学名:Lepomis macrochirus
別名:ビワコダイ(琵琶湖に生息するもの)
最大長:25cm(北米では40cm)
原産地:北アメリカ
北アメリカ原産のサンフィッシュの仲間。
エラ蓋の青い点がその名の由来です。
環境適応力が強く、水質汚染にも耐え、小動物から水草まで幅広く食べるだけでなく、、
卵と稚魚を親が捕食者から守る習性があり、
短期間で確実に個体数を増やすことができるため
世界各地で分布を広げています。

(琵琶湖博物館にて撮影)
日本でもその個体数の増加は、在来の生態系にとって深刻な脅威となっており、
2005年6月に施行された特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)では特定外来生物に指定されたため、鑑賞目的で新たに飼養することが禁止されています。研究・教育などの目的で飼養する場合には大臣の許可を受けなければならないことになっています。
ところでこのブルーギル、
いつ、誰が、何の目的で日本に持ち込んだのか、
知っていますか?
ブルーギルが日本にやってきたのは1960年。
当時の皇太子明仁親王がシカゴ市長から寄贈されたブルーギルを日本に持ち帰り、
食用魚としての研究のためとして飼育したのち、
1966年に静岡県伊東市の一碧湖に放流したのが移入のキッカケ。
当時は食用魚として養殖試験が行われ、全国各地の試験場にも配布されたのですが、
成長が遅いため養殖には適さないということが判明。
以後は釣りの対象として各地の湖沼に放流されていくこととなります。
そう、ブルーギルを日本に持ち込んだのはなんと、今の天皇陛下なのです。
「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、
水産庁の研究所に寄贈したもの。
食用魚として期待が大きく養殖が開始されましたが、
今このような結果になったことに心を痛めています」
即位後、天皇陛下はそう発言しています。
しかし当時は誰も、今のような事態は想像できなかったでしょうね。
ブルーギルの味はタイに似ると言われ、
ムニエルなどにするととてもおいしいのだそう。
しかし日本の汚染された川で釣ったブルーギルは臭くて食べられません。
ところが最近琵琶湖では「ビワコダイ」という名で
(ブルーギルの名では売れないのでしょう)
鮒寿司の代用品としての研究が進んでいるようです。
ただ忌み嫌って駆除するだけでなく、
本来おいしい魚なんだったら、
有効活用がどんどん進むといいですね。
正月にブルーギルのおカシラつきってのはさすがに嫌ですが。
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