グルメ評論家のお勧めする店もあるし、みんなの採点や投票によるランキングもある。
店選びに正解はありません。
どれを選択しても、それなりの回答が得られます。
だとしたら、もっと様々な切り口によるカレーガイドがあっていいはずです。
カレー好きのカレー好きによるカレー好きのためのカレーガイド。
ということで、カレー偏愛家たちが一堂に会する場所を作って、
“Curry of the Year”を決めてみようかと思っています。
- イートミー出版のサイトより
イートミー出版の発行人であり、東京カリー番長の調理主任として活躍されてきた水野仁輔さんが呼びかけ、人気カレーブログ「CURRY DIARY(・x・)」のUSHIZOさんとともに始動させたプロジェクト、
その名も「Japanese Curry Awards」。
ムック本とも、口コミサイトとも、店舗PRとも全く異なった観点で、純粋にカレーを偏愛する面々が選ぶアワード。
参画したのは水野さん、USHIZOさんに加えて、以下の10人!!
たあぼうさん(お気に入りのカレー屋さん700)
ヒロシさん(Curry My Love!)
エスニカンさん(◆毎日カレー◆と★タイ料理★)
ノリさん(うまいものは宵に食え)
しまじろさん(カレー401)
ropefish(カレー細胞)
クンプーさん(タイ料理ライタークン・プーのタイ料理食べ歩きブログ&まいぺんらいタイ料理レシピ)
ろなうどさん(CURRIHOLIC!!)
三吉さん(三吉カレー日誌 ~あるいはカレーでいっぱいの海~)
ひろこさん(東京無責任女の大冒険)
「カレーが好きで食べ歩きをしていて、それを仕事ではなく趣味で発信している」という基準だそうです。
なんだか、「オーシャンズ11」みたいでワクワクしますね!!
集まった12人はまず、アワードをどのようなものにするか、選出基準をどのようにするかを話し合いました。
いろいろな意見が交わされる中、こんな機会はないとばかりに私も、考えていたことをぶつけてみました。
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「カレーは、世界に誇れる日本のカルチャーである。」
日本ほど多種多様なカレーが一堂に会する場所はありません。
しかしそれ以前に海外、特にアメリカや中国に行って驚くのは、「カレー」が日本食扱いであり、
ある種の憧憬をもって捉えられているということ。
我々日本人にとって身近すぎる「カレー」というものについて、
一度しっかりと見つめなおす時期が来ているのかもしれません。
そもそも、
「カレーとは、何だ?」
特定のスパイス、特定の調理法、何がカレーを規定するのか?
漫画「美味しんぼ」で海原雄山が発した問いに、私ならこう答えます。
「カレーとそうでない食べ物の間の明確な境界線などありません。
ただカレーを食べて育った人が、それを食べたときにカレーの記憶が甦ればそれはカレー。
甦らなければ、いくらスパイスが入っていようがそれはカレーではない。
つまり、カレーとは、日本文化で育った人々の記憶の中にコアとしてあるイメージなのです」
タイカレーは日本人が食べれば確かにカレー、しかしタイ人にとってはゲーン(汁モノ)にすぎません。インドも然り。
つまり、カレーかどうかのジャッジの基準は、日本文化の中で育った人の心の中にのみ存在するのだと。
だからこそ我々は、世界中の誰よりも、カレー文化について語る権利がある。
軸になるのは地理的区分としての「JAPAN」ではなく、
文化としての「JAPANESE」です。
重要なのはここに、日本に存在するインドカレー、タイカレー、またはアフリカンカレー、
我々が「それをカレーと呼ぶもの」全てが含まれているということ。
その多様性の中から、新たなカレー文化が生まれる。これもまた「JAPANESE CURRY」だと思います。
「カレーとは、何だ?」
あたりまえすぎて、定義など判らなくなっている「カレー」という言葉。
まるで、「愛とは、何だ」と問われ戸惑うように。
そんなとき、こう考えれば良いのだと思うのです。
「カレーとは、文化なのだ」と。
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選考メンバーそれぞれがただ好きなカレー屋を選ぶアワードなら、なんとなく結果は見えています。
「あの人はあそこ推しそうだな」とか、わかっちゃいます。
しかも日本には、魅力的な各国料理が溢れている。
インド料理、スリランカ料理、ネパール料理、タイ料理、マレーシア料理・・・
何が好きかは好みの問題だし、各国料理の優劣などつけられるはずもありません。
つまりアワードの選考に当たっては、
「○○といった観点において、日本カレー文化に貢献した」ということがポイントになってくるということ。
「長きにわたり変わらない味で日本カレー文化に貢献した」とか、
「ネパール奥地の未知のカレーを紹介することで日本カレー文化に貢献した」とか、でも構わない。
そのほうが、選ぶほうも見るほうも納得しやすいでしょう。
カンヌ映画祭が、映画産業・映画芸術に貢献した作品を様々な視点で選ぶのと同様に。
そうして2020年、5年分のバックナンバーを振りかえったとき、
日本のカレーカルチャー史がそこに刻まれている、そんな仕掛けになれば素敵だなあ、そう思うのです。
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話し合いの結果、取り纏め役の水野さんを除く11名がそれぞれ最大10店をノミネート、
選考会であれこれ議論しながら決めていくというカタチとなりました。
また、それとは別に、この一年で誕生したお店を対象に「新人賞」、
日本カレー文化への長きにわたる貢献に対する「名誉賞」を一店ずつ選考しようということになりました。
アワードのロゴは若手デザイナーのJonaが担当。

カンヌ映画祭のPalm(椰子の葉)に習い、「カレーリーフの葉」がモチーフ。
さらに、Japanese Curryの未知なる可能性を「種」で表現しています。
アワード選考会は2014年12月18日、池上某所にて実施。
結果発表は2014年12月30日午前0時に、各ブログにて行われる予定です。
・・・さて、どのお店が選ばれるのか、楽しみにお待ちください!!
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