夕方からの開店、早めのみせじまい、
しかも臨時休業が多いとあって、
フラれ率が高いのは覚悟です。
よかった。
開いてた。
店内はカウンターのみ。
物静かなマスターの独得な佇まいと、
接客面をフォローするしっかり者の奥様という二人体制です。
壁にはヨーロッパ映画のポスター、チラシ、絵葉書、サントラ盤の数々。
「唇によだれ」
「地下鉄のザジ」
「シェルブールの雨傘」
「唇からナイフ」
などなど。
そのラインナップを見れば、
お店の嗜好やスタンスもわかろうというもの。
迎合よりも個性、
円さよりもエッジ、
予定調和よりも変化と進化、
それでいて、
奇を衒うよりも瑞々しさを重視する、
といったところでしょうか。
まずはそんな素敵な雰囲気を肴に喉を潤すとしましょう。
ジントニック ¥399
カレーメニューはバラエティ豊か。
シーズンメニューの「ほうれん草とマトンのカレー」にも惹かれましたが、
やはり定番人気のこちらをチョイスです。
ブラックカレー ¥945
スリランカカレーをベースにした、黒い辛口カレー。
ライスの上にはスライスオニオンとコリアンダー、
カレーには骨つきチキンが三本も入っています。
カーッと喉があたたまるようなタイプの辛さ。
個人的には実に好みの方向性であります。
渋谷「ムルギー」、六本木「フィヨルド」、
雪が谷大塚「ヤーマカーマ」、秋葉原「ラホール」などなど、
幾多のカレー店の記憶を呼び覚ます一方で、
「まめ蔵」、「武蔵野文庫」といった吉祥寺カフェカレー文化独特の香りも感じられるという、
まさにカレーの文化的名品。
美味しいですね~
と、ここまで書いていて気づいた。
あまりに物静かで、あまりに小声なマスター。
しかしその言葉は少なくとも、作るカレーを通じて、
なんと雄弁に語りかけてくるのだ、と。
選りすぐられた映画の数々も、このカレーも、
うわべだけの愛想笑いとは無縁の、
ハートにガツッとくるダイレクトコミュニケーションだったのですね。
どうもご馳走様でした!!
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カレー食堂 リトル・スパイス (カレー / 吉祥寺駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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