
「カツとカレーの店 ジーエス」
2018年6月18日オープン。
場所は虎ノ門、先日閉店した「リズカレー」の跡地になります。
ジーエスという名前は・・・そうか!Genshiro Saitohのイニシャルだ!
フランスで修業後、四谷「オーベルジュ・ドゥ・ブリクール」」、熱海「ラ・ルーヌ」を経て、1994年「旬香亭」を静岡にオープンした斉藤元志郎シェフ。
その後「旬香亭」は赤坂に移転、同時期に揚げ物専門店「フリッツ」を立ち上げました。
私が最初に訪問したのは「フリッツ」なのですが、そのカツカレーの美味いこと!
現在「旬香亭」は静岡に戻り、東京には斉藤シェフの弟子である古賀シェフが料理長をつとめる「目白 旬香亭」がオープン。
一方「フリッツ」は神田に移転リニューアルし「ポンチ軒」と改名。
ここで驚くべきことは、「フリッツ」時代も充分に美味かったカツとカレーが、「ポンチ軒」になってさらに圧倒的進化を遂げているのです。
しかも「旬香亭」でも、スリランカカレーをベースにしたカツカレーを提供しており・・・!!
フレンチの名シェフとして鳴らす傍ら、カレーやラーメンといった大衆食が好きで、自ら相当数の食べ歩きもしているという斎藤シェフ。
そうでなければ、ここまでの展開は不可能でしょう。
そんな斉藤シェフが初めて手掛ける「カレー屋さん」。
ワクワクが止まらないではありませんか!!

メニューの筆頭はやはりカツカレー。
他にチキンカレーやロースかつセット、
17時以降はさらに、インディアン海老ライス、カツカレーサンドウィッチ、カツ皿とラインナップ。
カレーにはオプションで、ギョクオチ(生卵)、チャプスイ(野菜スープ)も追加可能です。

★名物カツカレー ¥1300
まずはシンプルにカツカレー。
・・・ですがもう、いろいろ独創的で魅惑的!!
あぁ、脳が高速処理モードに突入してしまう・・・・

まず目を惹くのが、黒くてシャバシャバなカレー。
「旬香亭」同様、スリランカカレーをベースにしたブラックカレーです。
ローストしたスパイス(スリランカで言うところのローストトゥナパハですね)を用いる一方で、
カレー粉や、ブイヨンも加え、カツカレーライスとしての親しみやすさもプラス。
インド料理よりも「旨味」と親和性が高いスリランカ料理の特性を生かし、洋食としてのカレーの良さも残しているわけですね。

そしてカツ。
とんかつの名店「ポンチ軒」と同系列だけに、美味くないわけがありません。
但し、ここではあえて、国産のブランド豚ではなく、メキシコ産の豚を使用。
「クセがなくさっぱりしてカレーに合う」のが理由だそうです。
確かに、美味いカレーを美味いカツを合わせたら美味いカツカレーになるかといえば、
必ずしもそうでなく、脂×油でズッシリもたれる食後感に襲われることもしばしば。
そのベストな落としどころを見つけるには、カレー愛だけでも、とんかつ愛だけでも難しいものなのです。
けれど、では、このカツが、
カレーを引き立てる脇役なのかといえば決してそうではなく、単品でもかなりの美味さであることにビックリ。

超肉厚なカツの断面はほんのりピンク色。薄くサクッとした衣と、肉の弾力のコントラストがたまりません。
ブラックカレーにつけて食べればなお良し。
しかしソースや塩で食べてもこれまた旨い・・・・悩ましい!!
そんなことを見越してお皿の左側にカレー、右側にキャベツとカツ、真ん中のライスがそれを仕切っているんですね。
楽しむ順番は、食べる側の自由。
これはまさに、作り手としてより、食べ手としての発想です。
なるほど、ここで腑に落ちた。
「カツカレーの店」ではなく、「カツとカレーの店」と名乗った理由。
それぞれ食べても旨い、合わせて食べても旨い、ということなのですね。
付け合わせの温野菜やピクルス、そして卓上に福神漬けではなくガリと、
細部に至るまで只者ではないことも添えておきます。
世にカツカレーの名店数あれど、ここはいきなりトップランカーに名を連ねてしまいそう。
カツとカレーの高次元の融合を果たした「アサノ」、カツカレーにおける最高級のカツを愉しむ「いっぺこっぺ」・・・
「ジーエス」はそのどちらでもないバランス。
あえてアプローチが近い店を挙げるとしたら、北新地「渡邊カリー」(もしくは同ルーツの「般°若」)くらいかしら。
周囲はビジネス街。
ランチタイムを外しての訪問が良さそうですね。
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