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限りなく優雅。限りなく革新的。「ガネーシュ」(能見台)
category - カレー&スパイス・神奈川県
2011/
11/
16どんな世界にもマニアな人々はいるもので、
ズブズブとはまり・・・いや、ひたむきに突き進んでいくと、
バッタリいろんなところでいろんな人といろんな人がいろんな糸で繋がっていて、
それはもうマニアの醍醐味の一つなのだろうけれども、さてこの能見台のお店。
「ガネーシュ」
そもそも能見台なんて駅、知ってましたか?
「のうみだい」じゃないですよ。「のうけんだい」。
こんな未知の土地へと足を運ぶことになったのも、縁に縁を重ねてのこと。
この日揃ったメンバーも、それぞれがそれぞれに縁と縁とで知り合ったスパイシーな人々ならば、
この「ガネーシュ」というお店も、いろいろな人、いろいろなお店に所縁の深いお店。
縁をつないだのは繁盛の神、ガネーシュか。
創業者の石原氏は「アジャンタ」での修業経験あり。
つまりアジャンタ系と言われる「さらじゅ」「アンジュナ」「新・印度料理 たんどーる」
「シタール」「サールナート」などなど人的つながりも深く、
その人脈は「ケララの風」にも通じ、
さらに押上「スパイスカフェ」の伊藤シェフはまさにこの「ガネーシュ」で修業したとあって、
「日本人シェフの生み出す新しいインド料理の波」のまさにど真ん中にこの店はあるわけです。
現在はマダム石原さんがオーナーとして創業者の遺志を継ぐこのお店、
10月限定の「2011秋を楽しむコース」をたっぷり楽しんできましたよ。
(終わっちゃっててごめんなさい。)
まず登場したのがこちら。
のっけから、普通じゃない。
パオバジ
パオ(=パン)バジ(=野菜)とはパンと一緒に食べる野菜をペースト状にしたカレー料理のこと。
英国に統治されていたインドの西洋スタイル的な食べ方でスナックメニューのひとつ。
ここでは、ムンバイのマッシュポテトカレーをチャパティでくるんだもの。
(by Spicecherry)
なるほど、なるほど。
しかしやっぱりびっくりしたのは、料理を巻いている紙がタミル語のニュースペーパーであること。
この手の込み方、雰囲気の演出は、センスはもちろん、相当に練られ考えられているものですよね。
チャナダルのマサラワダ
ウルドゥワダ
この美しい盛り付け。そして繊細かつ大胆なワダ。
これは・・・「ケララの風」を髣髴と・・・あ、なるほど。
口福とともに人と人のつながりを確信するなんて、もうマニアの愉しみですね。
焼き茄子のライタ
これには驚いた。
そして確信した。
日本人シェフによる新しいインド料理の地平を。
私自身も何度も何度も書いていることなのですが、
生まれたころから体に刻み込まれているインド人のスパイス感覚を、
日本人がそっくり真似しようとするのはなかなか大変。
というか、それなら優秀なインド人シェフをどこかから連れてきたほうがよっぽど効率的。
そうではなくて、日本人が世界のどこの国の人にも負けない感覚、
つまり「四季を感じる」感覚をインド料理に活かせれば、
世界中どこにもない、新しいスパイス料理が誕生するはず・・・
そしてそれを確信的に実行しているのがこの「ガネーシュ」というお店なのだと。
秋ナスとライタ、思いつかなかった組み合わせ。
それがまるでフレンチのような優雅さを持って目の前に登場するなんて。
キノコのコザンブ
コザンブ(Kozhambu:タミル語の発音はコランブ)とはダール抜きのサンバル。
言い換えれば、サンバルとは豆のコザンブ(コランブ)なのだと、某マンションカレーの巨匠に教わったことがあります。
これまた、キノコの繊細な食感が活きていることこの上なし。
サンマと香味野菜のカバブ ダール添え
うん、これぞ日本スパイス料理の極致!!
何とも美しい彩りのカバブは一口食べてビックリ。
これはもう、なんとも素晴らしいサンマ料理ではありませんか!!
日本料理は世界一スパイスに乏しい料理だとも言われますが、
裏を返せばスパイスで味を整えずとも充分味わえる新鮮な食材に恵まれているということでもあります。
日本の旬の食材を知り、インド流の華麗なスパイス使いを知り、
その両者をここまで絶妙なバランスに持ってくるこのお店、まさに恐るべしです。
ケララ風チキンシチュー
おっとこれは懐かしい。
ケララ滞在中、ホテルの朝食で出てきたシチュー。
「シチューなのにカレーリーフとか入っててまるでカレーやん」と思ったシチューを思い出します。
しっかりと、南インド料理。
しかししっかりと、旬の野菜の食感が楽しめます。
チャパティ&バスマティライス
このチャパティがまた、絶妙。
素朴でありながらアーター(全粒粉)の香ばしさがたまりません。
素材の持つ味を活かすという日本人的発想は、チャパティすらもこんなに美味しく変えてしまうのですね。
さて、今回のコースには含まれていなかったのですが、
「ガネーシュに来たら必ず頼むべし」と言われるこのメニュー、追加オーダーです。
ラッサム
どこよりも美味しいラッサムと噂には聞いていたのですが、実際食べれば噂以上。
ブラックペッパーのビシバシ感がたまらない、最高のラッサムです。
私もここで皆様に言っておかねばなりません。
「ガネーシュに行ったら必ずラッサムを頼むべし!」と。
リンゴのハルワ
一見、何?と思いました。
中トロ?いやいや。
こんなハルワ、見たことがありません。
滑らかな舌触り、リンゴのジューシーな甘さ。
インド料理でありながら、インド料理ではない。
国境を飛び越えた素敵な作品なのです。
締めにはホッとするマサラチャイ。
しかしここで油断してはいけません。
なんと、用いる砂糖が和三盆!なのですから。
全くもって、徹底している。
けしからんほど、素晴らしい。
能見台。
そんなマイナーな土地にこれほどまでに凄いお店があろうとは。
南インド料理店、というだけでも貴重なのに、
南インドどころかインドすらも飛び越えて、独自の境地に達した稀有な店。
元「ケララの風」の瀬島さんが沈黙する今、
これほどまでに優雅で、これほどまでに革新的なスパイス料理は他には存在しないでしょう。
今回は秋限定のコースだったのですが、次は春。
半年前の今からもう、プランを練っているようでとても楽しみです。
それに、通常メニューのミールスも食べてみたいなぁ。
もちろん、極上のラッサムとともに。
ご馳走様でした!
↓一日一回。クリックはこちら



ズブズブとはまり・・・いや、ひたむきに突き進んでいくと、
バッタリいろんなところでいろんな人といろんな人がいろんな糸で繋がっていて、
それはもうマニアの醍醐味の一つなのだろうけれども、さてこの能見台のお店。
「ガネーシュ」
そもそも能見台なんて駅、知ってましたか?
「のうみだい」じゃないですよ。「のうけんだい」。
こんな未知の土地へと足を運ぶことになったのも、縁に縁を重ねてのこと。
この日揃ったメンバーも、それぞれがそれぞれに縁と縁とで知り合ったスパイシーな人々ならば、
この「ガネーシュ」というお店も、いろいろな人、いろいろなお店に所縁の深いお店。
縁をつないだのは繁盛の神、ガネーシュか。
創業者の石原氏は「アジャンタ」での修業経験あり。
つまりアジャンタ系と言われる「さらじゅ」「アンジュナ」「新・印度料理 たんどーる」
「シタール」「サールナート」などなど人的つながりも深く、
その人脈は「ケララの風」にも通じ、
さらに押上「スパイスカフェ」の伊藤シェフはまさにこの「ガネーシュ」で修業したとあって、
「日本人シェフの生み出す新しいインド料理の波」のまさにど真ん中にこの店はあるわけです。
現在はマダム石原さんがオーナーとして創業者の遺志を継ぐこのお店、
10月限定の「2011秋を楽しむコース」をたっぷり楽しんできましたよ。
(終わっちゃっててごめんなさい。)
まず登場したのがこちら。
のっけから、普通じゃない。
パオバジ
パオ(=パン)バジ(=野菜)とはパンと一緒に食べる野菜をペースト状にしたカレー料理のこと。
英国に統治されていたインドの西洋スタイル的な食べ方でスナックメニューのひとつ。
ここでは、ムンバイのマッシュポテトカレーをチャパティでくるんだもの。
(by Spicecherry)
なるほど、なるほど。
しかしやっぱりびっくりしたのは、料理を巻いている紙がタミル語のニュースペーパーであること。
この手の込み方、雰囲気の演出は、センスはもちろん、相当に練られ考えられているものですよね。
チャナダルのマサラワダ
ウルドゥワダ
この美しい盛り付け。そして繊細かつ大胆なワダ。
これは・・・「ケララの風」を髣髴と・・・あ、なるほど。
口福とともに人と人のつながりを確信するなんて、もうマニアの愉しみですね。
焼き茄子のライタ
これには驚いた。
そして確信した。
日本人シェフによる新しいインド料理の地平を。
私自身も何度も何度も書いていることなのですが、
生まれたころから体に刻み込まれているインド人のスパイス感覚を、
日本人がそっくり真似しようとするのはなかなか大変。
というか、それなら優秀なインド人シェフをどこかから連れてきたほうがよっぽど効率的。
そうではなくて、日本人が世界のどこの国の人にも負けない感覚、
つまり「四季を感じる」感覚をインド料理に活かせれば、
世界中どこにもない、新しいスパイス料理が誕生するはず・・・
そしてそれを確信的に実行しているのがこの「ガネーシュ」というお店なのだと。
秋ナスとライタ、思いつかなかった組み合わせ。
それがまるでフレンチのような優雅さを持って目の前に登場するなんて。
キノコのコザンブ
コザンブ(Kozhambu:タミル語の発音はコランブ)とはダール抜きのサンバル。
言い換えれば、サンバルとは豆のコザンブ(コランブ)なのだと、某マンションカレーの巨匠に教わったことがあります。
これまた、キノコの繊細な食感が活きていることこの上なし。
サンマと香味野菜のカバブ ダール添え
うん、これぞ日本スパイス料理の極致!!
何とも美しい彩りのカバブは一口食べてビックリ。
これはもう、なんとも素晴らしいサンマ料理ではありませんか!!
日本料理は世界一スパイスに乏しい料理だとも言われますが、
裏を返せばスパイスで味を整えずとも充分味わえる新鮮な食材に恵まれているということでもあります。
日本の旬の食材を知り、インド流の華麗なスパイス使いを知り、
その両者をここまで絶妙なバランスに持ってくるこのお店、まさに恐るべしです。
ケララ風チキンシチュー
おっとこれは懐かしい。
ケララ滞在中、ホテルの朝食で出てきたシチュー。
「シチューなのにカレーリーフとか入っててまるでカレーやん」と思ったシチューを思い出します。
しっかりと、南インド料理。
しかししっかりと、旬の野菜の食感が楽しめます。
チャパティ&バスマティライス
このチャパティがまた、絶妙。
素朴でありながらアーター(全粒粉)の香ばしさがたまりません。
素材の持つ味を活かすという日本人的発想は、チャパティすらもこんなに美味しく変えてしまうのですね。
さて、今回のコースには含まれていなかったのですが、
「ガネーシュに来たら必ず頼むべし」と言われるこのメニュー、追加オーダーです。
ラッサム
どこよりも美味しいラッサムと噂には聞いていたのですが、実際食べれば噂以上。
ブラックペッパーのビシバシ感がたまらない、最高のラッサムです。
私もここで皆様に言っておかねばなりません。
「ガネーシュに行ったら必ずラッサムを頼むべし!」と。
リンゴのハルワ
一見、何?と思いました。
中トロ?いやいや。
こんなハルワ、見たことがありません。
滑らかな舌触り、リンゴのジューシーな甘さ。
インド料理でありながら、インド料理ではない。
国境を飛び越えた素敵な作品なのです。
締めにはホッとするマサラチャイ。
しかしここで油断してはいけません。
なんと、用いる砂糖が和三盆!なのですから。
全くもって、徹底している。
けしからんほど、素晴らしい。
能見台。
そんなマイナーな土地にこれほどまでに凄いお店があろうとは。
南インド料理店、というだけでも貴重なのに、
南インドどころかインドすらも飛び越えて、独自の境地に達した稀有な店。
元「ケララの風」の瀬島さんが沈黙する今、
これほどまでに優雅で、これほどまでに革新的なスパイス料理は他には存在しないでしょう。
今回は秋限定のコースだったのですが、次は春。
半年前の今からもう、プランを練っているようでとても楽しみです。
それに、通常メニューのミールスも食べてみたいなぁ。
もちろん、極上のラッサムとともに。
ご馳走様でした!
↓一日一回。クリックはこちら




ガネーシュ
関連ランキング:インド料理 | 能見台駅、京急富岡駅
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コメント
1. 能見台
大学の頃、家庭教師のバイトしにいってました。
遠い!w
こんな美味しそうなお店があるんですねー。
2011-11-16 08:03 HIROCCI URL 編集