
2007年3/18、市ヶ谷フィッシュセンターにて入手したこの魚、
インボイス名は「クテノポマsp.cfコンギカム」。
「sp.」というのは、「~の一種」。
「cf」というのは、「confer:参照」つまり「多分~かな?」ぐらいの意味。
なので「クテノポマsp.cfコンギカム」は翻訳すると、
「多分クテノポマ・コンギカムかな?と思われるクテノポマの一種」
となります。回りくどいですね。
ちなみに、クテノポマ・コンギカムという種は、
日本の図鑑にも載っていなければ日本への入荷もない種で、
現在クテノポマ属からミクロクテノポマ属へと再分類されたため、
正しくはミクロクテノポマ・コンギカムと呼ばれている珍魚。
ミクロクテノポマ属は10cmに満たない小型クテノポマで、
ヒレや体に綺麗な模様が入るのが特徴。体型もクテノポマ属と比べるとやや細長く、
アフリカ版のワイルドベタといった風合いの仲間。
日本には、
ミクロクテノポマ・アンソルギー(茶色と赤の縞々が特徴)
ミクロクテノポマ・ファスキオラータム(伸張する青いひれに入った細かい模様が特徴)
ミクロクテノポマ・ナヌム(普段はこげ茶、発色すると青味がかった縞が出るのが特徴)
の三種が入荷します。
ちなみにミクロクテノポマ・コンギカムは黄色がかった体色が特徴で、
ヒレには不規則な縞模様が入る種。

この「クテノポマsp.cfコンギカム」の場合、
小豆色の体色にところどころ金色の発色がありますが、
ヒレに入る模様は縞にならず断続的なスポット状になっており、
かつ状態が上がったときには青味を帯びることからおそらく、
ミクロクテノポマ・ファスキオラータムの一タイプであろうと思われます。

ミクロクテノポマ・ファスキオラータム
学名:Microctenopoma fasciolatum
別名:クテノポマ・ファスキオラータム(ファスキオラートゥム)
最大長:8cm
原産地:コンゴ、ザイール
ミクロクテノポマ属のなかでもアンソルギーと双璧をなす美種。
アンソルギーが生餌以外になかなか餌付かず神経質なのに比べ、
本種は何でも食べかつ物怖じしないので非常に飼いやすいです。
しかしこの個体は意味不明のインボイスで入ってきただけあって、
ノーマルのファスキオラータムとは少し趣が異なっているようです。

まずは小豆色を基調にした体色。
ノーマル個体と比べると赤みが強いです。

またエラ蓋など所々に金色の発色をしており、
それがコンギカムと混同された要因かと思われます。
そしてさらに体型。

見事に反り返った頭部。アロワナでいうところのスプーンヘッド。
クテノポマの仲間は同じ種であっても体型が異なるタイプがいくつか見られることが多く、
洋書の「Aqualog:Labyrinthfish」では体型の違いごとの写真が紹介されているのですが、
この本によるとこのスプーンヘッドは「form C」というタイプに該当します。

ヒレをピンと張った状態。結構ゴージャス。
ベタと同じアナバンデッドに属するだけあって、威嚇するときにはヒレを拡げます。
その様子を紹介。

混泳相手のクテノポマ・ウィークシーを発見。

ヒレをギラギラと拡げながら相手を包囲・・・

回転しながら自分の優勢を主張。

そして、チャージ!
(ウィークシーの体側には、攻撃の的となる黒点があるんです。 →記事「クテノポマ・ウィークシー」参照)
とまあ、こんな具合でたまーに小競り合いをするのですが、
ベタと違い、相手のヒレをボロボロにしたり弱るまで痛めつけたりということはなく、
自分の優位が確保されたと思ったらまた何事もなく仲良くしています。

小さいけど丈夫で、時々思いもよらず派手になる、
そういう意味ではなかなか飽きのこない魅力の魚といえるでしょう。
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