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発表!Japanese Curry Awards 2016受賞店!
category - 辛味&カレー・Japanese Curry Awards
2016/
12/
28お待たせしました!
「Japanese Curry Awards2016」受賞店の発表です!!

2014年、水野仁輔さんと11人のカレーマニアが一堂に会しスタートした「Japanese Curry Awards」。
日本のカレー文化に貢献したカレー店を毎年選出し、表彰する取組みです。
第3回となる2016年は、14人の選考委員が参加。
メンバーはこちら!!(敬称略)
USHIZO (CURRY DIARY(・x・))
たあぼう (お気に入りのカレー屋さん700)
エスニカン (◆毎日カレー◆と★タイ料理★)
ノリ (うまいものは宵に食え)
しまじろ (カレー401)
カレー細胞 (カレー細胞)
三吉 (三吉カレー日誌 ~あるいはカレーでいっぱいの海~)
ひろこ (東京無責任女の大冒険)
ノムコ (NOMCO CURRY MAP)
三嶋達也 (『口癖はカレー』 主宰)
K1郎 (うまから手帖◆旨辛エスニックで行こう!)
TAK (かれおた -curry maniacx-)
みつお (Bicycle & Ethnic 2)
クン・プー(タイ料理広報担当☆クン・プーのタイ料理食べ歩きブログ&まいぺんらいタイ料理レシピ)
◎選考にあたって
まず、各選考委員がアワード10店&新人賞・名誉賞各1店をノミネート。
その後、全員のノミネート店を共有した各選考委員が検証。
12月20日、都内某所にて本選考を行いました。
「カレーは、世界に誇れる日本のカルチャーである。」
このJapanese Curry Awardsの選考基準は「日本カレー文化に貢献したお店」です。
必然的に、過去2回のアワードも、日本人によるお店が多く受賞しています。
もちろんそこには意識的な部分があって、「日本カレー文化」=「日本独自のカレーにまつわる文化」と読み解くことで、
マニアが集ってマニアックな各国料理ばかりを盛り上げるようなことにならないよう、細心の注意を払ってきたのです。
ですが、カレーの本質は「異なる文化の融合」であり、特に2016年のカレー界を紐解くとき「多様性」というキーワードがとても重要であったという実感があります。
文化は動いています。
少し前までマニアックな一部の人向けだった事柄が、何かをきっかけにポピュラーになることだってよくある。
SNSによる口コミがマスメディアを動かす昨今であればなおさらです。
このアワードも三年目。
今まで以上に「日本カレー文化の多様性」をつよく意識した選考となりました。
◎選考基準
授賞理由となる、「日本カレー文化に貢献」という基準を因数分解し、以下のように3つの指針を定めました。
(1)「進化・発明」に対する貢献
そもそもカレーは、異文化の交流・融合から生まれた食べ物。まだまだ、新しい可能性が広がっています。
いままでなかった、素材と手法の組み合わせ、素材と素材の組み合わせ、料理と業態の組み合わせなど、皆が真似たくなるような新しい発明に対する評価です。
特に2016年は、和素材とスパイスを組み合わせた新発見が多い年だったのではないでしょうか。
(2)「普及・社会的地位向上」に対する貢献
いくら美味しくても、いくら斬新でも、世に知られることが無ければ勿体ない。
カレーの多様な魅力を、世に受け入れられるカタチで発信すること。
ジャンルを横断し、多くの人を巻き込むことに対する評価です。
かつてマニアックだった各国のスパイス料理文化を広く普及させる取り組みにも注目してみました。
(3)「地域活性・ローカリゼーション」に対する貢献
カレーに限らず、現在における日本経済の大きな課題は、地域活性化です。
また、SNS全盛で、あらゆる情報や商品が居ながらにして手に入ってしまう現在だからこそ逆に、「わざわざそこに行かなければ体験できない価値」が高まっているのが事実です。
「日本」や、「日本のそれぞれの地域」の魅力を取り込み、遠方からの客をも呼び込む価値創出。
2016年は関東・関西(そして北海道)に次ぐカレー発信地として、福岡カレー文化の盛り上がりが注目されました。
それでは、いよいよ「Japanese Curry Awards 2016」受賞店の発表です!!
■メインアワード(10店)
●和魂印才たんどーる(東京・初台)
『和印融合の第一人者、待望の復活!』

沼袋の名店として知られた「新・印度料理 たんどーる」が、2016年5月、初台にて待望の復活!
オーナーシェフの塚本さんは東京インド料理の先駆けである「アジャンタ」出身。
インド料理の手法をベースに、梅、ゴマ、昆布、ひじき、干し椎茸など、和素材をふんだんに用いた独自の世界は唯一無二、まさに「和魂印才」と呼ぶべき発明の山です。
和印融合の第一人者ともいえる巨匠は今も、日本における新しいカレーの可能性を追求するトップランナーであり続けます。
●ケララの風II
『南インドのスパイス文化を日本に定着させる、多大なる貢献』

長年、南インド大衆食の普及に取り組んできた沼尻シェフ。
彼から直接的・間接的に影響や恩恵を受けたカレーシェフがいったい何人いることでしょう
お店を通じての発信のみならず、食事会や料理教室を通じての普及活動。そこでインド料理を習得した数多くの日本人シェフの存在。
そして、南インド料理やスリランカ料理に欠かせないカレーリーフを日本の気候に合わせ自家栽培し、その種を多くの人に分け与えるなど、地道ながら多大なる貢献。
実際、現在日本で生のカレーリーフを用いているカレー店の多くは、沼尻氏が広めたカレーリーフの種を受け継いでいるのですから、その影響力は計り知れません。
●カルパシ(東京・千歳船橋)
『多彩なスパイス料理を、日本の新しい美味さに変換する鬼才。』

2015年秋から2016年頭にかけて浅草地下街での間借り営業を経て、今年11月待望の実店舗オープンを果たした超人気店「カルパシ」。
インド、スリランカ、ネパールなど、インド亜大陸各国の多様なスパイス料理を自在に操るその手腕には、数多くの熱狂的なファンがついています。
しかも世のマニアックな料理は、大多数のマニアでない人々に理解できないことが多いにも拘わらず、こちらの料理は例外。
インド亜大陸の料理を食べ慣れていない一般の方々のファンからの支持もアツいのが特長。
それには理由があって、シェフの黒澤氏は、インド亜大陸料理をマスターする一方で、日本のさまざまなカレー、大阪スパイスカレーから北海道スープカレーまでを把握、日本人が「美味いカレー」と感じるための「旨み」や「コク」を意図的にアップさせたチューニングを施しているんです。
年末には「ジャパニーズターリー」と称し、和食材や和の調味料をふんだんに用いた新しいインド料理(?)も開発。
マニアックなスパイス料理と日本人のカレーに対する味覚、この2つを高次元で融合させ新たな可能性を見せてくれるお店です。
●スパイス(東京・幡ヶ谷)
『世界に誇れる、ニッポンカレーライス』

外食としてのニッポンカレーライスの代表店。
辛口のチキン、欧風テイストのビーフ、フルーティな甘辛のポークという、基本の3カレーはどれも仕込みが別であり、合がけで楽しむのがオススメ。
もし海外から「日本のカレーが食べたい」という客が来たら、真っ先に連れて行くべきお店です。
●ピキヌー(東京・駒沢大学)
『日本式タイカレーライスの最高峰」

タイのカレー(ゲーン)を日本の米食、日本のカレーライス文化と融合させたパイオニア「メーヤウ」系各店の中でも最高峰といえるのがこちらのお店。
そのカレーはもはや、タイカレーを超えた、独自のカレーライスとなって多くのファンに愛され続けています。
そして今でも定期的にタイへと修行に行き、そこで仕入れた新しい味を、日本の旬の食材と組み合わせ新メニューを開発しているという山口オーナー。
歴史的貢献に加え、今なお挑戦を続けるその姿勢に脱帽です。
●ネパリコ(東京・渋谷/駒沢大学)
『ネパールの国民食ダルバートを渋谷OLランチにまで普及』

近年都内で急増する在日ネパール人。
リトルカトマンズ・新大久保のネパール店急増、ネパール各民族料理店の増加など、特に東京カレーの大きな流れを形成しています。
なかでも「日本カレー文化に貢献」という意味において重要なお店が2010年渋谷にOPENした「ネパリコ」。
ビジネスマンとして来日した若きオーナーが、「自分が本当に食べたいダルバートを出すお店が日本にない。だったら自分で店を出そう」と思ったのがきっかけ。
気軽にランチでもダルバート(ネパール定食)を食べられるお店としてマニアではなく一般の方々にも浸透させた功績は大きく、
優しいスパイス使いと素材の旨みを引き出す現地仕様の美味しさは女性にも絶大な人気を誇っています。
●ロッダグループ(大阪・九条)
『大阪スリランカブームを牽引する中心的存在』

今なお勢いが衰えることのない、大阪スリランカ料理ブーム。
その起爆剤となったのが、スリランカ人兄弟によるこのお店です。
昨年アワード受賞した「カルータラ」が、日本人によるスリランカカレーを大阪に普及させる貢献であったなら、
こちらは現地式の鮮烈なスパイス使いでカレーファンたちの瞳孔を開かせた貢献。
2015年には居酒屋仕様の2号店「ヌワラカデ」をオープンするなど、今なおトップランナーとして走り続けます。
※写真は「ヌワラカデ」
●香川(大阪・北新地)
『大阪・和食としてのカレーうどん文化』

北新地で深夜まで飲み明かした人々が「締めはやっぱり香川のカレーうどん」と口を揃える人気のお店。
出汁の利いたカレー汁、おでんをつまみやトッピングとしていただくそのスタイルは、カレーがもはや和食の域に達したことを実感させてくれます。
●渡邊咖喱(大阪・北新地)
『自在なアイデアで、東西カレー界のエッセンスを融合』

2016年4月4日にオープンした新店ですが、新人ではないのです。
実はこの「渡邊咖喱」の渡邊さん、一体何者かと言えば、
5年ほど前、東京・恵比寿にあったカレーがやたらと美味いBAR、「barまはから」のマスターだった方。
BARなのに牡蠣や白子をぶち込んだラッサム鍋コースとか、メチャクチャ面白いエンタメもやってた方なんです。
一方で、松尾貴史さんがオーナーのカレー店「般°若」のメニューディレクションも手掛け、「般°若」大阪進出の際にはお店の立ち上げも行っていました。
枠にとらわれない発想で、「barで本格カレー」「印度と和の融合」など、関東・関西双方のトレンドを先取りしていた先見性もさることながら、鯛出汁を用いたカレーや、独特なカツカレーなど、自由な進化はとどまることを知りません。
●Spice & Dining KALA(福岡・筑豊中間)
『福岡カレー事情を大きく前進させたパイオニア』

本格南インド料理店の相次ぐ出現、東京・新大久保からの現地式ネパール料理店の相次ぐ進出など、今年大きく前進した福岡カレー事情。
そのパイオニアとなったのがこのお店。
「南インド料理は当たらない」といわれた福岡の、それも結構な僻地で、孤高の料理人・通称「番長」が、日本のどこでも食べられないほど凄い南インド料理を提供し始めたのは約4年前。
当時は一部のマニアのみの支持にとどまっていたのが徐々に、徐々に地元メディアでも取り上げられるようになり話題に。
「九州の旬な魚とインドのスパイス料理を組み合わせると無敵」を証明し、福岡カレー界で完全に一目置かれる存在となっています。
■新人賞(2店)
●クヮッチースパイス ユクル(福岡・茶山)
『沖縄料理と南アジア料理の融合』

沖縄料理を南アジア料理の中に取り入れた独特なスタイルの新店。
豚の血を使ったチーイリチャーのカレー、ヒージャ(山羊)のビンダルー、
豆腐の入ったダル。
個性的でかつ、ここにしかない新しいニッポンカレーの誕生です。
(写真:三吉さん)
●Curry & Spice 青い鳥(東京・幡ヶ谷)
『重ね煮カレーのお店という新提案。』

2015年12月22日にオープン。
食材を「陰陽」順に積み重ねて、少ない水で煮るという料理法「重ね煮」。
自然の素材の持つ本来の甘味やうまみを引き出すため、最小限の調味料で美味しい料理を作れるというこの手法をカレーに応用したお店です。
インドのアーユルヴェーダが中国へ渡り発展した「陰陽思想」。
それが日本へと渡ったのち、このお店でインド料理へとフィードバックするというのですから、実に興味深い存在です。
■名誉賞
●ナイルレストラン(東京・東銀座)
『すべてはここから。日本最古のインド料理店』

創業1949年、日本におけるインド料理店のパイオニア。
創業者A.M.ナイル氏は南インド、ケララ州のトリバンドラム出身。
名物『ムルギーランチ』の混ぜて食べるスタイルはまさにその、ケララのミールスそのもの。
でもそこに配置されたカレー、マッシュポテト、チキン、ライス、キャベツはまんまケララのスタイルというわけではなく、
日本人がインド料理に親しみ、楽しめるように編み出されたまさにオリジナル。
まさに日印友好料理なのです。
今回の受賞店発表にあわせ、Japanese Curry Awards公式サイトもオープン!
過去の受賞店データもまとめられているので、チェックしてみてくださいね。
関連記事
(2014)
『「Japanese Curry Awards 2014」始動!~カレーとは、何だ?~』
『【全文掲載】 ジャパニーズカレーアワード2014ノミネート 「カレー細胞」セレクト』
『「Japanese Curry Awards 2014」受賞店発表!!』
(2015)
『今年で第2回!! 【全文掲載】 Japanese Curry Awards 2015 ノミネート店選出! カレー細胞セレクト』
『「Japanese Curry Awards 2015」全ノミネート店一挙 公開! 【受賞店発表は12/24】』
『発表!「Japanese Curry Awards 2015」受賞店!!』
(2016)
『【第三回】Japanese Curry Awards 2016 カレー細胞ノミネート店公開!』
『Japanese Curry Awards 2016 14人の選考委員によるノミネート全店一挙公開!』
●「カレー細胞」Facebookページもチェック。
https://www.facebook.com/CurryCell
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「Japanese Curry Awards2016」受賞店の発表です!!

2014年、水野仁輔さんと11人のカレーマニアが一堂に会しスタートした「Japanese Curry Awards」。
日本のカレー文化に貢献したカレー店を毎年選出し、表彰する取組みです。
第3回となる2016年は、14人の選考委員が参加。
メンバーはこちら!!(敬称略)
USHIZO (CURRY DIARY(・x・))
たあぼう (お気に入りのカレー屋さん700)
エスニカン (◆毎日カレー◆と★タイ料理★)
ノリ (うまいものは宵に食え)
しまじろ (カレー401)
カレー細胞 (カレー細胞)
三吉 (三吉カレー日誌 ~あるいはカレーでいっぱいの海~)
ひろこ (東京無責任女の大冒険)
ノムコ (NOMCO CURRY MAP)
三嶋達也 (『口癖はカレー』 主宰)
K1郎 (うまから手帖◆旨辛エスニックで行こう!)
TAK (かれおた -curry maniacx-)
みつお (Bicycle & Ethnic 2)
クン・プー(タイ料理広報担当☆クン・プーのタイ料理食べ歩きブログ&まいぺんらいタイ料理レシピ)
◎選考にあたって
まず、各選考委員がアワード10店&新人賞・名誉賞各1店をノミネート。
その後、全員のノミネート店を共有した各選考委員が検証。
12月20日、都内某所にて本選考を行いました。
「カレーは、世界に誇れる日本のカルチャーである。」
このJapanese Curry Awardsの選考基準は「日本カレー文化に貢献したお店」です。
必然的に、過去2回のアワードも、日本人によるお店が多く受賞しています。
もちろんそこには意識的な部分があって、「日本カレー文化」=「日本独自のカレーにまつわる文化」と読み解くことで、
マニアが集ってマニアックな各国料理ばかりを盛り上げるようなことにならないよう、細心の注意を払ってきたのです。
ですが、カレーの本質は「異なる文化の融合」であり、特に2016年のカレー界を紐解くとき「多様性」というキーワードがとても重要であったという実感があります。
文化は動いています。
少し前までマニアックな一部の人向けだった事柄が、何かをきっかけにポピュラーになることだってよくある。
SNSによる口コミがマスメディアを動かす昨今であればなおさらです。
このアワードも三年目。
今まで以上に「日本カレー文化の多様性」をつよく意識した選考となりました。
◎選考基準
授賞理由となる、「日本カレー文化に貢献」という基準を因数分解し、以下のように3つの指針を定めました。
(1)「進化・発明」に対する貢献
そもそもカレーは、異文化の交流・融合から生まれた食べ物。まだまだ、新しい可能性が広がっています。
いままでなかった、素材と手法の組み合わせ、素材と素材の組み合わせ、料理と業態の組み合わせなど、皆が真似たくなるような新しい発明に対する評価です。
特に2016年は、和素材とスパイスを組み合わせた新発見が多い年だったのではないでしょうか。
(2)「普及・社会的地位向上」に対する貢献
いくら美味しくても、いくら斬新でも、世に知られることが無ければ勿体ない。
カレーの多様な魅力を、世に受け入れられるカタチで発信すること。
ジャンルを横断し、多くの人を巻き込むことに対する評価です。
かつてマニアックだった各国のスパイス料理文化を広く普及させる取り組みにも注目してみました。
(3)「地域活性・ローカリゼーション」に対する貢献
カレーに限らず、現在における日本経済の大きな課題は、地域活性化です。
また、SNS全盛で、あらゆる情報や商品が居ながらにして手に入ってしまう現在だからこそ逆に、「わざわざそこに行かなければ体験できない価値」が高まっているのが事実です。
「日本」や、「日本のそれぞれの地域」の魅力を取り込み、遠方からの客をも呼び込む価値創出。
2016年は関東・関西(そして北海道)に次ぐカレー発信地として、福岡カレー文化の盛り上がりが注目されました。
それでは、いよいよ「Japanese Curry Awards 2016」受賞店の発表です!!
■メインアワード(10店)
●和魂印才たんどーる(東京・初台)
『和印融合の第一人者、待望の復活!』

沼袋の名店として知られた「新・印度料理 たんどーる」が、2016年5月、初台にて待望の復活!
オーナーシェフの塚本さんは東京インド料理の先駆けである「アジャンタ」出身。
インド料理の手法をベースに、梅、ゴマ、昆布、ひじき、干し椎茸など、和素材をふんだんに用いた独自の世界は唯一無二、まさに「和魂印才」と呼ぶべき発明の山です。
和印融合の第一人者ともいえる巨匠は今も、日本における新しいカレーの可能性を追求するトップランナーであり続けます。
●ケララの風II
『南インドのスパイス文化を日本に定着させる、多大なる貢献』

長年、南インド大衆食の普及に取り組んできた沼尻シェフ。
彼から直接的・間接的に影響や恩恵を受けたカレーシェフがいったい何人いることでしょう
お店を通じての発信のみならず、食事会や料理教室を通じての普及活動。そこでインド料理を習得した数多くの日本人シェフの存在。
そして、南インド料理やスリランカ料理に欠かせないカレーリーフを日本の気候に合わせ自家栽培し、その種を多くの人に分け与えるなど、地道ながら多大なる貢献。
実際、現在日本で生のカレーリーフを用いているカレー店の多くは、沼尻氏が広めたカレーリーフの種を受け継いでいるのですから、その影響力は計り知れません。
●カルパシ(東京・千歳船橋)
『多彩なスパイス料理を、日本の新しい美味さに変換する鬼才。』

2015年秋から2016年頭にかけて浅草地下街での間借り営業を経て、今年11月待望の実店舗オープンを果たした超人気店「カルパシ」。
インド、スリランカ、ネパールなど、インド亜大陸各国の多様なスパイス料理を自在に操るその手腕には、数多くの熱狂的なファンがついています。
しかも世のマニアックな料理は、大多数のマニアでない人々に理解できないことが多いにも拘わらず、こちらの料理は例外。
インド亜大陸の料理を食べ慣れていない一般の方々のファンからの支持もアツいのが特長。
それには理由があって、シェフの黒澤氏は、インド亜大陸料理をマスターする一方で、日本のさまざまなカレー、大阪スパイスカレーから北海道スープカレーまでを把握、日本人が「美味いカレー」と感じるための「旨み」や「コク」を意図的にアップさせたチューニングを施しているんです。
年末には「ジャパニーズターリー」と称し、和食材や和の調味料をふんだんに用いた新しいインド料理(?)も開発。
マニアックなスパイス料理と日本人のカレーに対する味覚、この2つを高次元で融合させ新たな可能性を見せてくれるお店です。
●スパイス(東京・幡ヶ谷)
『世界に誇れる、ニッポンカレーライス』

外食としてのニッポンカレーライスの代表店。
辛口のチキン、欧風テイストのビーフ、フルーティな甘辛のポークという、基本の3カレーはどれも仕込みが別であり、合がけで楽しむのがオススメ。
もし海外から「日本のカレーが食べたい」という客が来たら、真っ先に連れて行くべきお店です。
●ピキヌー(東京・駒沢大学)
『日本式タイカレーライスの最高峰」

タイのカレー(ゲーン)を日本の米食、日本のカレーライス文化と融合させたパイオニア「メーヤウ」系各店の中でも最高峰といえるのがこちらのお店。
そのカレーはもはや、タイカレーを超えた、独自のカレーライスとなって多くのファンに愛され続けています。
そして今でも定期的にタイへと修行に行き、そこで仕入れた新しい味を、日本の旬の食材と組み合わせ新メニューを開発しているという山口オーナー。
歴史的貢献に加え、今なお挑戦を続けるその姿勢に脱帽です。
●ネパリコ(東京・渋谷/駒沢大学)
『ネパールの国民食ダルバートを渋谷OLランチにまで普及』

近年都内で急増する在日ネパール人。
リトルカトマンズ・新大久保のネパール店急増、ネパール各民族料理店の増加など、特に東京カレーの大きな流れを形成しています。
なかでも「日本カレー文化に貢献」という意味において重要なお店が2010年渋谷にOPENした「ネパリコ」。
ビジネスマンとして来日した若きオーナーが、「自分が本当に食べたいダルバートを出すお店が日本にない。だったら自分で店を出そう」と思ったのがきっかけ。
気軽にランチでもダルバート(ネパール定食)を食べられるお店としてマニアではなく一般の方々にも浸透させた功績は大きく、
優しいスパイス使いと素材の旨みを引き出す現地仕様の美味しさは女性にも絶大な人気を誇っています。
●ロッダグループ(大阪・九条)
『大阪スリランカブームを牽引する中心的存在』

今なお勢いが衰えることのない、大阪スリランカ料理ブーム。
その起爆剤となったのが、スリランカ人兄弟によるこのお店です。
昨年アワード受賞した「カルータラ」が、日本人によるスリランカカレーを大阪に普及させる貢献であったなら、
こちらは現地式の鮮烈なスパイス使いでカレーファンたちの瞳孔を開かせた貢献。
2015年には居酒屋仕様の2号店「ヌワラカデ」をオープンするなど、今なおトップランナーとして走り続けます。
※写真は「ヌワラカデ」
●香川(大阪・北新地)
『大阪・和食としてのカレーうどん文化』

北新地で深夜まで飲み明かした人々が「締めはやっぱり香川のカレーうどん」と口を揃える人気のお店。
出汁の利いたカレー汁、おでんをつまみやトッピングとしていただくそのスタイルは、カレーがもはや和食の域に達したことを実感させてくれます。
●渡邊咖喱(大阪・北新地)
『自在なアイデアで、東西カレー界のエッセンスを融合』

2016年4月4日にオープンした新店ですが、新人ではないのです。
実はこの「渡邊咖喱」の渡邊さん、一体何者かと言えば、
5年ほど前、東京・恵比寿にあったカレーがやたらと美味いBAR、「barまはから」のマスターだった方。
BARなのに牡蠣や白子をぶち込んだラッサム鍋コースとか、メチャクチャ面白いエンタメもやってた方なんです。
一方で、松尾貴史さんがオーナーのカレー店「般°若」のメニューディレクションも手掛け、「般°若」大阪進出の際にはお店の立ち上げも行っていました。
枠にとらわれない発想で、「barで本格カレー」「印度と和の融合」など、関東・関西双方のトレンドを先取りしていた先見性もさることながら、鯛出汁を用いたカレーや、独特なカツカレーなど、自由な進化はとどまることを知りません。
●Spice & Dining KALA(福岡・筑豊中間)
『福岡カレー事情を大きく前進させたパイオニア』

本格南インド料理店の相次ぐ出現、東京・新大久保からの現地式ネパール料理店の相次ぐ進出など、今年大きく前進した福岡カレー事情。
そのパイオニアとなったのがこのお店。
「南インド料理は当たらない」といわれた福岡の、それも結構な僻地で、孤高の料理人・通称「番長」が、日本のどこでも食べられないほど凄い南インド料理を提供し始めたのは約4年前。
当時は一部のマニアのみの支持にとどまっていたのが徐々に、徐々に地元メディアでも取り上げられるようになり話題に。
「九州の旬な魚とインドのスパイス料理を組み合わせると無敵」を証明し、福岡カレー界で完全に一目置かれる存在となっています。
■新人賞(2店)
●クヮッチースパイス ユクル(福岡・茶山)
『沖縄料理と南アジア料理の融合』

沖縄料理を南アジア料理の中に取り入れた独特なスタイルの新店。
豚の血を使ったチーイリチャーのカレー、ヒージャ(山羊)のビンダルー、
豆腐の入ったダル。
個性的でかつ、ここにしかない新しいニッポンカレーの誕生です。
(写真:三吉さん)
●Curry & Spice 青い鳥(東京・幡ヶ谷)
『重ね煮カレーのお店という新提案。』

2015年12月22日にオープン。
食材を「陰陽」順に積み重ねて、少ない水で煮るという料理法「重ね煮」。
自然の素材の持つ本来の甘味やうまみを引き出すため、最小限の調味料で美味しい料理を作れるというこの手法をカレーに応用したお店です。
インドのアーユルヴェーダが中国へ渡り発展した「陰陽思想」。
それが日本へと渡ったのち、このお店でインド料理へとフィードバックするというのですから、実に興味深い存在です。
■名誉賞
●ナイルレストラン(東京・東銀座)
『すべてはここから。日本最古のインド料理店』

創業1949年、日本におけるインド料理店のパイオニア。
創業者A.M.ナイル氏は南インド、ケララ州のトリバンドラム出身。
名物『ムルギーランチ』の混ぜて食べるスタイルはまさにその、ケララのミールスそのもの。
でもそこに配置されたカレー、マッシュポテト、チキン、ライス、キャベツはまんまケララのスタイルというわけではなく、
日本人がインド料理に親しみ、楽しめるように編み出されたまさにオリジナル。
まさに日印友好料理なのです。
今回の受賞店発表にあわせ、Japanese Curry Awards公式サイトもオープン!
過去の受賞店データもまとめられているので、チェックしてみてくださいね。
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(2014)
『「Japanese Curry Awards 2014」始動!~カレーとは、何だ?~』
『【全文掲載】 ジャパニーズカレーアワード2014ノミネート 「カレー細胞」セレクト』
『「Japanese Curry Awards 2014」受賞店発表!!』
(2015)
『今年で第2回!! 【全文掲載】 Japanese Curry Awards 2015 ノミネート店選出! カレー細胞セレクト』
『「Japanese Curry Awards 2015」全ノミネート店一挙 公開! 【受賞店発表は12/24】』
『発表!「Japanese Curry Awards 2015」受賞店!!』
(2016)
『【第三回】Japanese Curry Awards 2016 カレー細胞ノミネート店公開!』
『Japanese Curry Awards 2016 14人の選考委員によるノミネート全店一挙公開!』
●「カレー細胞」Facebookページもチェック。
https://www.facebook.com/CurryCell
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