地方都市のカレーを探訪するとき私は、流行りのカレーや新しいカレーだけでなく、その土地に昔から根付いたカレー店にも訪れるようにしています。
その地のカレーの「あたりまえ」を知ることで、そこで育まれたカレーの独自進化をより多角的に捉えられるからです。
しかもSNS優位の時代になればなるほど、そういうカレー店は軽視されがち。
それはヤバい、と思うのです。

静岡県富士宮市。
富士山と、綺麗な水、そして聖なる気に包まれた街。
この地で30年以上も前から、カレー屋の代名詞となっているお店がこちら。
「華麗屋」いまでこそ、スパイスカレームーブメントが動きはじめた富士宮ですが、昔はカレー屋といえばここ一択だったそう。

地方のブティック感あふれる店構え。

「年季」というコトバがよく似合います。

カウンターに囲まれた中央の柱にはかつて水槽が埋め込まれていたそう。
その頃来たかった・・・

さて、こちらいわゆる日本のカレーライス専門店。
・・・なのですが、メニューがやたらと多い。

「ルー」は4種類。トッピングのバリエーションは多彩で、焼きカレーシリーズも人気らしい。

しかもなんと、ライスをドライカレーやキムチライス、うどんに変更することだってできるんです。
毎日通う常連さんたちを飽きさせないための工夫が積み重なった結果ですね。
★ドライカツカレー ¥1000通称カツドラ。
カツカレーのライスをドライカレーに置き換えた一皿、なのですが・・・写真をよく見てください。
カツが小さく見えませんか?
実はカツがちいさいのではなく、皿が巨大なのです!
直径30センチ超えの大皿に300gほどのライス、そしてなみなみ注がれたカレー「ルゥ」。
一瞬怯みますが、そう、富士宮ではこれこそが基準。
「華麗屋」のカレーを食べて育ったみんなにとって、ライス300g、皿30センチは驚くことではないのですよね

ポークベースのカレー「ルゥ」はねっとり粘り気があり辛さはマイルド。
マッシュルームに加えさりげなくフライドポテトまで混ざってますね。
カツはいわゆるスーパーの惣菜的なアレ。
ドライカレー仕立てのライスはほのかな辛さですが、とにかく量が・・・
いろいろな人に話を聞くと、静岡県民はとにかく「お腹いっぱいになってもらう」ことがホスピタリティであるという意識が昔から強く、「華麗屋」のドカ盛りはまさにそんな県民性の現れだろうと。

いまでこそ、あまり目立たない存在ではありますが、確実に、のちに続く富士宮カレーに影響を与えているお店でした。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
静岡ってご当地グルメがあれこれあって、短期滞在の時には迷います。
そんなとき、ハシゴする一軒として覚えておくと便利なのがこちら。
「餃子研究所」静岡で大人気の大衆居酒屋チェーン「海ぼうず」系列の、餃子とおでんのお店です。
静岡駅からすぐの場所で静岡グルメがあれこれいただけるのに加え、大箱で入りやすく、夜中2時まで営業。

とっても便利なのですよ。

この日は何軒目か忘れた後のハシゴ酒。
(昨年の訪問です。)

静岡モノを中心に攻めてみましょう。
★すっぱみかんサワー ¥498静岡のサワーといえばお茶割りかミカンですよね。
面白いのは、選べるお通し。

店員さんが持ってきたいろんなバリエーションの中から好きなのを選べるんです。
「No Tkank you」でも良いみたいですが、せっかくなので。

レバーをセレクトしました。ええやん。
★黒はんぺんフライ ¥298静岡名物黒はんぺんは、青ザカナを骨ごと用いた黒いはんぺん。
静岡でははんぺん=黒はんぺんなので、県外ではじめて白いはんぺんを見た静岡民は「珍しい!」と驚くそうです。
ざらついた食感と魚の旨味はフライにしてもよく活きていますよ。
★超男餃子 ¥350このお店の名物でもある餃子。
この店ではニンニク効いてるのが「男餃子」、ニンニク抜きが「女餃子」と呼びます。
んで、週末限定、翌日気にせずニンニクバリバリに効かせたのがこの「超男餃子」。
焼面を上にしてそそり立つ餃子、その上にニンニクがドロリンチョ!
餡子は野菜9割でパクパク食べられちゃいますが、夜中鼻息荒くなっても知りません。
★清水もつカレー ¥418静岡のご当地カレー料理と言えばこの「もつカレー」。
静岡で酒飲むには欠かせません。
こちらのお店のもつカレーは、ドロッとしたカレーだれで煮込んだもつ煮込み。
もつカレーの元祖と言われる「金の字」の支店も駅の反対側にあるので、食べ比べてみるのも良いですね。
静岡グルメを堪能するうちの一軒に加えておきたい一軒。
餃子テイクアウトで夜食、なんてのもいいですね。
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関連ランキング:餃子 | 静岡駅、新静岡駅、日吉町駅
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
はるか昔、東京のとあるお店で味噌ラーメンを頼んだら、味噌味のスープではなく麺の上に味噌がドン!と乗っており、「うひゃあ、その発想はなかった!」と驚愕。
しばらくネタにしていたのだが、後に静岡発祥「味噌溶きラーメン」なるものがあるのを知り、いつか食べてみたいと思っていたんです。
そして静岡。
「川しん」静岡で味噌ラーメンが美味いと評判のお店。
もの凄くシンプルな店構えに好感が持てますね。
早速、味噌ラーメンを頼んでみました。
★みそラーメン ¥850おぉ・・・・我々が普段イメージする味噌ラーメンとは全く異なる、澄んだスープ。

そして中央に小山のように盛られているのが味噌!
さらに青ネギと刻みチャーシューがちりばめられています。
そう・・・確か昔出会ったあの味噌ラーメンもこうだったよ。

この味噌を麺と絡めながらスープに溶いていきます。
これが静岡の「味噌溶きラーメン」。
ベースのスープはクリアな豚骨系。
麺はストリート細麺。

そこに味噌を崩していくと、みるみる濃厚な味へと変わってゆきます。
通常の味噌ラーメンでは味わえない、味噌の濃淡ムラがなかなか刺激的。
特に味噌がもやしに絡むあたりが最高ですね。
この独特な「味噌溶きラーメン」の元祖と言われているのが静岡市清水区の「一元」。
こちら「川しん」は「一元」で修業、独立したお店だそうです。
昔、鷺宮で出会ったあの店も同門だったのかなあ。
おっと、失礼しました。
ここはカレーブログでしたね。
★カレーライス ¥800こちら、実はカレーライスもなかなか美味いんです。

少しシャバめなカレーから溢れる旨味。
豚骨スープを用いているのかな?ラーメン屋のカレーでした味わえないコクです。
静岡ご当地グルメ数あれど、これは貴重な食体験。
いつか清水の「一元」さんにも行ってみたいなあ。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
静岡で熱烈な支持を集めるご当地ファミレス「さわやか」。
県内に30店舗以上を構えるチェーンながら、ハンバーグの圧倒的人気で数時間待ちは当たり前という恐るべき存在です。
ほとんどの店舗が、インターなど車でアクセスする場所にあるのに対し、ほぼ唯一といっていい街中店がこちら。
「さわやか 新静岡セノバ店」新静岡駅のほぼ駅ビル、静岡駅からも徒歩10分ほどの場所にある店舗です。
17時30分ごろお店に到着すると、入り口前に10人ほどの待ち。
「あれ?こんなもん?」なんて思っていたのですが・・・・
スマホの順番待ちアプリを設定したところ・・・・

ひゃ、115組待ち!??
待ち時間目安195分・・・・
さすが噂にたがわぬ人気ぶり・・・・
けど大丈夫。
このアプリがあれば、待ち人数と待ち時間の目安がリアルタイムでわかり、順番が近づいてくるとお知らせしてくれるんです。
さすがは大人気チェーンですね。
しかもここが僻地のインターなんかだと、「3時間何してようか・・・」なんて悩んじゃいますが、ここは静岡の中心街。
ということで、3時間弱あればプチ観光することも、一軒飲み屋に行くのもできるってわけです。
かくして散歩がてら「金の字支店」で一杯やりながらもつ
カレーをいただき、程よい時間に戻ってまいりましたよ。

念願のさわやか!ワクワクしますね。

最大の目当てはもちろん、「日本一」ともいわれるハンバーグですが、他にステーキや
カレーもあります。
あ、いろんな組み合わせができるのね。素晴らしい。
料理はジュウジュウいう鉄板での提供。
ソフトボールのように弾力があるハンバーグをナイフでギュッと押し、目の前で仕上げてくれます。
ソースはデミグラソースとオニオンソースの2択。

鉄板はかなりアツく、油はね防止のため、紙のテーブルシートをまくりあげて自衛します。
この風景も「さわやか」の名物。
★げんこつハンバーグ(250g) ¥1080これが「さわやか」の看板メニュー、牛肉100%の炭焼きハンバーグ!
125gの肉厚ハンバーグが2個、ソースはオニオン!
そして・・・
こちらがハンバーグと
カレーの組み合わせセット!!
★ハンバーグと焼き野菜カレー ¥961
★Aセット(ライスまたはパン/コーヒーまたは紅茶)
こちらはハンバーグ125g、ソースはデミグラ!
早速いただいてみましょう。

なんと綺麗な赤み!
このミディアムな焼き加減こそが「さわやか」の持ち味。
肉厚ハンバーグから溢れだす肉汁感。
そして感激するほどの弾力。加工品っぽい弾力ではなく、肉そのものの自然な弾力。
これはクセになります。
さらに炭焼きの香ばしさ・・・・
なるほどこれは熱烈ファンがいるのも頷ける美味さですね。
ちなみにデミグラソースは典型的な
洋食屋さんのそれ。
オニオンソースは肉汁と混じり肉の味を増す印象。
好みがわかれるところだなぁ、と思っていたのですが、静岡県民のほとんどはオニオンソースを頼むのだとか。
(ハンバーグ2個のセットでは2種ソース半々でもお願いできるみたいです)

そして
カレー。
これがまた面白い。
アッツアツの土鍋で提供されるサラサラ
カレーは、玉ねぎの甘苦さに加え、意外にスパイシーな味わい。
甘味が良く出た4種の野菜が入っています。
肉肉しいハンバーグを付けて食べても美味しすぎますね。
ちなみに「ルー不使用、化学調味料不使用」だそうですよ。

Aセットでライス、コーヒーを組み合わせ。
食べ終わる頃にはもう、食べ終わるのが惜しい、それほどの美味さです。
しかし、こんな素晴らしいお店がなぜ静岡県以外に展開しないのか???
その秘密は新鮮さ重視の製造工程にありました。

「さわやか」のハンバーグは袋井市にある本社工場で毎日製造、
お店の発注に応じて出荷され、その日のうちに消費するのが原則なのだそう。
静岡県でしか食べられないのはこの、鮮度管理を徹底させるためとのことです。
クオリティーファースト、静岡の誇りですね。

お会計を済ますと、「さわやか」オリジナル飴のおみやげ。
あぁ、また来たい、そう思わせてくれる素晴らしいお店でした。
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
静岡って、意外にもスリランカ料理のお店が多いんです。
静岡清水線、古庄駅から徒歩8分ほど。
住宅街の中にあるスリランカ料理店。

・・・というかほぼ住宅。

「Sahiru17 サヒル イチナナ」実はここ、スリランカ人店主 坂本紗司斗(サジット)さんの自宅兼店舗。
スリランカで水泳選手だったサジットさん、20年以上前に来日したのですが、事故により義足の生活に。
にも拘わらず、現在も水泳を続け、トライアスロンにも出場するなど鉄人ぶり。
土日には静岡の山あいで古民家を改装したスリランカ料理店「さじっとの家」を経営。
水木には、こちらの自宅で「Sahiru17 サヒル イチナナ」を営業されています。

レストランスペースは白を基調とした優し気な雰囲気。

その日のメニューは、ホワイトボードに掲示されています。
★スペシャルセット ¥1080
・5種類のカリー
・ごはん(タイ米)
・プチ紅茶静岡の野菜をたっぷり用いた手作りプレート。

病院などへの宅配を行っているだけあって、辛さ控えめ、油控えめ、穏やかなスパイス使いで優しい味わい。

完全自然派スリランカ料理ですね。
老若男女に愛される、サジットさんの人柄がにじみ出たプレート。

食後はセイロンティーでさらにスッキリ。
静岡の地域コミュニティに溶け込んだ、素敵なお店なのでした。
●カレーは読み物!HOUYHNHNM(フイナム)にて『Curry Flight』連載中!
Curry Flight 第1便:麻婆豆腐はカレーか否か。文・写真:カレー細胞 | COLUMN | HOUYHNHNM(フイナム)
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