★不定期連載「Curry & Wild Life.~南アフリカ特集」★
⇒目次はこちら。事前に耳に入れていた一つの情報。
「南アフリカでは寿司屋でタイカレーが出てくる。」え?いや、それって本当なのだろうか?
絶対確かめてみたい。
訪れた先は国際貿易都市ケープタウン。
南アフリカに3つある首都のうち、立法府にあたる街で、
人種差別やエイズ、レイプで悪評高い南アフリカの中では比較的安全といわれる場所。

港に見えるは、日本の漁船。
そう、ここは遠洋漁業に出向いた日本のマグロ漁船が行き着く港でもあり、
船員達が街に落とすお金で経済が活性化してきた経緯から、
日本人は「名誉白人」としてアパルトヘイトによる差別から免れてきた・・・のだとか。
つまり、日本で食べる遠洋漁業のマグロは、こちらから見ると近海の魚なわけで、
ならきっと、寿司も美味しかろうと。

夕日の強烈なビームが美しい、海岸通の光景。
そこに結構評判のよい寿司屋があるということで早速の訪問です。
「Wakame」・・・なんとも脱力系の名前ですが、
2010年ワールドカップで「Reccomended VIP VENUE」にピックアップされたちゃんとしたお店。

店内に入ってビックリ、なんて贅沢な空間!!

オーシャンビューも凄みがあります。

バーカウンターの奥には水槽が。
・・・う~ん、
日本の寿司屋の生簀をイメージしているのでしょうが・・・・

中に泳いでいるのは寿司ネタとは全く関係ない淡水熱帯魚たち。
シノドンティスやコンゴーテトラ、ネオランプロローグスなどアフリカの魚のみならず、
メティニスやパロットファイヤーなど南米由来の魚もいたりして、
きっとこいつら生簀の意味を理解してないなぁ・・・と思いつつも、
寿司屋でアクアリウム鑑賞が出来ることにちょっとワクワクもしたりして。

カウンターにはシャツの襟を立てた黒人店員さん。
「よぉ、大将!」と呼ぶよりも、
「Yo BRO!」と呼ぶのがふさわしそうです。

席につき、まずはじめに配膳されたのがこちら。
・・・お箸のおき方、90度ずれてますが、まぁそこは文化の違いということで。

まずは一番搾り・・・ではなく、隣国ナミビアのビール、
Windhoek。
これ、ほんとに人気だなぁ。

「
まずは枝豆。
無難に美味いです。
SALT AND PEPPER TOFU
WITH CHILLI AND SPRING ONIONS
42ランドいわゆる揚げ出し豆腐・・・なのですが、塩コショウでしっかり味付けがされており・・・

タイあたりのスイートチリソースでいただくという・・・。
いや、でもこれが結構美味しかったんです。


合わせるのはやっぱりケープワインでしょう。
この店は扱っているワインの銘柄が非常に多く、ケープワインを楽しむ目的で寄ってもよさそう。
・・・さて、そろそろ近海マグロを注文してみましょうか。
いや、せっかくなので刺身の盛り合わせで注文してみましょう!!
・・・うむ、確かに盛り合わせ!!!・・・ではあるけれど。
物凄い量のマグロとサーモン、その二種類だけやんけ!!!(笑)
しかも気づいたこと、
マグロが黒い!!
確かに新鮮ではあるはずのマグロなのですが、やはり捌くまでの状態維持の技術差か?
東京で食べるマグロのほうがはるかに風味が良いですね。
いや、これはこれで美味しいのですが・・・日本の魚介調理技術の高さをここに来て再認識しちゃいました。
あ、サーモンは日本で食べるよりも脂がのって数段美味しかったですよ。
OYSTARS
1個18ランド生牡蠣だって行っちゃいますよ!!
さすが地中海気候の街だけあって、南欧で牡蠣を食べてるようだ。美味い!
RAINBOW RELOADED
88ランド
レインボー・リローデッド!!!格好良すぎる名前のこのお寿司、いわゆるカリフォルニアのレインボーロールをさらに華やかにした続編的一皿。
海老にサーモン、アボカド、マグロ、その上にマヨネーズ、テリヤキソース、キャビア(おそらくランプフィッシュ)など、
縦横無尽なこのお寿司、これもまた結構美味いんです。
普通にマグロの刺身食うより、こっちのほうがオススメだなぁ。

次は
レインボー・レボリューションズの登場が楽しみ!!・・・って、ないない。

こちらはマグロのステーキ。
あ、これも美味しいぞ。
普通のお寿司だってあります。

うん、いなりがパティシェメイドなルックスになっている以外、普通に美味しい普通のお寿司ですね。
安心していただくことができますよ。
・・・しかし、お寿司や海鮮だけで満足していたら、南アフリカの寿司屋にまで来た意味がありません。
そろそろ行っちゃいますか。
RED THAI CHICKEN COCONUT CURRY
95ランドいやぁ、本当にありました、タイカレー。
いたってオーソドックスで健全なレッドカレーではありますが、
ジャスミンライスに青海苔がブレンドされているあたりが、寿司屋のタイカレー。

うんうん、意外とスパイシーで美味しいぞ。
寿司屋でタイカレーなんて、え~っと思っていたけれど、揚げ出し豆腐にチリソースつけたり、
お寿司にテリヤキソースかけたり、いなりにマヨ乗せたりといった世界観のなかでは、意外にタイカレーも馴染むもの。
よく考えてみたら、南アフリカから見た日本とタイの差なんて、日本から見たアルジェリアとナイジェリアくらいの差なわけで、
日本のあちこちのアフリカ料理店でクスクスが出てくるのと同じく、寿司屋でタイカレーが出てくることに何の違和感もないのでしょう。
やっぱり味付けの濃いメニューがないと満足しない客も多いでしょうから、タイカレーあたりがチョイスされたのでしょうか。
この店では他に、北京ダックなんかもありましたけど。
締めはやっぱりこの一品。
MISO SOUP
20ランドここで飲む味噌汁は、確かに味噌汁ではあるのだけれども、やっぱり東洋のスープという感覚。
面白いものです。
このスープに沈む深緑のヒラヒラこそが、この店の名前「wakame」だということを、お客の何割が知っているのでしょう・・・
というわけで、ホントにタイカレーがあることを確認できた南アフリカの寿司屋。
普段海外まで来てわざわざ日本食を食べたりしない私ですが、ここでは結構満足感を得ることができました。
・・・え?ネタとして?いや、もちろん料理としての満足ですってば。
WakameCorner of Beach Road & Surrey Place
Mouille Point, Cape Town
8005 South Africa
GPS -33.90012,18.40529
Sunday & Monday: 10:00 - 18:00
Tuesday & Wednesday: Closed
Thursday & Friday: 10:00 - 22:00
Saturday: 18:00 - 22:00
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★不定期連載「Curry & Wild Life.~南アフリカ特集」★
⇒目次はこちら。「南アフリカ最高のシーフードレストラン」があるという噂を聞き、
はるばる向かった先はランバーツベイ(Rumbertsbay)。
ケープタウンから北へ3時間ちょっとドライブした大西洋岸にある港町です。
日が沈み、真っ暗な夜道を進むと、道に飛び出してくるスプリングボック。
やがて徐々に聞こえてくる波音。
そして・・・なにやら洞窟のような場所から灯りが漏れているのに気づきます。

RPGにでも出てきそうな秘密の入り口・・・

その奥に素朴な丸太で作られた広い空間が見えてきて・・・

なにやら人々が火を囲んでいるようです。
そう、ここが「南アフリカ最高のシーフードレストラン」と評判の
「Muisbosskerm」。
天井は空へと抜け、星空が広がり、店の奥は海岸へと繋がっていて、
まさにそこで獲れた魚が次々と焼かれていくのを自由にいただく、
ブッフェ形式の屋外BBQレストランなのです。

黙々と魚を焼くアフリカーンスの親父。

いやぁ、実に豪快です。

Yellowtail・・・つまり日本で言うところのブリやカンパチ。
獲れたての焼きたてはめっちゃ美味いですよ。

こちらはイセエビ。
この辺ではたくさん獲れるのだとか。
イセエビを好きなだけ食べたいだけかぶりつくなんて、日本ではできない贅沢体験です。


その他、バラクーダやスヌーク(シーパーチ)、エンジェル(マナガツオ?)、ヘイク、シタビラメなど魚種豊富。
南アフリカの海の幸を食いまくりですよ。

もちろん、料理は焼き魚ばかりではなく・・・
地元で食べられている郷土料理も・・・これは嬉しい!!!
water blommetjie & tripe currywater blommetjieって一体なんだ?
聞いてみたら食用の花を煮こんだ料理なんだとか。
これは実に珍しいですね。
そして念願の南アフリカカレー。
tripe curryですから、いわゆる牛モツカレーです。
要はスパイスを効かせた牛モツ煮込みシチューといった感じなのですが、curryという表現をちゃんと使っているあたり、
カレーはワールドワイドな食べ物なのだということを再認識。
まさに地球は「カレー惑星」です。
シーフードパエリアだってありました。
ブッフェですから、そりゃぁもう夢中で食べましたよ。
どんどん出てくる料理を全部食べたい一心で・・・・!!
ブッフェといえど料理は全て出来たてですから、美味さは格別。
新鮮な魚介から、ネットリ濃厚な南アフリカカレーまで、たしかに満足度高いなぁ。

こちらはパン。
オランダ色が濃厚な南アフリカの文化を感じます。

こちらは干したヘイク。
まぁ、日本で言うところの干し鱈と言ったところでしょうか。
結構噛み応えがあり、味も濃厚で、鮭トバのような味わいがありますよ。

コーヒーだって入れたて。
南十字星を見上げながら飲むコーヒーは格別!!
こちらはKoek sister dip in Syrupという南アフリカの伝統菓子。
かりんとうの様に硬い、シロップ漬けの揚げ菓子なのですが、
興味深いことにキンキンに冷やしていただくのです。
これが実に実に美味い!!!
とっても癖になります。
後でネット検索したらレシピとか出てきたんですが、誰か日本で売りませんかね?
楽しいのは、料理が出来るたび皆取りに集まるので、そこで他のお客さんたちと会話がうまれること。
私が訪問したときは海外からの客は少なく、南アフリカの方々が多かったのですが、
訛りまくった英語を必死で聞き取りながらの対話。
こちらの英語もどれほど通じているのか不明でしたが、皆穏やかに楽しいひとときを共有できたのは確か。
美味しいものを一緒に食べれば、人種も国籍も、言葉の壁もないも同然。
それはアパルトヘイトで悪名高きこの国でも変わらない事実なのでした。
後で聞くところによるとこのお店、
ナショナルジオグラフィックが選ぶ
「海を眺めるレストラン世界トップ10」にもランクインしているのだとか。
なるほど次は日没前に再訪問したいなぁ。
物凄く訪問難易度高いけど。
生きてるうちに。
MuisbosskermLambert's Bay 8130, South Africa
+27 (0)27 432 1017
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