チベット、ネパール、パキスタン、インド、スリランカ・・・インド亜大陸を旅した日本人のご店主が、
記憶に残ったそれぞれの土地の「食の風景」をあつめ凝縮したような、小さな小さなお店なんです。
手作り感溢れる店内は、確かにどこかの国の、どこかの町外れの、どこかの食堂、といった雰囲気。
巷に溢れる、イージーな飲食チェーンとは対極にあるにある空気感です。
席はカウンター含めてわずか7席。
もちろん予約が無難です。
カウンターに並ぶ、アジア各国のビール瓶。
一筋縄ではいかないものまで揃っています。
それぞれの瓶にはそれぞれのビールの説明が・・・
なんだか、小さな博物館のようなワクワクがありますね。
・・・まずは、一番「見かけない」ビールから注文してみましょうか。
なんとチベットのビールです。
ネパールのビールはなじみがありますけどね。
飲んでみれば非常にスッキリとした味。
だからレモンを添えてくれたのですね。
とても気が利いています。
コブラ ¥750
こちらは私が一番好きなインドのビール。
でも扱っているお店は東京では多くはありません。
シャープで、ちょっとした甘みが特徴。

コサンマリ ¥580
ナスとジャガイモをベースにしたチェティナードスタイルのスープ。
なんと冷製仕立てなんです!!
初めて食べたのだけれども、なかなか良いですね。
インド人って実は料理を提供するときの温度に結構無頓着なのですが、
そこはやはり日本人シェフ、しっかり温度が計算されています。
ケララ式の酸味たっぷりのピクルは私の大好物。
このフィッシュピクルスもガツンとした酸味で酒にもごはんにも合う合う。
という構成。
カレーは、
ベジタブルサンバル
アレッピーフィッシュカレー
パキスタニーベイガンキーマ
マドラスチキンカレー
トマトラッサム
の5種から2つ選ぶのですが、折角なので全種類制覇してみましょうか。

マドラスチキンカレー
チェンナイ(旧マドラス)式のチキンカレー。
国産鶏モモ肉を使用しています。
日本人シェフのお店は素材の良さで勝負するところが多く素敵ですね。
季節の野菜を使用した南インドの野菜カレー。
こちらも素材の良さが光ります。
南インド好きにはたまりません。
こちらは単品注文で補完。
結構酸味が強くインパクト系のラッサムでしたよ。

かなり薄焼きのパパド、アチャールもサブジもとっても繊細。
これだけ丁寧に作っているのだから、提供も回転もそんなに速いわけではないのです。
ゆったり、しっかり、心を込めて。
だからこそ、7席というキャパシティは丁度良いのかもしれません。

クルフィ ¥350
インド式のアイスクリーム。アポロチョコのような可愛いカタチですね。
メニューにはプレーンとマンゴーの2種類あるのですが、こちらはプレーン。
独特の粘り気のあるシャーベットのような食感に、砕いたピスタチオの香りが加わって素敵。
クルフィは案外お店ごとに味わいが違って楽しいのですが、ここのは結構高得点だなぁ。
インドの甘いミルクティー ¥550
和歌山にあるチャイの名店「ガネーシュ」のスリランカ産茶葉を使用。
茶葉の味を楽しんでもらうためにあえてスパイスを入れないプレーンチャイにしたのだそう。
もちろん、マストですよ。
お店である以上、もちろん商売であることに違いはないのですが、
そんなことを忘れさせてくれる、手作りの温かみに満ちたお店。
なんだか、料理の腕前の良い友人宅に招かれて、心づくしのおもてなしを受けているような気分に浸れます。
メニューの説明も親切丁寧で、本格的なインド料理を食べなれていない人だって大丈夫。
東京にこんなお店があることが、なんだか嬉しく感じてしまいますね。
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インドカレー食堂 砂の岬 (インドカレー / 桜新町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.2
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