生田神社の脇、夜の飲食店が集まる東門街にあるパキスタン料理店。

「インディアン&パキスタン タンドール」わりと名前も普通だし、知名度も高くはないのですが、実は!実は凄いお店なのです。
こちらのシェフ、ヤヤさんはパキスタン北部出身。
神戸モスクのラマダン料理を担当するなど、その筋では知られた巨匠で。
Japanese Curry Awards2019の新人賞を受賞した「チーニーカリー」さんの師匠でもあります。

ビルの4階にある、広々とした店内。
この日はランチ訪問でしたが、しっかりパキスタン料理の神髄(と骨髄)を堪能しましたよ。
まずはランチビール。
★ハラルビール ¥500あ、実はこれノンアルです。
日本ビール株式会社によるニンジャラガーというハラールビールなのですが、麦の香りが強くてとっても美味いんです。
★ビーフハリームセット ¥1500ハリームは肉、豆と小麦・大麦、そしてスパイスをトロットロになるまで煮込んだムスリム料理。
栄養価が高く消化が良いことから、ラマダン明けの食事としても人気のメニューです。

見てください、この超絶な粘度・・・・
ネットリドロリとした食感の中に、ほぐれた牛肉のキュッとした食感。
そして麦とレモンの豊かな香り。
もうこれは、誰もが惚れ惚れするであろう、超絶美味なハリームであります。


セットにはサラダとナンが付いてきます。
ナンは丸くてしっかり食感のパキスタン仕様。
ハリームを付けていただけば完璧です。
★ニハリ ¥1500ハリームと並ぶパキスタン料理の人気メニューといえばこちら。
牛や羊のすね肉を骨ごと長時間煮込み、骨髄の旨味とスパイスの香りで楽しむ料理。
ホロッホロの牛肉食感と、ネットリした髄の旨味。
不老不死の薬じゃないかしら、というくらい滋味に溢れています。
昼から最高・・・・
★チキンビリヤニ M ¥1500ビリヤニも昼からいただけます。
有難いことにサイズが選べたので、少な目のオーダーで。

パラッとフワッと、ホールスパイスの刺激も十二分に堪能できるハイレベルなビリヤニですぞ。

さらにサービスでオクラのカレーが出てきました。
肉肉肉だったので、これはありがたいですね。
昼から贅沢の極み。
けれど、見た目やイメージほど重くはないのが素晴らしいところ。
むしろ、胃も体もスッキリとした食後感なのですよね。
余ったナンとビリヤニはテイクアウト。
パキスタン料理店では、テイクアウトは普通のことなので気兼ねは要りません。
神戸のムスリム食文化の奥深さを見せつけてくれる名店。
ですが実は・・・・
このお店、間もなく閉店してしまうそうなんです・・・・
今のうち、今のうちに絶対行くべきお店ですよ。
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関連ランキング:パキスタン料理 | 三宮駅(神戸市営)、神戸三宮駅(阪急)、三ノ宮駅(JR)
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
日本一歴史があるインディアンタウン神戸。
華僑と並ぶ印僑たちが古くから宝石貿易、スパイス貿易を行ってきました。

そんな中、最古参のインド料理店としてリスペクトを集めるお店がこちら。
「ゲイロード三宮本店」創業はなんと1939年。
ニューデリーに一号店を構え、ムンバイ、ロンドン、ロサンゼルス、香港などにも展開。

神戸では世界3店舗目の「ゲイロード」として1973年に開業。
2006年より本店を現在の場所に移転、マリンピア神戸店と合わせ2店舗展開となっています。

料理は格式ある正統派北インド。
タンドリーチキンを関西ではじめて提供したのも「ゲイロード」ならば、今や神戸の名店として名高い「ショナ・ルパ」のムカルジーシェフも「ゲイロード」出身。

他にも「RAJA」など、こちらから派生、暖簾分けしたお店も多く、神戸インド料理の歴史を語る上では絶対外せない存在なのです。

最初に登場するのはポタージュスープ。
スープから始まるのは「ショナ・ルパ」も同様ですよね。
★タンドリーチキン丹波地鶏を用いたタンドリーチキンは赤い色付け控えめ。
多層的なスパイスがしっかり効いて、食感も上質です。

さて、やってきました正統派北インドカレー3品。
老舗の風格を感じますね。
★プローンマカンワラトマトとバターでリッチに仕上げたエビのカレー。
つまりはバターチキンのチキンをエビに置き換えた感じです。
甘味とクリーミィさ、そこにエビの旨味で贅沢な気分に。
★サグパニールおなじみほうれん草とカッテージチーズのカレー。
ベーシックでありながら、これを食べると割とお店のレベルがわかってしまう品でもあります。
葉っぱの食感を残したサグに、硬めのパニール。
さらに削りチーズをトッピングしているという手のかかった仕上がり。
流石であります。
★チキンマサラズシッと濃厚スパイシーなチキンカレー。
北インドの重厚感が味わえます。
★アーモンドナン
★プレーンナンナンはカットされた状態での提供。
よくあるインネパ店のふかふかに膨らませたなんちゃってナンではなく、噛めばミシッと、小麦の香りが広がる本物の仕上がり。
口どけも素晴らしいですね。

食後はインドのアイス、クルフィと、

甘いホットチャイ。
まさに正統派。
スタンダードな中にもしっかりとしたこだわりと上質感が溢れています。
そもそも、このインド料理を「スタンダード」と感じること自体、この店がいかに神戸のインド料理普及に貢献してきたかを示す事実であるともいえるでしょう。
接客も含め、今も一流でありつつけるレジェンド店です。
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関連ランキング:インド料理 | 旧居留地・大丸前駅、三宮・花時計前駅、貿易センター駅
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
さんちかで、「サヴォイ」よりもはるか前から営業している、超老舗カレー店。
「ガンジ Gange」創業45年。
70年代神戸の空気感がそのまま現代に残っている貴重なお店です。


そう、実はこのカレー屋さんのベースは洋食。
港町神戸には昔からありとあらゆるタイプの洋食屋さんがありますが、ここは圧倒的な庶民派。

地下の閉塞感を感じさせないためか、両方の壁に鏡が貼られてあり、覗きこむと無限の合わせ鏡に。
沢山のパラレルワールドを越えて、今自分は70年代にいるのか・・・そんな感覚にもなってしまいます。

カレー専門店を謳っていつつ、洋食寄りのメニューもたくさん。
だけどオムライスもピラフもカレー味でのオーダーが可能なんです。
カレーのトッピングも牛タン、ハンバーグ、コロッケ、ミンチカツ、トンカツ、牛カツ、エビフライなど豊富ですね。
そして、この店の特筆ポイントはその辛さ表示。

デフォルトが「甘口」。
+¥100で「ややから」
+¥150で「中から」
+¥200で「げきから」
優し気なひらがな表記が判断をさらに鈍らせますが・・・有料で2段階上げても「中から」とはこれ如何に。
そもそも「中辛」の基準とは??
早速試してみましょう。
★牛カツレツカレー(ビフカツカレー) ¥790
・中から +¥150神戸といえばやっぱり牛肉、神戸のカツといえば牛カツ、いやビフカツです。

食品サンプルの如き、スキのないビジュアル。
これぞ熟練の技。

ドロリとした粘度あるカレー。
気になるこの店の「中から」は・・・・・
他店で言うところの「激辛」でした。
メッチャ毛穴開きます。
「モジャカレー」「エチオピア」あたりの50辛超えかな。
それを「中から」とひらがなで書いちゃうあたり、レベルの高さがうかがえます。
日本一辛い「中から」かもなぁ。

そんな辛さの中にあっても、ビフカツはしっかり存在感を見せてくれます。
いや、むしろビフカツがあるからこそ、美味しくいただける激辛カレーだと言えるかもしれません。
しかしこんな迫力あるカレーを作られているのが、かなりご高齢のご主人だとは。
ホールを担当する(多分)奥様も、オーダーを通すときはしっかり耳元で大声で。

昔からここに当たり前のように存在するけれど、なかなかどうして当たり前じゃないお店なのでした。
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関連ランキング:カレーライス | 神戸三宮駅(阪急)、三宮・花時計前駅、三宮駅(神戸市営)
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
さんちかで創業1988年。
ビーフカレー一本で多くの人に親しまれてきた神戸のソウルフード「サヴォイ」に2019年秋、衝撃の報が流れてきました。
「サヴォイ、2019年10 月末で閉店。」
この情報はネットニュースだけでなくサンテレビでも報道され話題に。
「まじか・・・」
年末年始の帰省時、「サヴォイ」のあるさんちかへ。
すると・・・

営業してる!

おおぉ。
「SAVOY サヴォイ」実は昨年、人手不足のため閉店の危機だったのが、閉店危機を聞きつけたファンたちの応援により、営業時間の短縮、価格改定(650円→700円)をして2019年11月27日に営業再開の運びとなったそうです。

実に嬉しいですね。
★ビーフカレー ¥700「サヴォイ」といえばビーフカレー一本。
ライス少なめでオーダーしました。

シンプルで飽きのこない味わいはやはり流石。
実はこのカレー、創業オーナーの村田麗子さんが家で作っていたカレーを前の店で出したところ評判になり、カレー屋として「サヴォイ」オープンとなったのだそう。
飽きのこない味わいの秘密はそのルーツにあったのですね。
付け合わせのらっきょ、福神漬け、きゅうり漬け、そして酸味たっぷりのニンジンピクルスも「サヴォイ」ならでは。

ぜひぜひこの味を受け継いでいく人が現れて欲しいものですね。
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カレーとハラール。文・写真:カレー細胞 | COLUMN | HOUYHNHNM(フイナム) ⇩ランキング参加中⇩ 一日一回クリックおねがいします。



関連ランキング:カレーライス | 神戸三宮駅(阪急)、三宮駅(神戸市営)、三宮・花時計前駅
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
SNSを通じ『神戸をカレーの街に』という活動を精力的に繰り広げている「ラージクマール」さん。
ずっと気になっていたのですが、間借り営業を卒業し、実店舗を構えたこのタイミングで、ようやく訪問できました。
「神戸カレー食堂 ラージクマール」小粋なブティックが並ぶ神戸トアウェストに2019年11月10日オープン。

古いビルの非常階段を上がった三階にお店はあるのですが・・・
入ってビックリ。

なんだ?この広々としたスペースは?
実はここ、店内待合スペース。
待っている間に、神戸のあちこちにあるカレー店の紹介を見たり、ショップカードをもらったりできるんです。
・・・って、もう1店舗カレー屋できるんちゃう?ってなほど贅沢なスペース!
外からは想像つきません。
ですが私はめちゃめちゃタイミング良く(才能です)、待ちが途切れ席が空いたところ。
すんなりと入店。
・・・まあ、うすうす予測はしていましたが、その予測をも上回る広さの店内!

店名からイメージするような、インドやパキスタンのレストランのよう。

ベリーダンスやら民族楽器ライブやらできそうなステージまであるで・・・

厨房やってめちゃめちゃ広し。
間借りからの実店舗デビューと聞くとこじんまりした店を想像していただけに(しかも飲食は小バコが多い神戸だけに)この広さにまず驚きです。

中央の大きな黒板には「神戸をカレーの街に」の活動呼びかけが。
これを見てここのカレーを食べた人は高確率で #神戸をカレーの街に でツイート&シェアすることでしょう。

黒板の下の白壁に薄くエンボスで描かれたタージマハルも見逃せませんよ。
さて、この日は年始ということで特別メニュー。

一皿一皿丁寧に作っていただき、やってきたのはこちらのカレー。
★謹賀新年!紅白カレープレート ¥1000
・極上バターで煮込んだバターチキン
・冬の濃厚ホワイトチキンカレー
・スリランカ風ココナッツふりかけ
・むげんにんじん
・ライタ
・スパイスポテサラ(白VAR)見た目は2色ですがなんと驚きの6種盛り。
さあいただきましょう。

まずはホワイトチキンカレー。
白いカレーといえばベンガルのレザラやコルマが浮かびますが、こちら寧ろケララシチューにタイのグリーンカレー感を加えたテイスト。

対するのはトマトの酸味を強めに出したバタチキ。
しっかり効いたカルダモンも印象的です。
副菜ではポルサンボルがなかなかの酸味押し。
店名からイメージするようなゴリゴリのインド側でもなく、かといって大阪のスパイスカレー側でもない。
まさに独自のクラフトカレーと言えましょう。
多様な文化が共存する港町として栄えた神戸。
多様な文化をミックスして生み出されるカレーこそが、名物にふさわしい、ということですよね。
神戸をカレーの街に。
※紅白カレープレートは1/5までの提供。お早めに!
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