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訪問難易度・高!大阪スパイスカレーの原点かつ異端児。「カシミール」(北浜)
category - カレー&スパイス・大阪府
2015/
12/
14何度も言いますが、今、大阪のカレーシーンがアツいです。
様々なカレーイベントが日々頻繁に行われ、カレーを作る人同士の交流も活発。
音楽やファッション、アートなどと同列のカルチャーとしてカレーが盛り上がる様は、まさに「シーン」と呼ぶにふさわしいもの。
市場があまりにも広く、多種多様なコミュニティが存在する東京では、いくつかの「カレークラスタ」は存在するものの、
統一された「カレーシーン」というものは存在していません。
大阪のカレーシーンのアツさは、東京ほど大きくはない市場の中での密な関係性と、
古都・京都及び日本最古のインド人コミュニティ神戸という、近隣の「本格」から一歩はみ出した場所にある自由な空気が生み出したもの。
そしてその、自由な空気が生み出した大阪独自のカレージャンルが「スパイスカレー」。
ちょっと乱暴に言えば、カレー+ライスという日本式のスタイルでありながら、
小麦粉を用いた従来の「欧風」カレーとは異なり、
インドなどアジア各地のスパイスをふんだんに、時には過剰に用い、
それでいて、インドなど現地のスパイス使いの作法に囚われず、各店「我流」な個性を発揮しているカレー群。
そのオリジンとして、一目も二目も三目も置かれている存在。
いわば現在の活発な大阪カレーシーンの引き金となったお店が、こちら。

「カシミール」
マスターの後藤氏はEGO-WRAPPIN'の初期メンバー(ベーシスト)でもあるミュージシャンです。
このお店の逸話やら伝説やらは、大阪のカレーマニアに聞けばいくらでも出てくると思うのですが・・・
遠方からの客を一番悩ませるのはその営業時間。
土・日・月の定休日に加え臨時休業あり、早いときは12時オープン、遅いときには14時になっても開かないことも。
それでいて行列必至・売り切れ御免というのですから、遠方からの訪問はかなりハイリスクなんです。
(もちろんお店の告知サイトやSNSなんてありませんし・・・)
この日私は13時15分にお店へ到着。

そしたらもうお店は開いており、5人ほどの列ができていました。
ホント読めないです・・・・
けれどかつて東京から訪問し、列の一人前で全部売り切れとなった苦い経験もある私としては、ある意味ラッキーなタイミングでした。

・・・で、入店できたのはちょうど14時。
席に着き、後藤さんからオーダーを聞かれるまで静かに待ちます。
7分ほどして、後藤さんが話しかけてきました。
すかさずマトンを注文してみたら、もう売り切れとのこと。
ならば、と具材はチキンに、辛さは基本(といってもちゃんと辛い)5辛でお願いしました。
・・・・と、ここでお店の雰囲気を少しお話しますと、ワイワイ言った雰囲気とは真逆でわりに静か。
とはいえ、ときどき誤解されているような「店主が怖い」とかそういった類の殺伐感とはちょっと違うんです。
オーダーを受けると後藤さんは、3つのフライパンで三食ずつカレーを作っていくのですが、その没入ぶり入魂ぶりがとにかく凄い!
もう老舗の域に入ったお店にも拘わらず、手慣れた手順でササッと作る、というのとは真逆で、
歯を食いしばりながら、
息を切らせながら、
魂で出汁をとっているような、
んぐぐぐぐ・・・と、一発録りのレコーディングに立ち合う時のような緊張感が漂っているんです。
作品を作っている場に立ち会う側としては、ワイワイチャラチャラなんてできない、そういう意味での静けさなんですね。

★チキン 5辛 ¥950
・・・でかいです。
ムワッと香ります。
飲み物といってよいほどシャバシャバです。
トレードマークの豆腐が素敵です。

たぶん、ボンカレーやククレカレーで育った日本人がいきなりこれ食べたら、「なんじゃこりゃあ!」となるでしょう。
同様に、大阪を訪ねたインド人がいきなりこれ食べたら、「ナンジャコリャア!」となるでしょう。
それくらい独自。
でもこの「なんじゃこりゃあ!」って感覚は、とっても重要。
だって人間、良くできたモノよりも出会ったことのないモノのほうが、より記憶に強く刻まれるものですから。
突然世の中に現れた「なんじゃこりゃあ!」のパワーってのが、賛否両論みんなの感性を刺激し、新しい波を作っていく。
それは、映画でも音楽でもカレーでも同じ。
「スパイスカレー」のビッグバンってのは、ここで起きたわけですね。
「やっちゃっていいんだ」と。
そして、今なおその「なんじゃこりゃあ!」パワーを維持する「カシミール」は、
レジェンドでありパイオニアであると同時に、今なおアウトサイダーでもあるのだと。
正直このお店のカレーって、素直に「美味ーい!」って言い難い。
けれど記憶に残って、辛さ以上に体が反応して汗が滲んで、ちょっともう一回確かめに行きたくなる。
確かにそんなパワーを秘めているカレー。
完食し「ごちそうさま!」と言ったとき見せてくれた後藤さんの笑顔。
それは確かに、ライブで全曲演奏しきったミュージシャンの笑顔でした。
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様々なカレーイベントが日々頻繁に行われ、カレーを作る人同士の交流も活発。
音楽やファッション、アートなどと同列のカルチャーとしてカレーが盛り上がる様は、まさに「シーン」と呼ぶにふさわしいもの。
市場があまりにも広く、多種多様なコミュニティが存在する東京では、いくつかの「カレークラスタ」は存在するものの、
統一された「カレーシーン」というものは存在していません。
大阪のカレーシーンのアツさは、東京ほど大きくはない市場の中での密な関係性と、
古都・京都及び日本最古のインド人コミュニティ神戸という、近隣の「本格」から一歩はみ出した場所にある自由な空気が生み出したもの。
そしてその、自由な空気が生み出した大阪独自のカレージャンルが「スパイスカレー」。
ちょっと乱暴に言えば、カレー+ライスという日本式のスタイルでありながら、
小麦粉を用いた従来の「欧風」カレーとは異なり、
インドなどアジア各地のスパイスをふんだんに、時には過剰に用い、
それでいて、インドなど現地のスパイス使いの作法に囚われず、各店「我流」な個性を発揮しているカレー群。
そのオリジンとして、一目も二目も三目も置かれている存在。
いわば現在の活発な大阪カレーシーンの引き金となったお店が、こちら。

「カシミール」
マスターの後藤氏はEGO-WRAPPIN'の初期メンバー(ベーシスト)でもあるミュージシャンです。
このお店の逸話やら伝説やらは、大阪のカレーマニアに聞けばいくらでも出てくると思うのですが・・・
遠方からの客を一番悩ませるのはその営業時間。
土・日・月の定休日に加え臨時休業あり、早いときは12時オープン、遅いときには14時になっても開かないことも。
それでいて行列必至・売り切れ御免というのですから、遠方からの訪問はかなりハイリスクなんです。
(もちろんお店の告知サイトやSNSなんてありませんし・・・)
この日私は13時15分にお店へ到着。

そしたらもうお店は開いており、5人ほどの列ができていました。
ホント読めないです・・・・
けれどかつて東京から訪問し、列の一人前で全部売り切れとなった苦い経験もある私としては、ある意味ラッキーなタイミングでした。

・・・で、入店できたのはちょうど14時。
席に着き、後藤さんからオーダーを聞かれるまで静かに待ちます。
7分ほどして、後藤さんが話しかけてきました。
すかさずマトンを注文してみたら、もう売り切れとのこと。
ならば、と具材はチキンに、辛さは基本(といってもちゃんと辛い)5辛でお願いしました。
・・・・と、ここでお店の雰囲気を少しお話しますと、ワイワイ言った雰囲気とは真逆でわりに静か。
とはいえ、ときどき誤解されているような「店主が怖い」とかそういった類の殺伐感とはちょっと違うんです。
オーダーを受けると後藤さんは、3つのフライパンで三食ずつカレーを作っていくのですが、その没入ぶり入魂ぶりがとにかく凄い!
もう老舗の域に入ったお店にも拘わらず、手慣れた手順でササッと作る、というのとは真逆で、
歯を食いしばりながら、
息を切らせながら、
魂で出汁をとっているような、
んぐぐぐぐ・・・と、一発録りのレコーディングに立ち合う時のような緊張感が漂っているんです。
作品を作っている場に立ち会う側としては、ワイワイチャラチャラなんてできない、そういう意味での静けさなんですね。

★チキン 5辛 ¥950
・・・でかいです。
ムワッと香ります。
飲み物といってよいほどシャバシャバです。
トレードマークの豆腐が素敵です。

たぶん、ボンカレーやククレカレーで育った日本人がいきなりこれ食べたら、「なんじゃこりゃあ!」となるでしょう。
同様に、大阪を訪ねたインド人がいきなりこれ食べたら、「ナンジャコリャア!」となるでしょう。
それくらい独自。
でもこの「なんじゃこりゃあ!」って感覚は、とっても重要。
だって人間、良くできたモノよりも出会ったことのないモノのほうが、より記憶に強く刻まれるものですから。
突然世の中に現れた「なんじゃこりゃあ!」のパワーってのが、賛否両論みんなの感性を刺激し、新しい波を作っていく。
それは、映画でも音楽でもカレーでも同じ。
「スパイスカレー」のビッグバンってのは、ここで起きたわけですね。
「やっちゃっていいんだ」と。
そして、今なおその「なんじゃこりゃあ!」パワーを維持する「カシミール」は、
レジェンドでありパイオニアであると同時に、今なおアウトサイダーでもあるのだと。
正直このお店のカレーって、素直に「美味ーい!」って言い難い。
けれど記憶に残って、辛さ以上に体が反応して汗が滲んで、ちょっともう一回確かめに行きたくなる。
確かにそんなパワーを秘めているカレー。
完食し「ごちそうさま!」と言ったとき見せてくれた後藤さんの笑顔。
それは確かに、ライブで全曲演奏しきったミュージシャンの笑顔でした。
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2015-12-15 22:00 編集