
繊細で綺麗なこのエビの名は「モロトゲアカエビ」。
そしてまたの名を・・・
「甘エビ」
といいます。

モロトゲアカエビ
学名:Pandalopsis japonica
別名:甘エビ、縞エビ
最大長:13cm
原産地:サハリンから日本海島根県、朝鮮半島東岸まで。水深200~500m
一般に「甘エビ」といわれるエビには数種が含まれています。
もっとも多いのが「ホッコクアカエビ」(Pandalus borealis)。
全身が赤一色で少し細身のエビです。
回転寿司のネタに使われている甘エビはほぼ、
アイスランドなどから冷凍輸入された「ホッコクアカエビ」です。
次に多いのが「トヤマエビ」(Pandalus hypsinotus)。
「ホッコクアカエビ」より一回り大きく甘みは少なめ。
回転寿司などで「ボタンエビ」という名前で少し高めの価格に設定されているのがこのエビです。
(ちなみに標準和名の「ボタンエビ」はまた別のエビですが漁獲量が少ないため、
一般にはこの「トヤマエビ」が「ボタンエビ」として流通しています。)
そして流通量は少なめですが、
甘み、食感ともに最高とされるのがこの「モロトゲアカエビ」(Pandalopsis japonica)です。
学名でわかるとおり上記二種とは属が異なっており、産卵数が少ない仲間であることから、
漁獲による急激な減少の可能性も想定できます。
近い将来、「幻の甘エビ」などといって高値取引されたりして・・・。
少なくとも現在では、
この「モロトゲアカエビ」も通常の「甘エビ」として市場に流通しています。
一般的な「ホッコクアカエビ」との見分け方は簡単。
「ホッコクアカエビ」の体が全身赤(朱色)一色なのに対して、
この「モロトゲアカエビ」のほうは赤みが強く、
さらに全身にくっきりとした白い縞模様が走っているのです。

↑こんな感じです。

↑サンシャイン水族館の展示で「モロトゲアカエビ」に混じっていた赤一色のエビ。
「ホッコクアカエビ」でしょうか? 詳細不明です。
さて皆さん。
これからは、お店で出てくる甘エビをよく意識して見てみてください。
白い縞が入っていたら大当たり。
「おっ、さすがモロトゲアカエビ。プリッとしていてしかも甘みが濃厚。」
などと、うざいグルメっぷりを発揮するのもよし。
しかし決して、すし屋で「モロトゲアカエビ一貫!」などと注文するのはやめておきましょう。
うざがられるのを通り越して、「何言ってんのこいつ」と思われるでしょう。
ここは一つ、当たりを待つ密かな愉しみを満喫しましょうね。
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09/03/20~09/05/10
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