神戸の老舗洋食店「グリルミヤコ」
2009年に現在の場所に移転し、
すっかり現代的な店構えになりました。
初代シェフ宮前敬治氏は機関士を志望し、海員学校を卒業したものの、まさにその年終戦。
乗る船を求め、客船のシェフとして勤務を始めました。
船上で洋食なるものと出会った宮前氏は、巨大な鍋に追い足し追い足しして作るドゥミグラスソースを学び、
各国の港を巡りながら、「あそこの船のソースは美味しい」と聞きつければ行って分けてもらっては、
自船のソースに少しずつ混ぜていったのだそう。
やがて宮前氏はこの、通算100年以上も船上で継ぎ足し続けられたというドゥミグラスソースを持って、洋食屋を開業。
それがこの「グリルミヤコ」のドゥミグラスソースなのです。
阪神大震災の時も宮前氏はいち早くお店に駆けつけ、このソースを守ったのだとか。
「グリルミヤコ」の看板メニューはやはり、ドゥミグラスソースを用いたテールシチュー、ビーフシチュー、タンシチュー。
お皿の周囲をマッシュポテトの防波堤で囲んでいるのが特徴です。
これは、船上でシチューを食べる際、皿からこぼれないための知恵。
このお店には、船乗りの愛した洋食の伝統が活きているのですね。
そして・・・案外知られていないもう一つの看板メニューがこちら。

ビーフカレー ¥700
そう、船の上で生まれた洋食と言えば、カレーライスを忘れてはいけませんね。
「グリルミヤコ」のカレーはいわゆる欧風カレーのカテゴリに入るのでしょうが、
俗にボンディ系と呼ばれる一群の欧風カレーほど重くはなく、サラッと食べることができながらも、
口の中に奥深い「コク」が広がるという素晴らしい風味。
その奥深さではシチューにも引けを取らない秀逸なカレーなのです。
遙か遠き日の船乗りたちの夢に思いを馳せながら、じっくりと味わう洋食。
これもまた、神戸という街の愉しみ方なのです。
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店名 | |
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最寄り駅 | みなと元町駅、花隈駅、西元町駅 |
ジャンル | 洋食、シチュー、欧風カレー |
住所 | |
TEL | 078-362-0168 |
営業時間 | 11:30~20:00(L.O) |
グリル ミヤコ (洋食 / みなと元町駅、花隈駅、西元町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
昼総合点★★★★☆ 4.0
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