上海の西に位置するこの地域には、太湖や、上海ガニの産地として知られる陽澄湖があります。
上海に隣接する地の利から、古くから工業地帯(日本企業の工場も古くから進出しています)でしたが、
最近は国内経済の成長に伴って、ぐんぐん都市化が進んでいるようです。


といっても、都市中心部を離れれば、昔ながらの庶民の暮らしが。
市の南端にあたる呉江区では、雨にもかかわらず早朝から賑わっている朝市がありました。




部位ごとにぶった切られた豚や鶏、そして豊富な種類の淡水魚たち。
鮒に雷魚(カムルチー)にダントウボウ・・・あれ?ブラックバスまで!?
昔、蘇州名物の高級魚「桂魚(クイユ/ケツギョ)」にブラックバスが混じってるという疑惑を聞いたことがあるのですが、
どうやら噂は本当だったようですね。

おや、何やら寄生虫のようなチェストバスターのような生き物がのたうち回ってますよ・・・

あ、タウナギですね。
おばさんが手慣れた手つきで腹を裂き、スーッと背骨を取り除いています。
蘇州麺には欠かせないタウナギ、美味いんですよね~!!!

プラスティックのたらいでは、川海老たちがピチピチと跳ねています。
流石は蘇州、湖の幸が豊富ですね。
そんな朝市の近くに、羊肉麺のお店を発見。
やはりアジアの朝食と言えば「麺」ですよね!!
「蘇州麺」で名高い蘇州ですからなおのこと!!!


「百年羊肉店」
入口には「呉江老店」とあります。

そして店内には「百年老店」と。
つまり「100年の歴史ある呉江の老舗」ということでしょうか。
最も、「中国四千年の歴史」同様、今も昔も「百年」なのかもしれませんね。

★羊肉麺
うわ、美味そうです!
白濁した白湯系のスープ。
蘇州の麺ですから蘇州麺であることに違いはないのですが、代表店「同得興」などとはだいぶ趣が異なっていますね。

スープの中には羊モツがたっぷり入っています。
「早朝からモツ!?」と思うかもしれませんが、脂っこさがない分サッパリしてて良いものです。

スープはかなりサッパリしているので辛味追加したら、味がグッと引き締まりました。
あぁ、グッと。
このお店だけでなく、中国の麺屋にきて思うのは、「シンプルな味わいだなぁ」ということ。
全然悪い意味じゃあないんです。
むしろ日本のラーメンがエンタメ要素満載な進化をしすぎている分、日常食としての原点を愉しめるというか。
といっても、このまま日本に進出したとして人気店になるかと言えば、そういうわけではないんですけどね。
「派手さ」や「キャッチーさ」が少ないですからね・・・・・
それにしても・・・・かなり衝撃的だったのが、道路状態のひどさ。



いたるところで道路工事が行われているのですが、その状態は日本では考えられない感じ。

道に穴開けたまま放置していたり・・・これ、夜歩くと落ちるよ、ってな場所がたくさん。

スーパーマリオじゃないんだから。

えぐられたまま放置された歩道にはゴミが積み重なり、みんなその上を普通に歩いています。
急激な経済成長の裏で、庶民の肌感覚との間に生じた歪み。
海外観光客向けにショーアップされた場所では見ることができない、リアルな中国がありました。
良い、悪い、ではなく、本当に勉強になりますね。
⇩ランキング参加中⇩ 一日一回クリックおねがいします。




- 関連記事
-
- 本場蘇州でいただく真夜中の蘇州麺。「虞山羅氏麺館 鲈乡南路店」(江蘇) (2016/11/07)
- 朝市と羊肉麺とマリオの穴。「百年羊肉店」(蘇州,中華人民共和国) (2016/08/22)
- 空港で、日式咖哩飯。「Hope Star」(上海市,浦東国際空港) (2012/08/21)