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スパイスと大自然と優しい人々と。美しき国ケララ。~ケララ楽園紀行-序-
category - カレー&スパイス・インド
2011/
04/
28*****************************************************
⇒★南インド・ケララ楽園紀行 〈目次〉はこちら。
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さて、3/30~4/4の間、南インド・ケララ州へと旅をしてきました。
美味しく楽しい食事、
瞠目の異文化、
そして感動の動植物たちとの出会い・・・
語っても語っても語りつくせない衝撃的な体験でしたが、
その片鱗だけでもと、記事に綴って行きたいと思います。
しかしその前にケララという場所の概要をば。
★ケララってどこ?
ケララ州は南インドの西海岸、アラビア海に面した地域で、
東はガーツ山脈を挟んでタミルナドゥ州(州都チェンナイ)、
北はカルナタカ州(州都バンガロール)と面しています。
ケララ州の州都はトリヴァンドラム(ティルヴァナンプラム)で、
その北方には古くから地中海やアラビア周辺との交易が盛んな貿易港コーチン(コチ,コーチ)があります。
⇒googleマップ
面積は日本とほぼ同じ。
日本との時差は-3.5時間です。
★ケララへの道のり
2011年現在、日本からケララへと飛ぶ直行便はありません。
デリーやムンバイからインドに入り、国内線に乗り継いでコーチンもしくはトリヴァンドラムへ入るか、シンガポール、スリランカ、ドバイなど他国でのトランジットを経るかの選択となります。
どの経由地で観光するかで選択するのも手ですが、私の場合は最も時間効率が良いシンガポール経由を選択しました。
運賃は少し高くつきます(往復運賃+燃油サーチャージ+空港使用料で一人10万円位から)が、10時間を超す空の旅、サービスに定評のあるシンガポール航空、世界一の設備とサービスを誇るとも言われるシンガポール・チャンギ空港でのトランジットを決め手としました。
実際この選択は正解で、とても快適な旅となりました。
なお、インド入国の際には事前でのビザ申請が必要であることもお忘れなく。一般観光客のビザ申請はインド大使館ではなく、東京・大塚にあるインドビザ申請センターで行います。午前中に申請すればその日の午後にはビザが発行されるのが普通ですが、混雑時や地方からの郵送による申請には時間がかかるようですので、お早めに。
詳しくはインドビザ申請センターHPで。
★ケララの人々
日本で手に入るガイドブックでは広大なインドをひとまとめにして紹介するものがほとんど。
にぎやかで良く喋り、時にお金をぼったくり、時に鞄からモノをスる、旅行ガイドブックに書いてある、そんなインド人への警告は、ことケララの人々には全く当てはまりません。
鼻が高く彫りが深い北インドの人々とは異なりケララの人々は鼻が丸く如何にもな南方系の顔立ち。
日本人よりも大人しくシャイに思えるケララの人々は非常に親切。
旅行者に高値を吹っかけることも殆どないようです。
ケララ州は古くからキリスト教が盛んで、医療、教育制度が整っており、識字率99%、中学生以上ともなれば皆英語が話せるという先進ぶり。
訪れる者はその、人々の道徳心の高さに驚かされることでしょう。
★ケララの文化
ケララはアーユルヴェーダやヨガの本場でもあります。
多くの人々が癒しを求め海外から訪れています。
伝統武術カラリパヤットはなんと、中国のクンフーや空手の元祖とも。
日本の歌舞伎や中国の京劇に似た舞台芸能カタカリも有名です。
海岸で見られる伝統漁法チャイニーズフィッシングネットは、フビライハーンがこの地まで勢力を伸ばして来た時に伝えられた漁法であることから付いた名前だとか。
★ケララの食事
日本でも徐々に市民権を得てきている南インド料理。
ケララではココナッツを使ったカレー、特に豊富な魚介類を用いたカレーが名物です。
一般的にはナンではなくチャパティやケララパロタ。
ご飯は日本でよく見る細長いインディカ米とは異なり、
日本米に似た短粒種のインディカ米(食感は日本米と異なりパラッとしています)と、
ケララ米と呼ばれる褐色の米が主流のようです。
★ケララの自然環境
6月から11月が雨季のモンスーン気候で、年間を通して平均気温は30℃を超す暖かい土地。
ケララとは椰子の茂る土地という意味で、その名の通り海岸線から平地にかけて、椰子の木が大地を覆う特徴的な景観が広がっています。
コーチンの近くにはバックウォーターと呼ばれる一大水郷地帯があり、
様々な鳥、魚をはじめとする動植物の楽園となっています。
豊かな生態系を持つケララでは、固有の動植物も多く、また、町の中にも自然が多く残っているため、
どこにいても大自然を身近に感じることの出来る、生き物好きにはたまらない土地。
実際、今回の短い旅のなかでも驚くほど多くの生き物と出会うことが出来ました。
★ケララの魚
アラビア海に面し、広大なバックウォーターが広がるケララは、
海水、淡水共に豊富な水産資源に恵まれています。
食用魚としてもケララ名物となっている淡水魚カリミーンは、
アジアでは希少なシクリッドの仲間。
英語ではPearl Spot、日本のアクアリウム界ではダイヤモンドクロマイドと呼ばれる魚です。
その他、スネークヘッドではレッドスネークヘッド、プラーチョン、マルリウス、ドワーフスネークヘッドにチャンナ・オリエンタリス(スリランカからの移入?)などが棲息。
コイ科ではマハシールの仲間トール・クードリーやレッドライントーピードバルブ、プンティウス・フィラメントースス、ゾディアックローチ。
ナマズではワラゴ・アトゥー、クララ、ミスタスの仲間たち。
アベニーパファー、アプロケイウス・リニアートゥス、グリーンスキャットなども見かけることができます。
また、日本のメダカに近縁なインドメダカは都市部のドブ川や小さな水たまりまで、どこででも生息しています。
★ケララの爬虫類・両生類
ケララには数多くの爬虫類・両生類が住んでいます。
平地部にはインドコブラ、高地にはキングコブラが生息。
トカゲ類ではカロテスやスキンクの仲間の他、トビトカゲも。マダガスカル原産のカメレオンも帰化しているようです。
夜には灯りに集まる虫を求めて、沢山のハウスゲッコー(ヤモリの仲間)が出てくるのを見ることもできます。
沼にはテラピンの仲間である亀を目にすることが出来るでしょう。
両生類では何と言ってもナジカバトラクス。
⇒ナジカバトラクスの記事
地中に棲むこの奇妙な古代カエルはケララ州の固有種です。
★ケララの鳥
ケララでは都市部でも空に沢山の種類の鳥が飛び交っています。カラス、スズメ、ワシ、タカ、サギにカモ、ムクドリ、日本でお馴染みのようでいて、色形のちょっとした違いが楽しめます。
ケララで出会うことの出来る最も感動的な鳥は何と言ってもキングフィッシャー。インドビールのラベルでもお馴染みなこの鳥は日本のカワセミと近縁ながら非常に大柄で、メタリックブルーとオレンジに輝くその姿はまさに、楽園に棲む鳥そのものです。
★ケララの哺乳類
ケララにはゾウやトラの他、ヤマアラシやヒョウなどが生息。
その他町中では普通にウシ、ヤギ、犬、ネコが歩き回る他、田舎ではリスや水牛(バッファロー)を普通に見ることができます。
★ケララの昆虫
ケララといえば何といっても蝶。色とりどりの蝶が熱帯の花に集まる様はケララのもっとも美しい日常でもあります。
アサギマダラの近縁種Blue tigerなどかなりの種類がこの地方特有の種として飛び交っており、その群舞は筆舌に尽くしがたいもの。
また、蝶たちに混じって、チョウトンボやイトトンボの仲間の小型トンボ達も美しく舞っています。
注意しなければいけない昆虫は蚊とアリ。
蚊は様々な病気を媒介し、
オレンジ色の大型アリは攻撃性が高く集団で噛み付いてきます。痛いです。
★さて、そこでどうしよう??
こんなに魅力的なケララですが、
土地勘も無ければ情報も少ない。
みんな英語が喋れるといっても、インド特有の訛り(ヒングリッシュとも言われますね)は慣れるまで時間がかかる・・・
そんな時頼りになるのが現地でのコーディネイターの存在です。
今回私は「いたばし区のばら」ことロザリーさんの紹介で、
ケララの現地コーディネイト会社「evergreen travel」に旅行プランの策定から現地での各種手配、現地案内までを一手にお願いすることが出来ました。
evergreenの真美社長、そして小山さんというお二方の協力なくしては、
今回の旅は成立しなかったといっても過言ではありません。
なお、evergreenは現地手配専門の会社ですので、往復の航空機手配は別途行う必要があるのですが、
相談すれば良い旅行会社を紹介してくれます。
地上の楽園ケララ。
さて、次回からはその旅を時系列でご紹介していくことにしましょう。
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↓一日一回。クリックはこちら




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さて、3/30~4/4の間、南インド・ケララ州へと旅をしてきました。
美味しく楽しい食事、
瞠目の異文化、
そして感動の動植物たちとの出会い・・・
語っても語っても語りつくせない衝撃的な体験でしたが、
その片鱗だけでもと、記事に綴って行きたいと思います。
しかしその前にケララという場所の概要をば。
★ケララってどこ?
ケララ州は南インドの西海岸、アラビア海に面した地域で、
東はガーツ山脈を挟んでタミルナドゥ州(州都チェンナイ)、
北はカルナタカ州(州都バンガロール)と面しています。
ケララ州の州都はトリヴァンドラム(ティルヴァナンプラム)で、
その北方には古くから地中海やアラビア周辺との交易が盛んな貿易港コーチン(コチ,コーチ)があります。
⇒googleマップ
面積は日本とほぼ同じ。
日本との時差は-3.5時間です。
★ケララへの道のり
2011年現在、日本からケララへと飛ぶ直行便はありません。
デリーやムンバイからインドに入り、国内線に乗り継いでコーチンもしくはトリヴァンドラムへ入るか、シンガポール、スリランカ、ドバイなど他国でのトランジットを経るかの選択となります。
どの経由地で観光するかで選択するのも手ですが、私の場合は最も時間効率が良いシンガポール経由を選択しました。
運賃は少し高くつきます(往復運賃+燃油サーチャージ+空港使用料で一人10万円位から)が、10時間を超す空の旅、サービスに定評のあるシンガポール航空、世界一の設備とサービスを誇るとも言われるシンガポール・チャンギ空港でのトランジットを決め手としました。
実際この選択は正解で、とても快適な旅となりました。
なお、インド入国の際には事前でのビザ申請が必要であることもお忘れなく。一般観光客のビザ申請はインド大使館ではなく、東京・大塚にあるインドビザ申請センターで行います。午前中に申請すればその日の午後にはビザが発行されるのが普通ですが、混雑時や地方からの郵送による申請には時間がかかるようですので、お早めに。
詳しくはインドビザ申請センターHPで。
★ケララの人々
日本で手に入るガイドブックでは広大なインドをひとまとめにして紹介するものがほとんど。
にぎやかで良く喋り、時にお金をぼったくり、時に鞄からモノをスる、旅行ガイドブックに書いてある、そんなインド人への警告は、ことケララの人々には全く当てはまりません。
鼻が高く彫りが深い北インドの人々とは異なりケララの人々は鼻が丸く如何にもな南方系の顔立ち。
日本人よりも大人しくシャイに思えるケララの人々は非常に親切。
旅行者に高値を吹っかけることも殆どないようです。
ケララ州は古くからキリスト教が盛んで、医療、教育制度が整っており、識字率99%、中学生以上ともなれば皆英語が話せるという先進ぶり。
訪れる者はその、人々の道徳心の高さに驚かされることでしょう。
★ケララの文化
ケララはアーユルヴェーダやヨガの本場でもあります。
多くの人々が癒しを求め海外から訪れています。
伝統武術カラリパヤットはなんと、中国のクンフーや空手の元祖とも。
日本の歌舞伎や中国の京劇に似た舞台芸能カタカリも有名です。
海岸で見られる伝統漁法チャイニーズフィッシングネットは、フビライハーンがこの地まで勢力を伸ばして来た時に伝えられた漁法であることから付いた名前だとか。
★ケララの食事
日本でも徐々に市民権を得てきている南インド料理。
ケララではココナッツを使ったカレー、特に豊富な魚介類を用いたカレーが名物です。
一般的にはナンではなくチャパティやケララパロタ。
ご飯は日本でよく見る細長いインディカ米とは異なり、
日本米に似た短粒種のインディカ米(食感は日本米と異なりパラッとしています)と、
ケララ米と呼ばれる褐色の米が主流のようです。
★ケララの自然環境
6月から11月が雨季のモンスーン気候で、年間を通して平均気温は30℃を超す暖かい土地。
ケララとは椰子の茂る土地という意味で、その名の通り海岸線から平地にかけて、椰子の木が大地を覆う特徴的な景観が広がっています。
コーチンの近くにはバックウォーターと呼ばれる一大水郷地帯があり、
様々な鳥、魚をはじめとする動植物の楽園となっています。
豊かな生態系を持つケララでは、固有の動植物も多く、また、町の中にも自然が多く残っているため、
どこにいても大自然を身近に感じることの出来る、生き物好きにはたまらない土地。
実際、今回の短い旅のなかでも驚くほど多くの生き物と出会うことが出来ました。
★ケララの魚
アラビア海に面し、広大なバックウォーターが広がるケララは、
海水、淡水共に豊富な水産資源に恵まれています。
食用魚としてもケララ名物となっている淡水魚カリミーンは、
アジアでは希少なシクリッドの仲間。
英語ではPearl Spot、日本のアクアリウム界ではダイヤモンドクロマイドと呼ばれる魚です。
その他、スネークヘッドではレッドスネークヘッド、プラーチョン、マルリウス、ドワーフスネークヘッドにチャンナ・オリエンタリス(スリランカからの移入?)などが棲息。
コイ科ではマハシールの仲間トール・クードリーやレッドライントーピードバルブ、プンティウス・フィラメントースス、ゾディアックローチ。
ナマズではワラゴ・アトゥー、クララ、ミスタスの仲間たち。
アベニーパファー、アプロケイウス・リニアートゥス、グリーンスキャットなども見かけることができます。
また、日本のメダカに近縁なインドメダカは都市部のドブ川や小さな水たまりまで、どこででも生息しています。
★ケララの爬虫類・両生類
ケララには数多くの爬虫類・両生類が住んでいます。
平地部にはインドコブラ、高地にはキングコブラが生息。
トカゲ類ではカロテスやスキンクの仲間の他、トビトカゲも。マダガスカル原産のカメレオンも帰化しているようです。
夜には灯りに集まる虫を求めて、沢山のハウスゲッコー(ヤモリの仲間)が出てくるのを見ることもできます。
沼にはテラピンの仲間である亀を目にすることが出来るでしょう。
両生類では何と言ってもナジカバトラクス。
⇒ナジカバトラクスの記事
地中に棲むこの奇妙な古代カエルはケララ州の固有種です。
★ケララの鳥
ケララでは都市部でも空に沢山の種類の鳥が飛び交っています。カラス、スズメ、ワシ、タカ、サギにカモ、ムクドリ、日本でお馴染みのようでいて、色形のちょっとした違いが楽しめます。
ケララで出会うことの出来る最も感動的な鳥は何と言ってもキングフィッシャー。インドビールのラベルでもお馴染みなこの鳥は日本のカワセミと近縁ながら非常に大柄で、メタリックブルーとオレンジに輝くその姿はまさに、楽園に棲む鳥そのものです。
★ケララの哺乳類
ケララにはゾウやトラの他、ヤマアラシやヒョウなどが生息。
その他町中では普通にウシ、ヤギ、犬、ネコが歩き回る他、田舎ではリスや水牛(バッファロー)を普通に見ることができます。
★ケララの昆虫
ケララといえば何といっても蝶。色とりどりの蝶が熱帯の花に集まる様はケララのもっとも美しい日常でもあります。
アサギマダラの近縁種Blue tigerなどかなりの種類がこの地方特有の種として飛び交っており、その群舞は筆舌に尽くしがたいもの。
また、蝶たちに混じって、チョウトンボやイトトンボの仲間の小型トンボ達も美しく舞っています。
注意しなければいけない昆虫は蚊とアリ。
蚊は様々な病気を媒介し、
オレンジ色の大型アリは攻撃性が高く集団で噛み付いてきます。痛いです。
★さて、そこでどうしよう??
こんなに魅力的なケララですが、
土地勘も無ければ情報も少ない。
みんな英語が喋れるといっても、インド特有の訛り(ヒングリッシュとも言われますね)は慣れるまで時間がかかる・・・
そんな時頼りになるのが現地でのコーディネイターの存在です。
今回私は「いたばし区のばら」ことロザリーさんの紹介で、
ケララの現地コーディネイト会社「evergreen travel」に旅行プランの策定から現地での各種手配、現地案内までを一手にお願いすることが出来ました。
evergreenの真美社長、そして小山さんというお二方の協力なくしては、
今回の旅は成立しなかったといっても過言ではありません。
なお、evergreenは現地手配専門の会社ですので、往復の航空機手配は別途行う必要があるのですが、
相談すれば良い旅行会社を紹介してくれます。
地上の楽園ケララ。
さて、次回からはその旅を時系列でご紹介していくことにしましょう。
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⇒★南インド・ケララ楽園紀行 〈目次〉はこちら。
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コメント
4. 無題
ケララ軍曹ですから(笑)
2011-05-06 10:50 ropefish URL 編集
3. 無題
濃すぎて二ヶ月はもちそうです(笑)
2011-05-06 10:50 ropefish URL 編集
2. 無題
さいしょから耳にたこができるほどけららコールW
2011-04-30 23:10 夢見うさぎ URL 編集
1. 無題
第一回目から濃い(笑)
更新楽しみにしてま~す♪
2011-04-28 22:19 オニオン URL 編集