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"真夜中の美しきハンター" アオオサムシ
category - 昆虫
2009/
08/
05東京、
夜の雑木林。
地面を走り回る虫の気配。
ライトを照らしてみるとそこには・・・

金属光沢を纏った甲虫の姿。

光の加減によって、
赤銅色にもメタリックグリーンにも見えるこの美しい虫の名は・・・

アオオサムシ
学名:Carabus insulicola
体長:25~35mm
原産地:本州(中部地方以北)
出現時期:4~10月(成虫で越冬)
クワガタに負けず劣らずの格好良さを誇る甲虫、オサムシ。
オサムシとは正確にはオサムシ科オサムシ亜科に属する甲虫を指す総称で、
手塚治虫の名前の由来としてもよく知られています。
このアオオサムシは関東地方ではもっとも多く見られるオサムシなのですが、
その美しさも圧倒的。
メタリックに輝くボディは、グリーン~ブルー~レッドと複雑な光沢を見せ、
その色合いは光の加減による変化だけでなく、個体差も非常に大きいようです。
東京、多摩川より東に生息するのは亜種の「カントウアオオサムシ Carabus insulicola kantoensis」。静岡県まで分布が広がっています。
多摩川以西と房総半島南部に生息するのが基亜種の「アオオサムシ Carabus insulicola insulicola」。
その他、
「キタアオオサムシ Carabus insulicola kita」(北関東から東北)
「アワシマアオオサムシ Carabus insulicola awashimensis」(粟島)
「オクトネアオオサムシ Carabus insulicola okutonensis」(群馬県北部)
「サドアオオサムシ Carabus insulicola sado」(佐渡)
「シナノアオオサムシ Carabus insulicola shinano 」(新潟県西部、長野県東部~北部、山梨県、静岡県)
「キソアオオサムシ Carabus insulicola kiso」(木曽谷)
「コマガネアオオサムシ Carabus insulicola komaganensis」(天竜川右岸)
と、地域によってかなりの亜種分けがなされています。
コレクターは大変ですね。

この個体は「カントウアオオサムシ」。
深緑をベースに赤銅色が混じるなかなか渋い色合いです。
「外国のクワガタは綺麗だよねー。日本の虫ってどうして地味・・・」
なんて言ってる人に見せてあげたい美しさ。

オサムシの仲間は地上生活に特化した進化をしており、
実は羽根を開いて飛ぶことができません。
飛べないからこそ、地域による変異も多くなったのでしょう。
メタリックな羽根は身を守る美しい鎧。

どうです?
この見事なまでに装飾的な鎧のデザイン。芸術ですね。
ちょっと、ピラルクの頭のようにも見えます。

飛ぶことを捨てた代わりに、俊敏な脚力を得たオサムシの仲間。
これだけ格好良くて綺麗なのにクワガタほどの一般的人気がないのは、
動きが速く扱いにくいからでしょうか?

強靭なアゴ。
そう、オサムシは肉食性。
ミミズをはじめ、他の昆虫やダンゴムシ、ナメクジやカタツムリまで食べてしまいます。
有名なマイマイカブリも実はこのオサムシの仲間。
日本の、特に長崎のマイマイカブリは世界最大のオサムシとも言われ、
前世界のオサムシコレクターからは羨望の目で見られています。
クワガタやカブトムシを集めるから外国がうらやましく感じるだけで、
オサムシを集めるなら日本はむしろ、世界中からうらやましがられる環境なのです!
最後に、
とっておきの写真をごらんに入れましょう。
夏の夜、
土の中から出てきたアブラゼミの幼虫を襲撃、
捕食するカントウアオオサムシの姿です。



やっぱり・・・子供たちにはクワガタあたりが良さそうですね。
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夜の雑木林。
地面を走り回る虫の気配。
ライトを照らしてみるとそこには・・・

金属光沢を纏った甲虫の姿。

光の加減によって、
赤銅色にもメタリックグリーンにも見えるこの美しい虫の名は・・・

アオオサムシ
学名:Carabus insulicola
体長:25~35mm
原産地:本州(中部地方以北)
出現時期:4~10月(成虫で越冬)
クワガタに負けず劣らずの格好良さを誇る甲虫、オサムシ。
オサムシとは正確にはオサムシ科オサムシ亜科に属する甲虫を指す総称で、
手塚治虫の名前の由来としてもよく知られています。
このアオオサムシは関東地方ではもっとも多く見られるオサムシなのですが、
その美しさも圧倒的。
メタリックに輝くボディは、グリーン~ブルー~レッドと複雑な光沢を見せ、
その色合いは光の加減による変化だけでなく、個体差も非常に大きいようです。
東京、多摩川より東に生息するのは亜種の「カントウアオオサムシ Carabus insulicola kantoensis」。静岡県まで分布が広がっています。
多摩川以西と房総半島南部に生息するのが基亜種の「アオオサムシ Carabus insulicola insulicola」。
その他、
「キタアオオサムシ Carabus insulicola kita」(北関東から東北)
「アワシマアオオサムシ Carabus insulicola awashimensis」(粟島)
「オクトネアオオサムシ Carabus insulicola okutonensis」(群馬県北部)
「サドアオオサムシ Carabus insulicola sado」(佐渡)
「シナノアオオサムシ Carabus insulicola shinano 」(新潟県西部、長野県東部~北部、山梨県、静岡県)
「キソアオオサムシ Carabus insulicola kiso」(木曽谷)
「コマガネアオオサムシ Carabus insulicola komaganensis」(天竜川右岸)
と、地域によってかなりの亜種分けがなされています。
コレクターは大変ですね。

この個体は「カントウアオオサムシ」。
深緑をベースに赤銅色が混じるなかなか渋い色合いです。
「外国のクワガタは綺麗だよねー。日本の虫ってどうして地味・・・」
なんて言ってる人に見せてあげたい美しさ。

オサムシの仲間は地上生活に特化した進化をしており、
実は羽根を開いて飛ぶことができません。
飛べないからこそ、地域による変異も多くなったのでしょう。
メタリックな羽根は身を守る美しい鎧。

どうです?
この見事なまでに装飾的な鎧のデザイン。芸術ですね。
ちょっと、ピラルクの頭のようにも見えます。

飛ぶことを捨てた代わりに、俊敏な脚力を得たオサムシの仲間。
これだけ格好良くて綺麗なのにクワガタほどの一般的人気がないのは、
動きが速く扱いにくいからでしょうか?

強靭なアゴ。
そう、オサムシは肉食性。
ミミズをはじめ、他の昆虫やダンゴムシ、ナメクジやカタツムリまで食べてしまいます。
有名なマイマイカブリも実はこのオサムシの仲間。
日本の、特に長崎のマイマイカブリは世界最大のオサムシとも言われ、
前世界のオサムシコレクターからは羨望の目で見られています。
クワガタやカブトムシを集めるから外国がうらやましく感じるだけで、
オサムシを集めるなら日本はむしろ、世界中からうらやましがられる環境なのです!
最後に、
とっておきの写真をごらんに入れましょう。
夏の夜、
土の中から出てきたアブラゼミの幼虫を襲撃、
捕食するカントウアオオサムシの姿です。



やっぱり・・・子供たちにはクワガタあたりが良さそうですね。
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コメント
10. Re:こんばんわ★
やはりクワガタ採集ではオサムシやキマワリは邪道扱いですね。
しかし見方を変えると真っ黒なクワガタより修氏のほうが綺麗なのです。
2009-08-08 19:03 ropefish URL 編集
9. Re:無題
オサムシ集めはどうしても飼育より標本がメインになりますね。
かなり綺麗なので標本栄えは凄いです。
2009-08-08 19:01 ropefish URL 編集
8. Re:オサムシ
捕食現場見て喜ぶ人と引く人とでは、
引く人が8割5分くらいでしょうか・・・。
一番の好物はミミズなんですよね。
2009-08-08 19:00 ropefish URL 編集
7. Re:メタリック・・・
オサムシとピラルクの類似。
同意してくれる人がいて嬉しいです(笑)。
実際かなり綺麗な虫なのですが、
動きが速いだけでどうしても「ゴ○ブリ」っぽく見られちゃうのが残念です。
2009-08-08 18:58 ropefish URL 編集
6. Re:彼らが不人気なのは…
オサムシの分類はちょっとやりすぎな気がします。
産地を隠して、何匹か混ぜて、どれがどの種か亜種かをきちんと識別できる人間などいないのではないかというくらい。
そういう意味でも確実なコンプリートはほぼ不可能ですね。
2009-08-08 18:57 ropefish URL 編集
5. こんばんわ★
よくクワガタ採取に行った時に邪道としてみていました☆
それにしても地域によって沢山の種類があるのですね(^-^)まるで、僕の飼っているアイスポットシクリッドみたいです(笑)
2009-08-05 22:21 あんちゃん URL 編集
4. 無題
地域で亜種分けされているんですね~
地面に肉を入れたコップを埋めて
オサムシ採集したことありますが
確かに地域によってかなり
色とか変わってきますよね~
クワガタに比べて
餌も大変そうですしね...
2009-08-05 18:02 イッシー URL 編集
3. オサムシ
最後の写真凄いっす!あんな現場自分も見てみたいです☆
2009-08-05 05:24 イジャ君 URL 編集
2. メタリック・・・
魚や虫のメタリック感、大好きです。
捕食シーンの写真・・・・・・。
リアルですごいです。
2009-08-05 02:00 こぴこぴ URL 編集
1. 彼らが不人気なのは…
オサムシのコレクションは一生かかっても終わらない趣味になりますからコレクターは長生きできそうですよね。長年、マイマイカブリ70㎜オーバーを追い求めるマニアは結構いるみたいですし。
DNAレベルで見ると遠隔地の同種より同地域に生息している別種の方が遺伝子構成が近い。という事実も考えると、国内だけでもコンプリート不可能だと思っちゃいます。
2009-08-05 01:03 しん URL 編集