タイ料理専門店でありながら、和牛専門店なんです。
どういうこと?

「タイ料理和牛専門店 ギンファー」
駅前の雑居ビルを上がるとなかなか立派な空間が。

どうやらこちらのタイシェフ、日本で牛肉料理店のキャリア30年以上のベテランとのこと。なるほど。
と思いかけた次の瞬間メニューを開けばこの店のコンセプトがストーン!と腑に落ちたのです。
なるほど!そういうことか!!

和牛ガパオライスや和牛グリーンカレー、和牛パッタイなんていうキャッチーな見せ球を揃えつつ、よくよく見ればガチなイサーン料理やタイ東北料理がズラリ。
中でも注目は「イサーン料理×和牛」というページ。

そう、実はこれこそがこのお店のアドバンテージなんですよね。
あとでご説明いたします。

★チャーンビール ¥680
まずはチャーン。ここはチャーンでしょう。

★牛胆汁を加え香草と牛肉サラダ ¥1800
メニュー名を見て一瞬考えましたが、つまり和牛のゴォイ。いわばラープの生肉バージョンなんです。
イサーン魅惑の生肉料理。けれど日本ではなかなか提供が難しい。いくつかのお店では肉をマグロに置き換えていることも(つまり刺身マグロですね)。
ところが、生でいただける和牛を扱ってきたこちらのシェフならばマグロへの置き換えは不要。
客側から見ても「タイの生肉料理」と聞くと敬遠しそうなところ、肉寿司などを扱う和牛専門店の和牛料理として出せば素直に受け入れられるというもの。
タイのガチ現地料理を出すために和牛のプラスイメージを用いるなんて、完全にアタマいい。最高です。
そしてこちらのゴォイ、小岩あたりでもいただけないほど振り切った仕上り。

真っ赤な生牛肉に、生レバー、生センマイ、胆汁の苦味たっぷり、カオクワ(煎り米)ガッツリ。

上に乗っている葉っぱはバジルじゃなくてパックパイ。
これまたドクダミのように苦いんだ。
ガツーンとした辛さに加え、
胆汁×パックパイで突き抜けるようなオトナの苦味。
和牛としての旨さはもちろんのこと、ガチ現地流タイ料理としてもかなりのレベルです。
いろいろな意味で。
タイ料理から離れた和牛料理もいただいてみましょう。

★和牛上赤身寿司(トモサンカク)¥380/一貫
★和牛タン寿司 ¥380/一貫
お米はタイ米じゃなく日本米の酢飯。正しき肉寿司です。他の店なら倍の値段ですね。このあたりはシェフのキャリアが光ります。
ちなみにランチセットにはこの肉寿司が付いてくるそう。

★スパイ クラシック
肉寿司にタイのワインクーラー合わせるのは流石に初体験!
なんでもアリな気分になってきました。
お一人様なのに、もっと食べたくなります。

★炙り和牛タイラーメン ¥1200
麺はバミー(中華麺)ではなくセンレック(米細麺)。

うわー贅沢。
これだけ食いに来ても充分満足できますね。

★タイ風ココナッツミルクの焼きプリン ¥380
〆はタイのカノムモーケンで綺麗にフィニッシュ。
この日ラストオーダーの時間が過ぎ、日本人客が帰ったあたりからワラワラと近隣のタイ人たちが集結。
あ、日泰2部制か(笑)
いていいですよ!といわれたので暫し寛がせていただきました。
(ホントはちゃんと閉店時間に帰るのが基本ですよ!)

こりゃあ、立地も料理も雰囲気も最高だ。
良い店ができたものです。