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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

Japanese Curry Awards2019 ノミネート店発表!

さて、Japanese Curry Awards2019の季節となって来ました。
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今年も各選考委員が提出したノミネート店を発表、本審査を経て受賞店を決定するという流れ。

今年のノミネート店はこちら。

⇒『Japanese Curry Awards 2019 ノミネート店発表!』

今年も多彩なお店がノミネートされています。

ここで2019年を振り返り、毎年恒例の長文に続いて、私からノミネートさせていただいたお店の紹介をいたします。


**** 【熱帯化する日本、カレーはブームなのか?】 ****

最近「カレーがブームですね。」そう言われることが多くなりました。
が、結論から言えば、私はそうではないと考えています。

このJapanese Curry Awardsも今年で早6年目。
その年その年のトレンドを分析したり、議論したりする機会を重ねるにつれ気づいたのは、
何年にも渡る緩やかな動きこそあれど、誰かが仕掛けて誰かが盛り上げて、一過性のブームになるということは、カレーに関して言えばあまりないな・・・ということ。

大阪スパイスカレーにしても、南インド料理にしても、間借りカレーにしても、飲めるカレー店にしても然り。
一般メディア的には、最近ブームとして取り上げられることが多くなりましたが、いやいやそれは6年以上前から続く緩やかで不可逆なトレンド(傾向)に過ぎないのです。

実際、2014年の第一回アワードの顔ぶれには、関西の間借りカレームーブメントとスリランカムーブメントを象徴する「カラピンチャ」、南インド料理のコモディティ化に貢献した「エリックサウス」、新人賞にスパイス呑みの新星「猫六」が選ばれているのですから。

ですが、確かに「今、カレーがブーム」と感じてしまうのもわからない話ではありません。
メディアにはカレー特集が溢れ、街を歩けばカレー店以外にも様々なスパイス料理が。

これがブームじゃなくて、大きな流れだとしたら、一体何が要因なのか。

一つめの要因は、スパイスやスパイス料理に対する情報が簡単に手に入るようになったこと。
日本にも各国から来た人々が増え、彼らの料理に直に触れる機会が増えたとともに、そのレシピやノウハウがネットで(日本語で)共有され、だれもがスパイス料理に取り組めるようになったことです。

そしてもう一つの要因、これが本当は重要な鍵だと思っているのですが、ズバリ気候の変動です。
それぞれの国、それぞれの地域で育まれた料理は、その土地の気候、そこで育つ植物などの生態系に依存しています。
ところが近年、日本はどんどん熱帯化している。
かつては熱帯にしか育たなかった動植物が、東京で繁殖するほどの変化です。
人間だって例外じゃなく、環境適応していくもの。
熱帯の国で育まれたスパイス料理が今、熱帯化した日本でさらに美味しく感じるようになるのも自然の摂理です。

今後も熱帯化する日本で、人々はもっとスパイスを欲するようになる。
カレーだけでなく、様々な料理がスパイス料理へと変化していく。
このことは、今後各方面でもっと研究されて良いのではと思っています。

スパイス文化にふさわしい、熱帯化日本。
そこにはすでに、世界のスパイス料理が集まって来ている。

ではこの次に起こることは何か。

答えは見えています。

それは、新たに熱帯化した日本ならではの新しいスパイス料理の誕生。
今こそ、ここでしかなし得ないスパイス料理文化を開拓すべく、シェフの創造性が問われる時代なのではないでしょうか。
日本人だけではありません。日本にやって来た外国出身のシェフも、この日本ならではの料理を生み出しつつあります。
「カレー」という強固な概念をもったこの国、四季折々の食材豊かなこの国。
そこから生まれる、斬新な香りと味わい。

このJapanese Curry Awards2019で私が提案・推薦したいのは「クリエイティブ」なお店。
日本のカレー文化が、フレンチやイタリアンに負けない地位となることを願って。



***** 【Japanese Curry Awards2019 カレー細胞ノミネート店】 ******

◎メインアワードノミネート(10店)

★ゼロワンカレーA.oD(大阪→東京・三田)
スパイスカレーから南インド、そして独自の領域へ。
大阪でスパイスカレー店としてスタートし、のちに南インドカレー店へと路線変更。
大阪における南インド料理の圧倒的エースとして大人気だった「ゼロワンカレー」が今年、東京へと電撃移転。
大阪とは異なり、インド人による南インド料理店で溢れかえる東京でも、圧倒的な個性と存在感でみるみる人気店となりました。ケララ州を主としたした南インド現地の料理に敬意を払いつつ、この瞬間この日本でいただく美味しさを追求した料理の数々は、まさにゼロワンだけのもの。
真の意味で、熱帯のスパイス料理が日本に根付いてきた証左と言えるでしょう。

★スパイスカフェ(東京・押上)
押上に輝く名店として日本中から憧憬を集めてきた「スパイスカフェ」が業態をガラリと変えたのは2016年10月のこと。
四季折々の食材を活かしたスパイス料理コースと、ワインとのペアリング。
インドやスリランカのスパイス料理を熟知したその先に、季節料理のコースへと行き着いたその思い切りは、来るべき日本スパイス料理文化への先見性溢れる取り組みです。

★ベンガルタイガー(千葉)
例えばフレンチならば、シェフが出身地の素朴な郷土料理のみを要求されることもなく、独創的なアレンジを加えることで褒められることはあれど「本格的ではない」としたり顔の客に怒られることなどないだろう。
そう考えると、アジア各国のシェフに対してまだまだ日本の人々は「見下している」店が多いのではないか。
こちらはベンガル出身、シンガポールの一流ホテルで修業したシェフによる、洗練されたモダンキュイジーヌ。
シェフのルーツを感じさせつつも完全オリジナル、独創的なアイデアで目と舌を満たしてくれます。
そしてこれが都心の特別な人々相手ではなく、千葉の地で愛されていることも革新的。このグローバル感覚は日本のカレー文化にとって大きな刺激となるでしょう。

★アフターグロウ(福岡)
インド、スリランカ、洋食、中華料理、和食・・・あらゆるエッセンスを自在に組み合わせ、「美味さ」と「驚き」を追求するマジシャン的な存在。
麻婆カレーを作っても、カツカレーを作っても、ズバリ決とめてくる天才性はさすが。
振り回し、突き抜ける容赦なさ、福岡から発せられる新たなカレーの可能性に限界はありません。

★MOKUBAZA(東京・北参道)
「神宮前キーマカレー激戦区」の中心的存在であり、インパクトあるビジュアルと味で詰めに行列店であり続ける、ドライキーマの王者。
実はこの店元々はBAR。お酒とともに愉しむカレーに革命を起こした店でもあり、グラフィックデザイナー出身であるオーナーによる「食のビジュアルデザイン」といった点でも先駆的存在である。
このSNS時代、カレーという食べ物の価値向上に多大な貢献を果たしているお店。

★タリカロ(奈良)
奈良の古民家という風情の中で、意表を突く迫力のカレーを繰り出す「タリカロ」ももうすぐ10年。
南インド・アーンドラプラデーシュ州の激辛料理を基調に、この地で支持され続けるブレない姿勢には尊敬の一言。

★南インド料理DAL(北海道・帯広)
洋食やイタリアンを経てインド料理に開眼、能見台「ガネーシュ」で修業の後、シェフを務めた大村さんが、故郷帯広で開いたのがこのお店。
豊富な調理経験とセンスに、北海道の豊富な食材が組み合わさり、ちょっと他では味わえないすごい料理を提供しています。
エゾシカのピクルスに北海道の巨大牡蠣のラッサム、ガレット仕立ての洒落たドーサに、季節のミールス。
インドでも食べられない、地球上にここしかない、わざわざ足を運ぶべきシェフの料理がここにあります。
ミシュランの審査員はいったい何をしているのだ???

★お出汁とスパイス 元祖エレクトロニカレー(大阪・京橋)
ますます裾野を広げつつ、飽和状態への危機感もある大阪スパイスカレーの中において輝く、他にはない個性のお店。
カレーに出汁を用いること自体は、新世代大阪スパイスカレーに多く見られる特徴でありますが、この店はむしろ、出汁を楽しむカレー。仕込みのプロセスだって、味の雰囲気だって、まるでラーメンなんです。
でありつつ、しっかりスパイス、しっかりカレー。
二大国民食と呼ばれるラーメンとカレーをカレー側に寄せ、新しい美味さを生み出すのに成功したお店なんて、ほかにあったでしょうか?


★印度料理シタール(千葉・検見川)
南インド料理がもてはやされる今日この頃。
そんな中でタンドリーチキン、バターチキン、ナンといったいわゆる「日本で当たり前のインド料理」を提供し、その全てで「当たり前でない」美味さを提供してくれる、只者ではないお店。
まさに、日本人にとって至高の北インド料理にして、絶対王者。
2019年に新しく店鋪をリニューアル、さらなる高みを極めつつあります。

★サンサール(東京・小岩)
ネパール人の天才女性シェフ、ウルミラさんによる、ネパール料理の名店として知られるこのお店ですが、実は南インドの本格的なミールスを日本で初めて提供していたお店でもあります。
そのクリエイティビティは今も健在。シェフ・ウルミラさんにしか作れない料理がここにあります。


◎新人賞ノミネート

★roji spice&____ (東京・中野)
日本の食材、特に椎茸やシラスといった旨味の軸と、多彩なスパイスの香り、そしてお酒とのペアリング。
「スパイスカフェ」の思想を受け継ぎながら、
路地裏ビストロという視点で新たなカレー、新たなスパイス料理の可能性を見せてくれる新時代のお店です。
(その他候補「アチャカナ」「カレーショップ初恋」「Mrs.DADA」)


◎名誉賞ノミネート

★ケララの風 (東京・大森)
今日の日本の多彩なカレー事情、スパイス料理事情は、沼尻氏の熱意無くしては成し得なかったもの。
カレーリーフを日本に根付かせた功績のみならず、日本中のシェフに多くの影響を与えたこのお店、今度は「ケララの風モーニング」としてインドの朝食文化を広めています。
メインアワードを受賞したことはあれど、いま改めて名誉賞として推薦したい。


*************************

Japanese Curry Awards2019は、各選考委員からのノミネートを基に、本審査会にて受賞店を決定。

受賞店の発表は12月末を予定しています。
乞うご期待!


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カレーとハラール。文・写真:カレー細胞 | COLUMN | HOUYHNHNM(フイナム)


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