
クマサカガイ
別名:ドロボウガイ、トウゾクガイ
学名:Xenophora pallidula
英名:Carrier Shell、Pallid Carrier
最大長:直径7cm
原産地:東北以南、インド・太平洋域、南アフリカ 水深50~200mの砂泥底
名前の由来は牛若丸に討たれたとされる平安時代の伝説の盗賊、熊坂長範(くまさかちょうはん)。
そう、このクマサカガイ、
他の貝殻を「盗んで」自分の貝殻に付けていくという変わった習性の持ち主なのです。
周りに身を隠すための一種の擬態だとも、
薄く弱い自分の殻を補強するためだとも言われていますが、
おそらくその両方なのでしょうね。

あ、なんだか顔に見える・・・
ちなみに英名だとCarrier Shell、つまり「運ぶ貝」。
風情も何もあったもんじゃないです。全く。
殻幅は6㌢くらいで、低い円錐形。
東北以南の水深50から200㍍の泥底で生息しています。
付着させる貝殻を見つけたクマサカガイは、その貝を丹念に磨き、
接着液を分泌、長い口を器用に使って自分の殻に接着します。
「接着剤」が固まるまでは何時間も動きません。
こうして一つ一つ、貝殻を集めてゆくのです。
実はこのクマサカガイ、
個体ごとに趣味がはっきりしているようで、
巻貝だけ集めてつけるものとか、
二枚貝だけ集めるもの、小石だけ集めるものなどがいるそう。
まさにコレクターのこだわりって奴ですね。

この個体は二枚貝マニアのようです。
海外では、
貝を集めてつけているクマサカガイを「貝類学者」、
石をつけているクマサカガイを「地質学者」と呼んだりもするそうで、
そのセンスはなかなか粋。
しかし中には欲張って何でもかんでも集めてつけているものもいるようで、
これはなんて呼ぶんでしょうかね?
「なんでもコレクター」?
「欲しい欲しい病」?
それとも、
「読売巨人軍」?
・・・貝の世界もいろいろなようで。
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