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高田馬場、カチン料理への旅。「オリエンタルキッチン マリカ」(高田馬場/西早稲田)
category - [目白,早稲田,高田馬場]
2011/
04/
25新大久保がコリアンタウンなら、高田馬場は今やミャンマータウン。
たくさんのミャンマー人が住み、彼らのためのミャンマー料理店、
ミャンマーカラオケなどが数多く存在します。
しかし、新大久保コリアンと少し事情が異なるのは、
ミャンマー語の看板が街に溢れているわけでは無いということ。
彼らは実に奥ゆかしく、目立たぬよう、街に溶け込んでいるのです。
「オリエンタルキッチン マリカ」
一見、インド料理店かと思えるこの店も実はミャンマーレストラン。
それも大変珍しい、カチン民族料理の店なのです。
エレベーターを上がると次第に強くなる現地色。
店内は細長く、片方が普通のレストラン、反対側が現地人向けバリバリのカラオケスペース。こういうレイアウト、高田馬場のミャンマー料理店ではたまにあるものです。
さて、まずはカチン民族について。
カチンはミャンマー北東部、西はインド、東は中国に面する辺境地域。文化的にも双方の影響を受けているほか、食生活が非常に日本と似ており、「カチンは日本人のルーツである」という説もあるほど。
なかなか興味深い少数民族なのです。
が、実は今、カチンを含むミャンマーの少数民族たちは厳しい現実に直面しています。
ミャンマーを牛耳る軍事政権は、ミャンマー民族による単一民族国家を目指し、カチン、シャン、カレンなどの迫害、ジェノサイドさえ行っているという噂。
軍事政権の高官が「我々の政権があと数年続けば、彼らは博物館でしかお目にかかれない存在になることだろう」と豪語するほど、堂々と。
ミャンマーの国家予算の50%近くは軍事予算。
しかし彼らが銃口を向けるのは同じ国の中の国民です。
この軍事政権にODAと称して無償の援助を行っているのが日本。我々の税金はミャンマー軍人の息子の教育費に。軍人に両親を殺されたあげく、少年兵として強制的に従軍、自分たちの仲間を滅ぼす戦に加担させられている沢山の子供たちを救うお金にはならないのですよね。
そして…日本国民がこの未曾有の災害危機にさらされている今でも、このミャンマー軍事政権や、今や日本を圧倒的に凌ぐ経済力を誇る中国への無償経済支援であるODAが続けられているということ。
丁度先日ようやく、ODA額の20%を減額し、被災地復興資金に充てる旨の決議がなされましたが、本来のODAの趣旨からしてミャンマーと中国への資金提供は筋違い。なのに震災後一ヶ月以上も時間が掛かった上、理不尽な貢ぎ物を止めることすらできなかったのは、一定の利害関係がある議員たちの抵抗があったから。
ODAを被災地復興資金に回すことに最後まで反対した某徳島県出身議員は自身のホームページ上で「ODAを復興資金に充てるなんてとんでもない。国債発行など資金確保は他でもできる」と発言。言いかえれば「借金してでも貢ぎ物を減らすな!」ということ。日本の政治家が他国の国益を優先する不条理。どこの国も政治というのは狂気と背中合わせなのですね。
話が地球規模に逸れましたが、こちらのお店を営んでいるのもカチン族のご夫婦。
顔立ちも日本人に似ており、非常に近しい印象です。
料理もカチン鍋など、珍しいながら日本人に親しみやすい料理が沢山。
この日は単独訪問だったので、日本カレー界きっての文士、ジュリアス・スージーさんをして「ムルギーライスを彷彿とさせる」と言わしめたこちらの料理にトライしてみました。
タンパッウ ¥900
炊きご飯と鳥モモ肉煮込みを組み合わせた定食。
確かに、よく煮込まれたモモ肉のカレー煮込みがライスにドバッと乗った様子は、
ムルギーライスやマレーシアのナシチャンプルーに通ずるものが。
(ダンパッウ自体はカチン以外のミャンマーでも食されている料理のようです)
それにしても特筆すべきはこのライス、美味しすぎます。
フワッとした炊きあがりの長粒米はインドのバスマティ米のようで、違うようで…とにかく美味しい。
カシューナッツも入って、まるでインドの本格ビリヤニのようです。
あまりに美味しいこのライスの秘密。
聞いてビックリしました。
本来カチン米で作るこの料理、その風合いを再現するためにこの店ではインドのバスマティ米とタイのジャスミンライスをブレンド、そこに少量の日本米を混ぜることで香ばしく炊き上げているのだそう。
なんとも贅沢。
やはり美味いものにはそれなりのヒミツがあるのですね。
ホロッと崩れる鶏肉の柔らかさ、
ふりかけや鶏ガラスープ、酸っぱ辛いピクルスなど、
どこをとっても抜かりがないセット。
初めて食べる珍しさを抜きにしても、これはかなりレベルが高い料理です。
インド料理好きにも、中華料理好きにも、日本人料理好きにも是非食べていただきたい。
日本に住んでいるとあまり触れることのない、少数民族カチンの文化。
その入り口としてこの店の料理はまさにうってつけ。
政治を超えた食の文化交流、是非お試しあれ。
オリエンタルキッチン マリカ
TEL:03-3207-8114
住所:東京都新宿区高田馬場1-25-29 サンコール 3F
営業時間:
[火~金]11:30~14:30 17:00~翌0:30
[土・日]17:00~翌5:00
定休日:月曜日
↓一日一回。クリックはこちら




たくさんのミャンマー人が住み、彼らのためのミャンマー料理店、
ミャンマーカラオケなどが数多く存在します。
しかし、新大久保コリアンと少し事情が異なるのは、
ミャンマー語の看板が街に溢れているわけでは無いということ。
彼らは実に奥ゆかしく、目立たぬよう、街に溶け込んでいるのです。
「オリエンタルキッチン マリカ」
一見、インド料理店かと思えるこの店も実はミャンマーレストラン。
それも大変珍しい、カチン民族料理の店なのです。
エレベーターを上がると次第に強くなる現地色。
店内は細長く、片方が普通のレストラン、反対側が現地人向けバリバリのカラオケスペース。こういうレイアウト、高田馬場のミャンマー料理店ではたまにあるものです。
さて、まずはカチン民族について。
カチンはミャンマー北東部、西はインド、東は中国に面する辺境地域。文化的にも双方の影響を受けているほか、食生活が非常に日本と似ており、「カチンは日本人のルーツである」という説もあるほど。
なかなか興味深い少数民族なのです。
が、実は今、カチンを含むミャンマーの少数民族たちは厳しい現実に直面しています。
ミャンマーを牛耳る軍事政権は、ミャンマー民族による単一民族国家を目指し、カチン、シャン、カレンなどの迫害、ジェノサイドさえ行っているという噂。
軍事政権の高官が「我々の政権があと数年続けば、彼らは博物館でしかお目にかかれない存在になることだろう」と豪語するほど、堂々と。
ミャンマーの国家予算の50%近くは軍事予算。
しかし彼らが銃口を向けるのは同じ国の中の国民です。
この軍事政権にODAと称して無償の援助を行っているのが日本。我々の税金はミャンマー軍人の息子の教育費に。軍人に両親を殺されたあげく、少年兵として強制的に従軍、自分たちの仲間を滅ぼす戦に加担させられている沢山の子供たちを救うお金にはならないのですよね。
そして…日本国民がこの未曾有の災害危機にさらされている今でも、このミャンマー軍事政権や、今や日本を圧倒的に凌ぐ経済力を誇る中国への無償経済支援であるODAが続けられているということ。
丁度先日ようやく、ODA額の20%を減額し、被災地復興資金に充てる旨の決議がなされましたが、本来のODAの趣旨からしてミャンマーと中国への資金提供は筋違い。なのに震災後一ヶ月以上も時間が掛かった上、理不尽な貢ぎ物を止めることすらできなかったのは、一定の利害関係がある議員たちの抵抗があったから。
ODAを被災地復興資金に回すことに最後まで反対した某徳島県出身議員は自身のホームページ上で「ODAを復興資金に充てるなんてとんでもない。国債発行など資金確保は他でもできる」と発言。言いかえれば「借金してでも貢ぎ物を減らすな!」ということ。日本の政治家が他国の国益を優先する不条理。どこの国も政治というのは狂気と背中合わせなのですね。
話が地球規模に逸れましたが、こちらのお店を営んでいるのもカチン族のご夫婦。
顔立ちも日本人に似ており、非常に近しい印象です。
料理もカチン鍋など、珍しいながら日本人に親しみやすい料理が沢山。
この日は単独訪問だったので、日本カレー界きっての文士、ジュリアス・スージーさんをして「ムルギーライスを彷彿とさせる」と言わしめたこちらの料理にトライしてみました。
タンパッウ ¥900
炊きご飯と鳥モモ肉煮込みを組み合わせた定食。
確かに、よく煮込まれたモモ肉のカレー煮込みがライスにドバッと乗った様子は、
ムルギーライスやマレーシアのナシチャンプルーに通ずるものが。
(ダンパッウ自体はカチン以外のミャンマーでも食されている料理のようです)
それにしても特筆すべきはこのライス、美味しすぎます。
フワッとした炊きあがりの長粒米はインドのバスマティ米のようで、違うようで…とにかく美味しい。
カシューナッツも入って、まるでインドの本格ビリヤニのようです。
あまりに美味しいこのライスの秘密。
聞いてビックリしました。
本来カチン米で作るこの料理、その風合いを再現するためにこの店ではインドのバスマティ米とタイのジャスミンライスをブレンド、そこに少量の日本米を混ぜることで香ばしく炊き上げているのだそう。
なんとも贅沢。
やはり美味いものにはそれなりのヒミツがあるのですね。
ホロッと崩れる鶏肉の柔らかさ、
ふりかけや鶏ガラスープ、酸っぱ辛いピクルスなど、
どこをとっても抜かりがないセット。
初めて食べる珍しさを抜きにしても、これはかなりレベルが高い料理です。
インド料理好きにも、中華料理好きにも、日本人料理好きにも是非食べていただきたい。
日本に住んでいるとあまり触れることのない、少数民族カチンの文化。
その入り口としてこの店の料理はまさにうってつけ。
政治を超えた食の文化交流、是非お試しあれ。
オリエンタルキッチン マリカ
TEL:03-3207-8114
住所:東京都新宿区高田馬場1-25-29 サンコール 3F
営業時間:
[火~金]11:30~14:30 17:00~翌0:30
[土・日]17:00~翌5:00
定休日:月曜日
↓一日一回。クリックはこちら




オリエンタルキッチン マリカ (東南アジア料理 / 高田馬場駅、西早稲田駅、学習院下駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
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コメント
4. 無題
本郷のお店は確かネパール料理です。別ですね。
こちらのマリカはお勧めですよ。
2011-04-26 22:59 ropefish URL 編集
3. 無題
初めてのミャンマー料理にこの店は素敵だと思います。
かなり美味しいので是非!
2011-04-26 09:47 ropefish URL 編集
2. はじめまして✩
この時間に見てしまったことを少し後悔してます(笑)
次回の東京旅には是非 足を運びたいなぁと思います!
2011-04-25 22:45 nanami URL 編集
1. 本郷にも
2011-04-25 01:20 遊香 URL 編集