浅草に、浅草らしい名前のお店。
『薬膳カレー&スープカレー らいもん』『らいもん』はもちろん雷門。
フレンチシェフによる薬膳カレーのお店です。
入店してまず驚くのは、気合いが入った券売機。

最初の画面で「薬膳カレー(欧風)」「薬膳スープカレー」「薬膳稲庭うどん」という3つのカテゴリを選択。

続いて肉系・野菜系・海鮮系や効能別、薬草別など、検索方法をチョイス。

最後に具材、辛さ、ライスの量など具体的なオーダーをして注文完了となります。
まさに薬膳が薬膳たる、気分やコンディションに応じた食を、という考え方がこの券売機に表現されているんですね。

席に着いたら着いたで、あちこちに薬膳の知識・情報が。
料理を待つ間もどんどん賢くなっちゃいます。
★骨付きラムカレー ¥1000(税抜)チョイスしたのは欧風の系統。
薬膳を謳った欧風カレーってそうそう多くはないと思いますが、そこはフレンチシェフ。
フレンチの技法を使いフォン・ド・ボーをベースに使ったカレーで、フォンをとるとき、肉と共に野菜とハーブを煮込んでいるそうです。ねっとりと粘度高めの舌触りで味わいもコクも濃厚。
薬膳であることを忘れてしまう美味しさです。

骨付きラムは柔らかな肉質と溢れ出る脂の旨味が最高。骨にこびりついた部分がまた美味しいんだ。
多少のお行儀悪さは許していただき、骨までしゃぶりましょう。
辛さは甘口、中辛、辛口、大辛、激辛の5種類から選択可。
ライスはバターライスと特製五穀米飯かが選べます。
(写真は特製五穀米飯)
独自のポリシーに溢れた、個性的なお店。
少なくとも浅草界隈には、似たお店はまず見当たらないでしょう。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
赤坂『タージ』、九段下『アジャンタ』、青山『シターラ』の総料理長として腕を振るい、
名だたるインド料理シェフたちを輩出した、
日本インド料理界の第一人者モハメド・フセインさんがついに自らのお店をオープン。
これは2022年最大のニュースです!
名所は大森駅東口から徒歩2分、「LUZ大森」の3階。
『インド宮廷料理Mashal(マシャール)』オープンは2022年7月1日。
店名はヒンディー語で松明という意味です。

私個人としてはオープンに先だって6月に行われたプレオープンパーティー以来。
正式オープンしてからは初の訪問となりました。

壁にはカラフルな象の絵。
実はこれ、今年2月池袋西武で開催した私のイベント「東京カレーカルチャー」で画家の武田尋善さん(タケダワーラー)がライブペインティングで描きあげたものなんですよ。
ここでまず、モハメド・フセインシェフの経歴をざっとご紹介しましょう。
1968年、インド・デリーの『ハーフィズホテル』での勤務を皮切りに、
『カリームホテル』『ムンバイタージマハルホテル』と一流ホテルの厨房で腕を磨き、
1982年にタージマハルホテル系列の赤坂『タージインドレストラン』の総料理長として来日。
1985~2004年まで、日本インド料理のパイオニア『アジャンタ』(九段下→麹町)でも総料理長を務めます。
その後青山『シターラ』を経て、2021年3月から池上で間借り営業の『インド宮廷料理 Mashal』を始動。
料理教室を開催しながら、実店舗オープンに向けての準備を進め、このたびの実店舗オープンへと至りました。
特に『アジャンタ』時代にフセインさんからインド料理を学び一流料理人になった方々は多く、名を挙げるだけで恐れ多いほど。
料理研究家として有名な渡辺玲さんに、初台の名店『たんどーる』の塚本シェフ、『アンジュナ』の藤井シェフ・・・
今の日本インド料理のトップクオリティはフセインさんの影響なしにはなし得なかったものといって良いでしょう。
この日はディナー訪問。
フセインさんの神髄であるタンドール料理をじっくり堪能してみましょう。
★タリスカースパイシーハイボール ¥880ブラックペッパーを使ってガツンとスパイシーなハイボール。
なかなか濃いめで作っていただきました。
★タンドリーチキン 1P ¥660スパイスマリネされた外側はがっつりスパイシー、
中はジューシーで鶏肉が柔らかいという絶妙の仕上がり。
タンドリーチキンと言えばボソボソッとした食感が当たり前、そう思っている人にこそ食べていただきたい。
★シークカバーブ 3P¥1320これまた普通のシークカバーブ(中東ではシシカバブ)とは全く違う次元の食べ物です。
マトンと鶏ひき肉をフセインさん独自の割合で配合、スパイスと合わせ焼き上げたカバーブ。
肉感がしっかり堪能できる、言ってみれば上質なハンバーグなわけですね。
★ムルグマラーイー 3P¥1100これ、プレオープン時にビックリした料理のひとつ。
鶏むね肉を生クリームとスパイスで漬け込みタンドール窯で焼いた料理なのですが、とにかく食感にビックリ。
フワッと、キュッと、弾力があるんです。
これぞタンドール料理の名手、その神髄。
是非食べるべき、フセインさんの看板料理のひとつです。
どのタンドール料理にも共通して言えるのは、スパイスの香りだけでなく肉本来の美味しさをしっかり引き出していること。
よく、「インドはアツい国だから、傷みそうな食材を美味しく食べるためにスパイスガンガン使うんですよね」なんて言われるし、
実際そういう面もあるのだけれど、フセインさんの料理のように、一流ホテルで供される宮廷料理の場合はそもそも食材も良いわけで。素材の良さをスパイスで引き出す調理だってあるわけです。
日本人ならではの感覚で素材の良さを引き出したインド料理も最近増えてきて嬉しい限りですが、そんな流れを作った日本人の名シェフの多くがもともとフセインさんの薫陶を受けていたことを思えば、彼の存在の大きさを再認識してしまいます。
★ジャルジッラーサワー ¥600チャットマサラたっぷり、インドのインドの甘くないスパイスレモンサワー。
暑い日にピッタリのお酒ですが、これまたしっかり度数があって頼もしいですね。
さて、メインのカレーにも移りましょう。
一見、ご近所のインド料理店にもあるようなポピュラーなメニューが並んでいますが、そういうところにこそフセインさんの凄さが隠れています。食べてみたら「えっ、全然違う」って。
★パーラクパニール ¥1650
★ルーマリーローティ ¥550よく「サグパニール」という名で見かけるカレーですね。
正確には「サグ」=青菜全般、「パラック」=ほうれん草なのですが、大抵はほうれん草のカレーです。
こちらでは、ほうれん草のグレービーにフセインシェフ特製のパニール(乳脂肪と生クリームを固めたインドのカッテージチーズ)をトッピング。
その明るめなグリーン色に、そもそも他店とは別物のオーラを感じます。

そして、食べてビックリ、濃厚な香り。
リッチでクリーミーな味わいの中にズン!とした低音域のように香るクミン。
インド料理にはスパイスを油で炒め、その香りを油に移す「テンパリング」という工程があるのですが、
フセインシェフはここでスパイスの香りを最大限に引き出す技術がとにかく凄いんです。
塩味も比較的強めで、華やかかつゴージャス。なのに品がある。
いわば渡辺謙のようなカレーであります。
あわせたのはこちらルーマリロティ。

大きなドーム状の鉄板で焼く、薄くて大きい全粒粉パンです。
ハンカチのように折り畳んで提供されることから、ハンカチ(ルマール)ロティと呼ばれているんです。

一般のインド料理店にはあまり置かれておらず、
タンドール料理を主とする焼きものにこだわるお店で出会うことが多い印象。
実際、これがなかなか便利で、カレーに合わせるだけでなく、タンドール料理の間にチャトニつけながらちょこちょこ摘まんだりするのにも最適。
なんか炭水化物欲しいけど、お腹いっぱいにはなりたくない。そんなときに頼んで間違いはないです。
さぁさぁ、ビックリビジュアルの料理がやってきましたよ。
★ダムビルヤーニー(マトン)¥2200そう実はこれ、みんな大好きビリヤニ。
素焼きの壺にビリヤニを詰め、サフランをたっぷり用いたナン生地で蓋をして蒸しあげた一品。
ダム=蒸す という意味です。

中はしっとり、美しい艶を纏ったバスマティライス。
オイルに移ったスパイスの香りが、蒸し上がりの湯気とともに鼻腔をくすぐります。

そして見てください、この立派なマトン肉!
食感ふわふわ、これまた肉自体が美味しすぎます。
骨ごとぶった切られているので、骨髄の旨味もしっかり米にしみこんでいますよ。
もちろん、蓋になっているナンもウマウマ。
特に壺にひっついて良く焼きになったあたりがたまりません。
贅を尽くしたインド宮廷料理ディナー、〆はやっぱりこちら。
★ホットマサーラーチャーエ ¥550いわゆるチャイです。
ホッと一息とはこういうこと。

食後の胃を整えるフェンネルも提供されます。
ここで皆さん、もう気付いているかもしれません。
料理名の表記が他店とちょっと違っていることに。
実はフセインさんとこの店を共同経営するオーナーの柴原三貴子(アリ三貴子)さんは「ムスリムの女たちのインド」の著者。
この店を文化交流の拠点とするため、なるだけ現地読みに近いカタカナ表記を心がけているんです。
「伝説の」「レジェンド」と紹介されることの多いフセインさんも、会えばいたってチャーミング。

けれども料理に対する情熱は凄まじいものがあります。
今回いただいた料理もハンドメイドにこだわるものばかり、ということは仕込みの時間がとんでもないわけです。
聞けば、タンドール窯の脇がフセインさんの定位置で、まかないもそこで食べ、ふとした時にずっと仕込みをしているのだとか。
そんな有難い料理がいつでもいただけるようになったなんて、感謝感激。
普段は王侯貴族とは程遠い日常を送っている私たちでも、手軽にマハラジャ気分を味わうことができますよ。
ぜひ何人かで連れ添って訪問してくださいね。
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関連ランキング:インド料理 | 大森駅、大森海岸駅
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
『松屋』といえば牛丼よりカレー。
そんな人も増えましたが、こちらはその『松屋』とは違うカレー専門店の『松家』。
『蒲田 松家カレー』蒲田東口で昭和37年創業の『松屋カレー』からのれん分けしたお店です。
元祖『松屋カレー』は平成5年に閉店。
3年後の平成8年にのれん分けとして元祖の味を受け継ぐ際、牛丼屋との混同を避けるため漢字を変え、蒲田をつけて『蒲田 松家カレー』を名乗りました。
まさに、蒲田のソウルフードというべきカレー店です。
オーダーは食券機にて。

バリエーションが20種以上もあり、迷ってしまいますね。
基本のルーはポークベースですが、牛すじベースへの変更も可能になっています。

メニューによっては時間がかかるから、という大義名分で店内には漫画がズラリ。
こういうのって、ドカベン、こち亀、ゴルゴ13、ワンピースあたりが定番かと思うのだけれども、こちらではハイキュー!、土竜の唄、キングダムまで網羅。
続きが読みたくて通う人もいそうですね。
★牛ハラミ焼カレー ¥1100ディス・イズ・ニッポンのカレーライス。
粘度は低め、旨みとコクがしっかりしていてスルスルといただけます。
ライスが硬めに炊かれている店も好印象。
重くないカレーを目指し完成されたバランスに唸ります。

ウェルダンな牛ハラミ焼きもジューシーで最高。
滴る脂もカレーと良く合います。
このカレー自体は塩味控えめに作られています。
塩分足したいならこちら。

カレー専用醤油を加えましょう。
あと、旨辛の素を加えると旨味がグググッとアップ。
後半の味変にぜひ試してみてください。
さらに注目したいのがこちらの福神漬け。

福神漬けの元祖といわれる上野の老舗『酒悦』さんから仕入れているんです。
歴史あるカレー店ならではのコラボレーションですね。
斬新なスパイスカレーも楽しいけれど、安定の完成度を誇るカレーライス店も忘れてはいけません。
根っからのカレー好きなら、時折還るべき場所といえましょう。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
渋谷・桜丘の隠れ家で完全ベジなカレーライスを提供するお店を発見。
『カレー房 レンズ豆』地下のBAR『lucia』のランチタイムにて営業。

カレーは植物性材料のみを用いたカレーの一択です。

振り切っていますね。
その日のトッピングはSNSで発信。
ご飯は白米か玄米かが選べます。
★PLANT-BASE-CURRY(コーヒー付) ¥700おお、カレーライススタイルながらライスを覆い尽くす5種の副菜がすごいですね。
この日のトッピングは
・緑豆カルダモン風味
・キャベツのマスタードシードとカレーリーフ炒め
・ピーマンの生姜和え
・茄子のクミン和え
・インゲンピクルス
ライスは玄米を選択しました(見えないけど)。

スリランカやインドのベジ料理を参照しつつも、落とし所はあくまでカレーライス。
それぞれの野菜の甘み、苦み、旨みを振り幅もって配置。
肉がなくても変化に富んだ一皿へ仕上げています。
これ、青山とかじゃなく渋谷でやってるのが凄い。
どんな客層がメインなのか、興味深々です。
流行りに乗るばかりだった渋谷の食文化も、この数年でずいぶん深みを増したようですね。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
九品仏の駅改札から右へ徒歩3分ほど。
地域に愛されるお蕎麦屋さん。

『有楽庵』地元では「出前が早い」ことで有名なお店ですが、実は1937年(昭和12年)創業の超老舗。
お蕎麦以外に中華料理もあって、地域の憩いの場となっています。
店内は50席と広々。奥にはお座敷もあります。
用いるそば粉の産地は収穫の時期によって北海道から福井県まで4、5カ所に変わるそう。

本日の産地は『手打ち 栃木県真岡市産 常陸秋そば』でした。
★カレーせいろ ¥1000カレー南蛮ならあちこちで見ますがカレーせいろは何気に珍しい。
この日は食事に割ける時間が30分ほどと短かったため、慌てて食べて舌を火傷する可能性のあるカレー南蛮は黄信号。
これがあって良かった!!

カレー汁はサラサラで鰹出汁が強く効いた和カレータイプ。

弾力と伸びがある麺をカレー汁につけていただきます。

あら、カレーの絡み方も端正だ。
綺麗ですね。綺麗なのど越しと、出汁の旨味。
いい意味でクセのない、安定したクオリティを堪能しました。
店員さんはホール、厨房あわせ4,5人ほど。
お客の来店、退店ごとに「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」の朗らかな声かけ。
コロナ後は静かになりがちな飲食店ですが、やはりこういう挨拶は気持ち良いものです。
そこはいくら「新しい生活様式」とかなんとか言ったって、不変なのです。
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