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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

日本インド料理界に吹いた一陣の風。「ケララの風」(大森)

5月末日をもって一旦営業終了となった大森「ケララの風」。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
日本でカレーリーフの栽培に成功するなど、
以前からインド料理界では知る人ぞ知る人物であった「怪しいおぢさん」こと沼尻氏。

南インド・ケララ州フォートコーチンの超一級ホテル「ブルントン・ボートヤード」で修行、
エレガントなケララ・キュイジーヌの洗礼を受けた稀有な料理人「ノリくん」こと瀬島シェフ。

この強力タッグのフィナーレに向け、
4月~5月にかけて催された特別ディナーの会に私は三回ほど参加させていただきました。

南インド料理といえば、やはりミールス、ドーサ、ワダあたりが有名なところ。

ですが実際のケララの料理は実にバラエティに富み、
いわゆるインド料理の範疇に収まらないものも数多くあります。

古来からの貿易港コーチンを持ち、また次々に変わる植民地支配によって、
西洋と東洋の文化が交錯し溶け合ってきたのがケララ。

瀬島シェフが修行した「ブルントン・ボートヤード」などはまさにその代表格で、
ヨーロッパから訪れるセレブな客に向け、
ケララの食材と伝統的な技法にフレンチの調理技術を組み合わせたエレガントな料理を提供しています。
私がケララ滞在時に利用した「Coconut Lagoon」「Marari Beach resort」という二つのホテルはまさに「ブルントン・ボートヤード」と同じCGHグループによる経営。
ですので、ケララの食文化の非常にエレガントな側面も、私には非常にリアルな「風」として感じられるのです。

今回の食事会ではまさに、瀬島シェフが「ブルントン・ボートヤード」のジェリー・マシュー・シェフの元で体得した「インド料理とフレンチの融合」、そしてまた、その先へと向かう瀬島シェフ唯一無二のケララ料理の新境地までも、存分に楽しみ尽くすことができました。
もちろん、沼尻オーナーによる「これぞ南インド!これぞケララ!」といった絶品料理も交えて、ですよ。

それでは、めくるめく絶品料理、ケララから大森に吹いた風の数々を、
とくとご覧くださいませ!!!

※怒涛の量ですよ。ご注意!!

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ホタルイカとグリーンマンゴーのサラダ
富山出身の瀬島シェフ、
故郷で親しまれる食材をケララの風に乗せちゃいました。
ココナッツ スパイスとハーブでマリネしたホタルイカに、
クミンと蜂蜜入りジュレを添えて甘く仕上げたサラダ。
インドの屋台で親しまれるチャットに似た甘みを、
こんなエレガントな一皿に持ってきてしまう、素晴らしき変化球でした。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
カルアッパム
私がケララ滞在時、毎朝食べて虜になった、南インドの酸味の効いたパン。
なんと大森で再会出来ました。
カルアッパムとはマラヤラム語でパンケーキの意味だそうです。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
金目鯛のカレーリーフチャトニ
ココナッツを用いたケララの代表的な魚カレー、ミーンモーリーがこの料理のベース。
ココナッツベースに生のカレーリーフ(「ケララの風」ならでは!」
を細かく刻んで仕上げた綺麗な緑のソース。
そこへさらにカレーリーフ、空豆、そして柔らかな金目鯛が入った、
爽やか且つスパイシーな料理。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ライタ
いわゆるヨーグルトソースも、ケララの風ではこんなに美しい。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
カボスピクル
大好きな大好きな南インドの酸っぱいピクル。
ケララ現地でも、様々なピクルを食べまくりましたが、流石にカボスはなかった。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ゴーシュトダムビリヤニ
こりゃぁそんじょそこらのビリヤニとは訳が違います。
大鍋に入ったまま登場した蒸し焼きビリヤニに驚嘆の声。
東京で蒸し焼きビリヤニが食べられる店としては小川町「シャヒ・ダワット」がありますが、
このビリヤニはさらに本格的。
なんと鍋の蓋がちゃんとチャパティ生地なのです。
(「シャヒ・ダワット」ではアルミホイル。)
ここまで本格的なダムビリヤニはまさにケララ現地「Grand Hotel」で食べて以来!!
「ケララの風」の店名に偽りはありません!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
目の前でビリヤニを混ぜ、皿へと盛ってくれる沼尻さん。
漂う物凄い香りはまさに、立ち会った者だけが楽しめる特権!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
フワッと香り高いライスにジューシーなラム肉。
低温でじっくりと蒸すのがコツなのだとか。
ケララの特産品であるカシューナッツが食感の良いアクセントになっていますね。
カボスのピクルを合わせるとこれまた絶品!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ヴァタラッパン
黒糖とココナッツミルクにカルダモンの風味をプラスしたケララのデザート。
表面の焦がし砂糖がクリームブリュレにも似た、なんともたまらない一品。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
コーヒー
沼尻さんがケララらしい香りを求めて、
豆から淹れ方からを探求したのだそう。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
閑話休題。

壁に貼られた絵はマサラワーラーによるもの。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ワダ&サンバル&フレッシュココナッツチャトニ
沼尻さん得意の絶品ワダ。
ごくごく表面だけがカリッと、そしてなかはふんわりホクホクのワダ。
黒もやし豆が用いられています。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
プローンパイナップルラッサム
ここまで特別なラッサムには出会ったことがありません。
大ぶりなエビはニューカレドニア産「天使の海老」。

「天使の海老」とはニューカレドニアで1984年の養殖開始以来、
一貫して自然食の餌のみで育てられ、厳密な水質管理や衛生管理の下で生産される、
世界最高品質の海老のこと。

要は刺身でも美味い最高級のエビをパイナップル仕立ての冷製ラッサムに用いてしまったというわけ。
美味しくないわけがないですよね!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
イディアッパム
米粉で作った麺。
柔らかくもちっとした食感ですがそのままでは味は無く、カレーに漬けて食べます。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ミーン(イサキ)の包み焼き
ミーンは魚の意。
ケララで食べたカリミーン・ポリチャトゥを髣髴とさせる料理です。
独特の酸味はフィッシュタマリンド(マンゴスチンの皮)によるもの。
コーチンの市場で見つけたクッカムと同じものかしら?

ちなみに添えてあるレタスにはココナッツオイル、レモン、ターメリックが用いられており、
独特の酸味にさらなる色を添えています。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
バイコラコフタ
コフタはお団子。
ジャガイモ、パニール(チーズ)、バナナを用いたコフタに、
ミント、コリアンダーで仕立てた美しい緑のソース(カレー)。
イディアッパム(米麺)を漬けて美味しくいただきました。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
鴨の腿肉のコンフィ
これはもう、瀬島シェフの本領発揮。
皮はパリッと、中はホワッと柔らかい鴨肉がなんとも堪らず。
玉ネギがふんだんに用いられたハーフウェットタイプのスパイシーソースがかかっているのですが、
マラリーの「Beach Grill」で食べたエビ料理のソースに似て美味だったなぁ。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
牡蠣のコンフィのアチャール
コリアンダー、マスタードシード、生カレーリーフが用いられたソースで仕立てた、
焼き牡蠣。
これ、なんとも美味かったなぁ。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
タリカンニ
初めて食べる料理。
っていうか、全く聞いたことも無い料理でした。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
タリ=セモリナ粉、カンニ=お粥状の物だそうで、
セモリナ粉で作ったトロットロスープといったところ。
カシューナッツ入り。
イディアッパム(米麺)でいただきましたが、なんとも未知の美味しさ。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
閑話休題。

こんなにワインが合うインド料理屋も他に無いよなぁ。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
アティラチ・チャッティ・パッティリ
アティラチ=仔羊、チャッティ=鍋。
全粒粉とココナツミルクでクレープを作り、
薄切りじゃがいもと、仔羊のマサラを層にして、
ミルフィーユ状にして、ソフトに焼き上げたもの。
仔羊の挽肉のラザニア仕立てケララ風、といったところです。
これも感動的に美味しかったのですが、
また食べたいと思ったら、どうすればよいのだろう・・・
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
マラバールフィッシュカレー
サワラの切り身をローストし、
シャバシャバのカレーで仕立てた料理。
おっ立つカレーリーフが神々しくすらある!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
ケララパロタ
ケララといえばこれ、の名物パン。
私もケララ滞在中、ナンは一枚も食べませんでしたからね!
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
仔牛のマラバール風ティッカ
何とも美しい焼き色のグラデーション!!
これもまた、瀬島シェフの本領発揮といったところでしょうか。
フォン・ド・ヴォーをベースに、
サフラン、ガラムマサラ、マスタードシード、カレーリーフで仕上げたソース。
そしてフワッとしたカイマライスという米を用いたマンゴーライスが添えられています。

スパイス使いは確かに南インド料理、しかしベースの調理はフランス料理という、
まさにエレガンス・オブ・ケララ。
2011年6月以降、日本国においてこのような料理と果たして出会えるのでしょうか?
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
カボチャのクルフィ
卵や牛乳を使わない、ベジタリアンもOKなインドのアイス、クルフィ。
なのですが、このカボチャのクルフィは本当に特別なクルフィ。
あまりにカボチャが濃厚で、
まるでカボチャケーキ、まるでカボチャプリン。
でもしっかり氷菓という・・・
食べたことのない、これからも食べることができるかわからない絶品クルフィでした。

こうしてたくさんの料理を並べ連ねるだけでも、
この「ケララの風」がいかに特別な、いかに志の高いお店であるかが分かろうというもの。

しかも偶々ケララ帰りである私にとっても、
「確かにケララに吹く風」を感じられたという意味で、本当に凄い店なのだなぁとも思いました。

今回この名店が(一時的にでも)営業終了となってしまった背景にはおそらく、
震災以後たくさんのインド人が日本から脱出し、
インド料理市場自体が縮小してしまったことも影響しているのでしょう。

我々インド料理ファンの力不足もあったのかもしれません。

・・・非常に口惜しいことですが。

2011年6月以降、ケララの風はどんな新展開を見せるのか?

沼尻さんによるランチミールスは残すのだとか、
いろいろな話を聞いたりはしますが、まだまだ不確定情報。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
来年、カレーリーフの花が咲く頃、
大森には一体どんな風が吹いているのでしょう。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
「ケララの風」、ひとまずはお疲れ様でした。


ケララの風
TEL:03-3771-1600
住所:東京都大田区山王3-1-10
営業時間:
11:30~14:30(LO)
18:00~21:30(LO)
定休日:火曜日
※2011年5月31日をもって、一旦営業終了となります。

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ケララの風 インド料理 / 大森駅大森海岸駅

夜総合点★★★★ 4.5
昼総合点★★★★ 4.0


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コメント

4. 無題

>遊香さん
渡したいモノ…何ですかね?
どこかカレー屋に預けていただくのが早いかも!

  • 2011/06/04(土) 15:04:57 |
  • URL |
  • ropefish #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

3. 無題

>しまじろさん
瀬島シェフが次に料理を作るのはどこか、アンテナ張っていなければなりませんね。
ケララの風自体も、ミールスはまもなく復活するのでは?

  • 2011/06/04(土) 15:02:12 |
  • URL |
  • ropefish #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

2. これはもはや

フレンチの域ですね。
行きたかった。

rope様に渡したいものがあるんだけど1番早く届く方法なんだろ・・・土曜日に暇人会に会うけどそのメンバーに近々会う人いるかなぁ・・・?

  • 2011/05/31(火) 07:52:24 |
  • URL |
  • 遊香 #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

1. おつかれさまでした。

凄い品数、凄い卓越した料理。

ランチミールスしか行ってない私にとって、こんなに繊細で美しい南インド料理の奥深さを記事にまとめて感動です。

いや~改めてケララの風の偉大さを知りました。この先はわかりませんがいつか食べてみたいです。

  • 2011/05/31(火) 06:31:54 |
  • URL |
  • しまじろ #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

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