
新社会人として上京したばかりの、いわゆるペーペーの頃、
よくこに避難してコンテを描いていたのも懐かしい思い出となりました。
銀座ではあり得ない低価格、
カレーライスではなく辛来飯と呼ぶ唯一無二の味、
そして一見ボロボロ、しかし妙に落ち着く店内、
家族経営を続けるアットホームな接客、
全てがオンリーワン。
もし私がカレーランキングのような物を付けるとしたら、
この店だけはオールタイムランキング外の特別名誉賞です。
昭和21(1946)年、焼け野原だった銀座のこの地でGHQから仕入れたコーヒーを提供し始めたのがこの店の始まり。
以来、時流に流されることなく、庶民の味方という姿勢を頑なに守り続けています。

(店頭に飾られた、先代の人形)
初めて来店する人はそのメニューに少し戸惑うでしょう。
品川 ¥480
大井 ¥530
大森 ¥630
蒲田 ¥740
京浜東北線の駅名は実は量の違い。
品川はおやつ程度。
大井は「ハーフサイズ」、
大森が「少なめ」の、蒲田が「普通盛り」と見ておけばOK。
なお、ガッツリ食べたい方は裏メニューとして「ツン蒲 ¥840」(蒲田の先へツンのめる)があります。

この写真が「ツン蒲」。
なお、品川と大井には通常目玉焼きが付いていませんが、
頼めば付けてくれます。
通は「品玉!」とか言って頼みますね。
なお「ツン蒲」に目玉焼きを2個で「ツン蒲ダブ玉」。
さて、ここのカレー、もとい辛来飯に肉は入っていません。
原材料は、
タマネギ ショウガ ニンニク ニンジン ピーマン リンゴ バナナ 小麦粉 豚骨スープ カレー粉 コショウ パプリカ 砂糖 醤油 味醂 福神漬け 目玉焼き
そしてご飯。以上。
この独自のハーモニーが、肉が入っていないとは思えないほどの濃厚な味を紡ぎ出しているのです。

炒めたタマネギのツンとした辛みを、
目玉焼きの半熟の黄身でほぐしながら食べるのが醍醐味。
好みの分かれる味だと思う。
最近はレベルの高い洗練された味のカレー屋が増えているから。
映画でいうとクラシック名画の域に入っている味。
ただ先代の頃(~2002)と比べると、タマネギのパンチが若干強くなっている。
しかし、
やっぱり凄い。
やっぱり深い。
50年後にも、やっぱり食べたいと思う。
と、辛来飯単体でも充分すぎる価値のある味なのですが、
このニューキャッスルが凄いのは、その先があるということ。
すなわち、コーヒー。
私にとって世界一美味しいコーヒーとは、
「ニューキャッスルの辛来飯を食べた直後に飲むニューキャッスルのホットコーヒー」
なのです。
そう、
辛来飯はそれ自身不朽の名作でありながらも、
次に続くコーヒーの味を引き立てるための、
究極の前菜でもあるのです!!
そして驚くなかれ、

コーヒー ¥210
金さえ出せばいくらでも美味しいものを食べることができる東京。
そんな東京のルールを見事に無視し続けるこのお店は国民栄誉賞モノ。
・・・くたばれミシュラン。
ニューキャッスル
東京都中央区銀座2-3-1 (地図)
電話:03-3561-2929
営業時間:[月~金]11:00~21:00 [土]11:00~17:00
定休日:日曜・祝日

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ニューキャッスル (カレー / 銀座一丁目駅、有楽町駅、銀座駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5
昼総合点★★★★☆ 4.5
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