表を突く可愛さ。

白い枕の様に見えますが、実はこれ陶器。
このカジュアルな器に乗っているのは、まさにインドのストリートフードたちです。
けれど、そこに独自のクリエイティブが入っているのが流石。

中央のパニプリにはタマリンドではなく梅、味醂、レモン、ミントを使用。
三角のスナックはチキンサモサ。
ひよこ豆ケーキには海老そしてワサビ。
鴨のケバブにはプルーンやマンゴーの甘みが。
鮮やかな緑は紫蘇のバジ、アクセントでザクロが乗っています。

きっとこう来るよな、と思ったらそう来るか。
食材のずらし方による予定調和の破壊、そして口の中でのスパイスの跳ね方がとてもトリッキー。
自在な遊びはまさにスパイスエンターテインメントですね。

そして、その印象はこの後も徐々に確信へと変わってゆくのでした。

ここで、多彩なオリジナルのスパイスカクテルの中から一杯。

★カレーネグローニ ¥1600

ジンにフレッシュカレーリーフを1時間漬け込み、アンティカフォーミュラ、カンパリを加えた濃密な香りの一杯。
チビチビ飲めて幸せになれます。

さて、インドの多様性を巡る旅はまだまだ続きます。

こちらはインドの3つの海がテーマ。


ギュギュっと旨みが濃縮したロブスターの絶妙な食感。
クミンで香りづけしたポテト。
マスタードオイルがふんだんに用いられたソースは、そうだ!これはベンガル料理がベースなのですね。
これぞ、ヌーベルインディアンキュイジーヌといった逸品です。


ここでお口直しが入ります。


パッションフルーツのソルベ・・・なのですが、ここにもひねりがあって、なんとクミンとブラックペッパーが用いられているんです。
スイカに塩を振るアレじゃないですが、スパイスを加えることで逆に甘酸っぱさを鮮烈に感じる面白さ。

あぁ、今度はまたいい香りがしてきましたよ。

おぉ、これはベジチキンビリヤニですね。
トリッキーなスパイス使いの料理が次々と現れる旅も、ここで一つ綺麗な着地を見せてくれました。

ホックホックなビリヤニの美味さ、香り高さはもちろん一級品。

3つのディップが添えられているのですが、一つはライタ、一つはグレービー。
そしてもう一つがとってもクリーミィで滑らかなケツルアズキのダル。
これが実に素晴らしく、どうやったらこんな滑らかさが出るのかと聞いたところ、
なんと24時間見張り付きでじっくりスモークしているそう。
こ、ここに泊まりでですか・・・・道理で、ありがたい一品でした。


4種類のクルチャもやってきます。
・バタークルチャ
・トリュフマッシュルームのクルチャ
・ズワイガニとニラのクルチャ
・チキンとチーズのクルチャ

まずプレーンでも美味いところに、贅沢すぎるバリエーション。
特にトリュフマッシュルームのクルチャなんて、無限に食いたい。
これだけでもテイクアウト販売してくれたら絶対買いますよ。
満足・・・・・

さて、めくるめく旅も終盤。

岩の上に乗った生チョコを頬張りながら、


ダージリンティーをいただきます。
この紅茶がまた香り高く、実は直輸入の茶葉を用いており、いずれ販売も開始するとか。


コースの〆は色鮮やかなデザートプレート。


ビター:エスプレッソ マスカルポーネチーズ
サワー:ベリー、タイム
ソフト:バニラビーンズカスタード
スウィート:ターメリックとナツメグのアイスクリーム
パンプキンカルダモン ハルヴァ
と、華やかにフィニッシュ。

いやぁ、最初から最後まで笑みが止まらない、愉しさあふれるコースでした。

そして料理もさることながら、料理長であるテジャスシェフ自身がホールでしっかり客を見ており、適所適所でやってきてコミュニケーションをとってくれるのも非常に嬉しかった。
ただ気取っている感じではなく、作り手の熱気や悦び、温もりに触れられますから。

たしかにこの「SPICE LAB TOKYO」、カレーという枠には完全に収まらない、日本では新しいタイプのレストランです。
けれど、カレーという視点側から見るならば、長きにわたり日本人が抱いてきた「カレー=安価な大衆食」という固定観念を解きほぐし、あらたな可能性を拓くきっかけになり得る存在であると言えるのです。

ここから広がるカレーの可能性、そして日本のあたらしいスパイス料理の展開、ワクワクしちゃいますね。

なお、ひとつ上のフロアには同経営の「GREY ROOM」というBARがあり、そこでも「SPICE LAB TOKYO」のスパイスカクテルや軽食が単品オーダーできますので、シーンによって使い分けましょう。

「SPICE LAB TOKYO」公式サイトはこちら

●「カレー細胞」Facebookページ
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●twitter「カレー細胞」:@hm_currycell

●カレーは読み物!HOUYHNHNM(フイナム)にて『Curry Flight』連載中!
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カレーとハラール。文・写真:カレー細胞 | COLUMN | HOUYHNHNM(フイナム)


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