世界最大の花。
と同時に、
悪臭ただよう世界最臭の花。
その死臭にも似た強烈な匂いから、
「死体花」
とも呼ばれるその花の正体は・・・

スマトラオオコンニャク
学名:Amorphophallus titanum
別名:死体花、タイタンアルム、ショクダイオオコンニャク
原産地:スマトラ島
とにかくでかい!!
その巨大な花の見た目が燭台ににていることから、
ショクダイオオコンニャクとも呼ばれるこの「花」は直径1.5mに達するとされ、
その縦寸は3.5mまでになった記録があるそう。
なお、世界最大の花として一般に有名なのはラフレシア(Rafflesia arnoldii)ですが、
こちらは最大直径90cm。
・・・まったく比較にならない巨大さです。
しかしラフレシアがれっきとした単体の花であるのに対して、
このスマトラオオコンニャクの巨大な「花」はじつは「花序」であり、
そこに密生する個々の「単体の花」はごく小さいため、
「単体の花」としてはやはり、世界最大はラフレシアということになります。
まあ、でも「でっけー!!」という迫力においてはスマトラオオコンニャクの圧勝ですね。
ちなみにギネスブックに載っている世界最大の花は、
スマトラオオコンニャクのほうだそうです。
さて、冒頭にも書いた通り、
スマトラオオコンニャクの開花はわずか2日ときわめて短いのですが、
実はそれには、計算されたしくみがあります。
開花初日、
まず花序先端から腐臭を発してフンコロガシやシデムシといった甲虫を集めます。
開花後8時間ほどが悪臭のクライマックスだそう。
引き寄せられた甲虫は上に向けて漏斗状に展開した仏炎苞(ロウソクみたいな部分)に着地すると、
這い上がれずにつるっと転がり落ち、中心の花序の部分に集められます。
もしこの時点で、その虫が既に他のスマトラオオコンニャクの花粉をつけているならば、
花序の最下部にある雌花群に花粉がなすりつけられ、受粉が成立します。
そして次の日。
雌花の受粉機能は停止し、
その替わりに今度は雄花群から花粉があふれ出して甲虫の体に降りかかります。
こんどは逆に、他の花に花粉をつけてこいって訳です。
甲虫に花粉をまぶし終わると仏炎苞は枯れ、崩壊します。
ここまでで2日。
自由の身になった甲虫は脱出し、
しかし臭いにつられてまた、次の花へと吸い寄せられてゆくことに・・・
こうして次々と受粉を成立させた雌花は成熟して赤い果実となり、
つぎに鳥に食べられることで種子を散布させるのだそうです。
・・・植物が動物を自在に操ってる感じ、なかなかに恐ろしいものです。
ラフレシアも同様に虫を引き寄せる臭いを発することが知られていますが、
ラフレシアもこのスマトラオオコンニャクも同じスマトラ島に分布。
スマトラ島。ありえない島ですね。
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