松屋ですら、ない。
まるで、田園調布の気品に、カレーという食べ物は似つかわしくない、と言わんばかりに。
となれば少し、歩かねば。
奥沢方面に少し歩けば、美味しいカツカレーにありつけるのだから。


「とんかつ ミカド」
創業1939年(昭和14年)。
地元の方々のみならず、有名人にも多くのファンがいるお店。
吉本ばなな氏がエッセイ「自由が丘の贈り物」の中で、
「この人生であと何回あのカツカレーが食べられるかしら? と思うと切なくなるし、
あんなすてきなものがあるなんて、この世は捨てたものじゃない、
まだまだ生きていこう! と私は単純に思うのです。」
と書いた「あのカツカレー」こそが、このお店のカツカレーなんです。
店内には、読売巨人軍往年の選手たち、さまざまな芸能人たちのサインが。
もちろん吉本ばななさんのサインもあり、「カツカレー最強」との一言が添えられていますよ。
ランチには食前にサラダの提供が。

甘い自家製マヨネーズをつけていただきます。
これが独特。

★ヒレカツカレー ¥920
ええ、これがかの「最強カツカレー」。
昭和的な温かみと、手仕事の端正さが伝わってきますね。

サラサラのカレーは、程良き辛さと玉ねぎの甘みのバランスが絶妙。
挽き肉がアクセントに入っています。

そしてヒレカツ、これが素晴らしい。
薄めながらカラッと食感の良い衣。
ほんのりピンク色を残した肉の弾力!
まさに職人技ですよ。
確かにこれは美味い、癖になる美味さです。
カツカレーって、カツが主役でカレーが添えものになっていたり、カレーが主役でカツが貧弱だったり、
カツとカレーの主張がぶつかってズッシリヘヴィな一皿になっていたりと、なかなかバランスが難しい食べ物。
そこにきて「ミカド」のカツカレーは、カレーがカツの美味さを引き立てる良きソースとなると同時に、
カツがカレーの良き具ともなっているという、互いが互いを引き立てあう稀有な仕上がりとなっているんですね。
決してド派手なインパクトはないけれど、また食べたいと思わせる美味さ。
全体に、量は控えめなこともあり、心地よき食後感に包まれるのも良いですね。
ちなみに食いしん坊さんには、キャベツやライスが追加可能。
その辺も心配なしです。
カレー屋不毛地帯の田園調布エリア。
けれど、このカツカレーがあれば大丈夫だ。
ちょっと安心しました。
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