さてJapanese Curry Awardsの季節がやって来ました。
(例年よりちょっと遅い)

今年も各選考委員が提出したノミネート店を発表、本審査を経て受賞店を決定するという流れ。
(発表は年明け予定)
各審査員より挙がってきた今年のノミネート店はこちら。
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▼メインアワードノミネート
インデアンカレー(大阪、兵庫、東京)
火星カレー(東京・池袋)
泰明庵(東京・銀座)
ボルツ(東京・竹橋)
よもだそば(東京、名古屋)
ケバブ・ビリヤニグループ(サルマ、カーン、ハリマほか東京・千葉)
トプカ(東京・神田、池袋)
メーヤウ信濃町(東京・信濃町)
マレーチャン(東京・池袋)
シディーク(東京、千葉)
Spice Drunkerやぶや(横浜・関内)
Japanese Spice Curry WACCA(東京・八丁堀)
サリサリカリー(横浜・白楽)
柏ボンベイ(千葉・柏 他)
笑夢(福島・福島 他)
タリカロ(東京・西荻窪)
スパイスカレー43(大阪・阿波座)
青い鳥∞黄い蜂(大分・別府)
INDIA GATE(京都・烏丸)
はぐ寧(大阪・天神橋)
Cini Curry(神戸・みなと元町)
メディスンマン(北海道・札幌)
コフタ(沖縄・読谷村)
みち草バザール(北海道・札幌)
サンラサー(東京・東新宿)
マルハバハラールフード(福岡・箱崎)
ダルマサーガラ(福岡)
フレックス バーアンドグリル(沖縄)
わさんたらんか(熊本)
カーネル食堂(福岡)
レディ アン 博多竹下本店(福岡)
メーヤウ(長野)
砂の岬(東京・桜新町)
LION SHARE(東京・代々木)
ガネー舎(東京・新橋)
CURRY-YA! CONG(札幌)
Quiet Village Curry Shop(岡山・岡山市)
スリマンガラム(東京・経堂)
TAPiR(東京・神楽坂)
256nicom(千葉・下総中山)
カレーの店ガンジー(東京・新宿三丁目)
ヴィラ・アフガン(山梨・甲斐大泉)
プルジャダイニング(東京・巣鴨)
ヨゴロウ(東京・国立競技場)
ザ・カリ(東京・御成門)
ダバインディア(東京・京橋)
Rojiura Curry SAMURAI.(札幌 他)
カレーハウス チリチリ(埼玉・戸田公園)
カーマ(東京・神保町)
piwang(東京・吉祥寺)
ソルティーモード(東京・恵比寿)
美味これくしょん神田倶楽部(東京・竹橋)
レカマヤジフ(東京・祐天寺)
アトリエ・ド・フロマージュ(長野県東御市・滋野ほか)
ahill(東京・西麻布/銀座)
ポールスター(東京・丸の内)
Japanese Restaurant 三州家(本所吾妻橋)
グルガオン(東京・銀座一丁目)
ジャポネ(東京・銀座)
プティフ・ア・ラ・カンパーニュ(東京・半蔵門)
日光金谷ホテル クラフトグリル(東京・新宿)
スパイスカリー バビルの塔(大阪・谷町六丁目)
Asian kitchen cafe 百福(大阪・九条)
Zipangu Curry Café 和風カレーHiGEBozZ(大阪・中崎町)
食堂 虹の仏(大阪・四天王寺)
だしとおばんざいと和カレー はぐ寧(大阪・天神橋筋六丁目)
谷口カレー(大阪・北浜)
サケトメシ(大阪・九条)
Cafe&Curry Buttah(大阪・心斎橋)
Camel curry(東京・世田谷上町)
東京コロンボ(東京・恵比寿)
三丁目のカレー屋さん(東京・京橋)
バンダラランカ(東京・信濃町)
天重(東京・麹町)
銀座にし邑(東京・銀座)
ヴェジハーブサーガ(東京・御徒町)
Like(東京・白金)
マドラスミールス(川崎・新丸子)
ベイリーフ(東京・赤坂見附)
ポンディバワン(東京・武蔵新田)
INDU(神奈川・元町中華街)
WODKA TONIC (東京・西麻布)
Ghar(大阪・肥後橋)
バビルの塔(大阪・谷町四丁目)
BAGAWAAN CURRY(大阪・心斎橋)
ガネーシュN(大阪・大阪天満宮)
マガリーダッタ(大阪・西田辺)
セイロンカリー(大阪・長堀橋)
▼新人賞ノミネート
ビリヤニ大澤(東京・小川町)
エムカッセ(大阪・住吉)
currytoiro(福岡)
レカマヤジフ(東京・祐天寺)
toi印食店(奈良)
欧風カレーイナバ(東京・三鷹)
BRICK(東京・恵比寿)
▼名誉賞ノミネート
スマトラカレー共栄堂(東京・神保町)
朝松庵(東京・中目黒)
仙臺(東京・神保町)
松屋
カシミール(大阪・北浜)
ボルツ(東京・竹橋)
白山文雅(佐賀)
日比谷松本楼(東京・日比谷)
サイトはこちら
https://japanesecurry.net/2021/12/27/2021nominees/?fbclid=IwAR1wmBffXnrTel_8lUYmOt6p1yx1s7dsLwvSfUWKzG4r-dRGrem2dWYGbh8*******************************************************
この中から選考会を経て受賞店を決定。
発表は年明け早々になりそうです。
そして、以下がワタシからのノミネート分。
選に寄せたコメントとともにご確認くださいませ。
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●JAPANESE CURRY AWARDS2021 カレー細胞ノミネート
*************************************************2021年の日本は、「コロナ」と「オリンピック」という2つのキーワードに色々な意味で振り回された一年でした。
グローバルマーケットに向けて何年もかけ準備されてきた再開発計画、新たなニーズを見越した事業展開、それら全てが予測不能のカオスに巻き込まれた一年。2020年から始まったコロナが終わらないどころか、人と人との関係性を持続的に変えてしまうものだと気付かされた一年。今までの常識が常識でなくなった一年。
そんな中でも私は思いました。
「カレーはコロナに強い。」スパイスの効能でウンタラカンタラ・・・という怪しい話ではありません。
カレーがテイクアウトにも通販にもレトルト にも適応でき、どんな食材も材料として生かせる可塑性のある料理であるからです。
夜の飲み需要が消滅した飲食店が、その食材を用いたランチカレーをはじめたり、フードロスの危機に頻した素晴らしい食材がカレーとして再利用されたり、観光需要が減少した地方がご当地の名物をレトルト として流通させ、PRの目玉にしたり。
有事の際、カレーが活躍できるフィールドがたくさんあることに気付かされた一年でもありました。
また、オリンピックイヤーとして食に関わるトピックとしては「ハラール」ということがあります。縮小する国内経済を国際対応し、未来への突破口を開く糸口となるはずだったのが、オリンピック。
その目論見の多くは肩透かしに終わったとはいえ、いや肩透かしに終わったからこそ、飲食も海外市場をリアルな視野に入れなければいけないと思います。そんな中、全世界で圧倒的な人口(それと富)を占めるムスリム社会への対応について、日本はもうこれ以上遅れるわけにはいかないでしょう。実際、海外からみた日本カレーのコンテンツ価値は、ラーメンを凌ぐ可能性があるもの。今こそ日本のカレー文化を、海外から見えるカタチにすべき時だと、私は思います。
今年秋に渋谷でJAPANESE CURRY FESTIVALを開催したのも、それが理由です。
今年のAWARDノミネートに関しては、
カレーというジャンルを超え日本の飲食に新しい可能性をもたらしてくれるお店、
日本のカレーが海外市場で戦えるきっかけを与えてくれるお店を意識して選んでみました。
★メインアワード カレー細胞ノミネート(10店)
マレーチャン(池袋)
1994年にオープンした日本マレーシア料理店一番の老舗。インド系、華僑系、ジャワ系、その他ローカル系など多彩なマレーシア料理を網羅し、その料理レパートリーは100以上!
日本に住むムスリムのマレーシア人学生たちが、日本で食べられるものが少ないことに気づき、いち早くハラール認定を取得したお店であり、実は東京オリンピックでムスリム系の選手への大量ケータリングを請け負うなど、日本社会の多様性を食でしっかりと支えている存在でもあります。
シディークパレス/シディーク(東京タワー)
ずいぶん前から都内あちこちにあったシディーク。
振り返ればまずそれが凄い。ハラール対応のお店があちこちにあるわけですから、その存在がどれだけ在日ムスリムの助けになったことか。
そして本気のパキスタン料理の凄みを見せてくれた「シディークパレス麻布十番店」
その後麻布十番店はクローズし、シェフの人手不足からお店によって味のバラつきが出たこともありました。
けれどもここから「シディーク」の逆襲がはじまる。ハラール対応の冷凍食品シリーズを自社開発しヒットさせ新大久保にオープンしたナショナルマーケットで販売。パキスタン以外の国の商品も委託販売というカタチで棚貸し。お店の奥ではホームスタイルのワンプレートパキスタン料理がいただける。そしてなんと東京タワー内に「シディークパレス」オープン。
まさに東京ムスリム社会の旗手にふさわしい活躍ぶりの2021年でした。
Spice Drunkerやぶや
日本のカレーが「たかがカレーライス」を超え、美食として認識されるための再構築。予約限定の日本酒とのペアリングコースへとお店のあり方を振り切ったこのお店は、その顕著なモデルケースとなるのではないでしょうか。
日本酒好きな海外からの大切なお客様を自信を持ってお連れすることができる、稀有なスパイス料理店だと思うのですが、これが「稀有」じゃなくなったときに、「やぶや」の存在意義が再発見されるのでしょう。
Japanese Spice Curry WACCA
大阪のスパイスカレー界でも、その創作性の高さが注目されていた「WACCA」。東京・八丁堀に移転した今年、店名に「Japanese Spice Curry」とつけた意図は明確。インド周辺国のスパイスと出汁を組み合わせたりといった、これまでの注目要素は単なるパーツに過ぎません。刺身を見事なスパイス料理へと変貌させた「海鮮カレー」のように、海外で戦える「スパイス和食」としてのカレーを強く印象づけ、これからも多くのカレー店や他ジャンルの飲食店たちへ刺激を与えていくことでしょう。
サリサリカリー
「WACCA」をはじめ多くのカレー店で採用され看板メニューとなっている「無水チキンカレー」。そのインスパイア元となった移植のレジェンド。ムスリム国パキスタンの家庭料理が、日本のカレーライス文化に非常にマッチすることを証明したお店でもあります。つまりここのカレーを軸にすれば西にも東にも行ける予感がする。マスターが亡くなられた今でも、そのチルドレンというべきお店たちは国内外を舞台に活躍することでしょう。
柏ボンベイ
「デリー系」と言われることが多いお店ですが創業1968年。すでに半世紀を超える歴史をもつ老舗名店です。おなじ名物「カシミールカレー」を擁していながらも、「デリー」がインド・パキスタンをルーツに据えた料理展開をするのに対し、「ボンベイ」は洋食発想の着地。和・印・欧をクロスオーバーさせた独自の世界観は再評価されるべきと思います。特に2021年は下北沢に「SANZOU」、神田に「ボンベイ神田店」と、カレーカルチャーの2大中心地へと進出。柏のご当地カレーを超えて本気を出してきました。
笑夢
本当は日本の食文化を語る時、米や豊かな食材の産地である東北地方を外すことはできないでしょう。なにせ、本州の面積の1/3は東北なのですから。けれども超老舗のお店を除き、東北で注目の飲食店と言ってそうそう数が挙げられないのは何故でしょう?
実際には東北には多くの魅力的なカレー店があり、特に仙台では間借りからスタートする若い世代のカレー店が続々登場したりもしているのですが。こちら「笑夢」は東北では例外的に、精力的な展開を行うカレー店。ラーメン以外の専門店はやっていけなしとさえ言われる福島の地で、カレーといえば「笑夢」を浸透させ、大阪スパイスカレーシーンで広まる前からあいがけワンプレートスタイルの提供を続けているのです。
しかも2021年にはなんと、大阪へと進出!これをきっかけにカレーファンたちが東北に目を向けてくれれば、日本のカレーはもっともっと面白くなると思うのです。
タリカロ
南インド、アーンドラプラデーシュ州の料理を下敷きにしているとはいいつつ、「インド料理」を名乗らないのが「タリカロ」。曰く「對馬流インド系辛口料理」つまり、インドで食べられるインド料理ではなく、インド人も荻窪に来なければいただけない料理ということなのです。世界から注目される日本のカレーを、日本人自身が海外に発信してこなかった根源は、日本人が「カレーの本場はインド」と余計な謙遜をしているからだと、私は考えています。もちろんルーツとなる国の食文化へのリスペクトは必要ですが、日本のカレーはほかのどこにもない日本のもの。そう考えた方がみんな幸せになれるんじゃないでしょうか。この「タリカロ」のように、めちゃくちゃ辛いJAPANSE FOODがあるって、海外で知られたら日本のカレーは勝ちです。
スパイスカレー43
品数が多く賑やかな盛り付けを競う感がある大阪カレーシーンの中で、「あまのじゃく」的にシンプルなライス&カレーで勝負。シンプルな中で斬新な発想やアイコニックなビジュアルを作り出す手腕は他にないもの。大阪のスパイスカレーと聞いてイメージするものとは随分異なるカレーを提供しつつ、店名で「スパイスカレー」を名乗っていることが重要なのです。つまり、カウンターカルチャーへのカウンター。みんなが同じ方向へいっちゃダメ。みんな違うからこそ日本のカレーカルチャーは世界一楽しいのです。きっと。
青い鳥∞黄い蜂
温泉の街として知られる別府のもう一つの顔、それは日本のダイバーシティーのモデル都市。人口に対する留学生率が日本一であり(車椅子人口率も日本一)、異なるルーツ、異なる文化、異なる宗教の人々が一緒に学び、一緒にお祭りをし、一緒に湯に浸かる。
日本が真の国際化を目指す上でたいせつな、人と人との関わり方の指針が、ここ別府では見つかります。
そして、多様性の街には多様性の産物としてのカレーがたくさん。福岡に続き熱い注目をあつめる別府カレーシーンの中心といえば、やはりこのお店です。
(次点)インディアゲート
昨年の新人賞ということで選から外しましたが、インドと日本の融合のみならず、米食文化を見直すきっかけを与えてくれる野心的bな試みを次々繰り出すこのお店、もはや新人ではなく完全に台風の目といって良いでしょう。その動向に最注目のお店です。
新人賞
ビリヤニ大澤
いま、日本で一番注目されているスパイス料理といえばビリヤニでしょう。雑誌やTVで多く取り上げられるだけでなく、
カレーイベントではビリヤニに長蛇の列ができるほど、リアルなムーブメントとして客を動かしています。
けれどもそれは決して、ポッと出のブームではありません。
なかなか説明が難しいビリヤニの魅力を日本に広めようとひたすら啓蒙を続けた人たちの功績であることは間違いありません。
そして、そんなビリヤニ啓蒙活動の中心人物だった大澤氏が、ついに店を出しました。
ただひたすら、ビリヤニに特化し、ビリヤニの美味さを追求する。それだけのお店。
「ビリヤニはカレーじゃない。」大澤氏はそういうかもしれません。
けれど2021年のカレーシーンは、ビリヤニの存在感を抜きには語れないのです。
名誉賞
朝松庵(東京・中目黒)
「カレー×出汁」「カレー×和食」という試みが広がりつつある今日。けれど振り返ってみれば100年前にそれを成し遂げたお店があったのです。「カレー南蛮の発明」はまさに、「カレー×和食」の最初の成功例。このタイミングで改めて光を当ててみました。
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
日本のカレー文化を、さらに面白くするために何ができるだろう?
日本のカレー文化の秘める、新しい可能性をもっともっと探りたい。
私たちが注目したのは「日本の食材」そして、その生産者の方々です。
繊細な四季に恵まれた日本のあちこちで、魅惑的な食材を作り続ける生産者の方々と、独創的なカレーシェフたちを、直接結びつけることができたなら・・・
日本でしか生まれない新しいカレーの可能性が、きっと広がる。
参加した方々の新しいチャクラを開く「場」として。
新しい学びと気づきがある「寺子屋」として。
Japanese Curry Awardsは「カレー寺」というイベントを開催します。

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2016年〜2018年にかけ3度開催、いずれも大好評を得た「カレー寺」。
【過去回の様子は
こちら】
久々の第4弾となる今回も強力なシェフが参加します。
Japanese Curry Awards2015で新人賞を受賞、今や日本を代表するネパール料理店としてグルメの舌を唸らせる大阪「
ダルバート食堂」。
大阪を代表する南インド料理店として名を馳せたのち、昨年東京へと移転。先日発表されたJapanese Curry
Awards2019で見事メインアワードを受賞した「
ゼロワンカレーA.o.D」。
ネパールと南インドというジャンルの違いこそあれ、料理のあり方を徹底追求する姿勢と、アウトプットとしての料理の圧倒的美味さでは、他の追随を許さない両店が、お寺で夢のコラボレーション。
テーマは鹿、そして根菜。
さて、どのような料理が生み出されることでしょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆イベント概要☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Japanese Curry Awards presents 『カレー寺 vol.4 鹿と根菜づくし』日時
2020年2月2日(日曜)
一部13時〜15時
二部17時~19時
※定員各50名
※各回後半にトークショーあり
会場
池上 本妙院
東京都大田区池上1丁目33−5
参加シェフ
立田侑志(ゼロワンカレーA.o.D)
本田遼(ダルバート食堂)
メニュー
ゼロワンカレーA.o.D【南インド】
・鹿肉のココナッツペッパーマサラ
・蓮根のクートゥ
・サラダ白菜と人参のクスンブリ
・聖護院大根のアヴィヤル
・青首大根のアチャール
ダルバート食堂【ネパール】
・鹿肉のカレー
・ダール
・人参と聖護院大根のミックスアチャール
・キャベツと菜の花のサーグ
南インドとネパール、同じ食材でも異なるアプローチをお楽しみください!
チケットご購入はこちらから!それでは当日お会いしましょう!
テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
お待たせしました!
Japanese Curry Awards2019受賞店の発表です!

2014年、11人のカレーマニアが一堂に会しスタートした「Japanese Curry Awards」。
日本のカレー文化に貢献したカレー店を選出し、表彰する取組みです。
⇒Japanese Curry Awards公式HPおいしいカレーが食べたいと思ったとき、何を信じたらいいのかわからない時代です。
グルメ評論家の薦める店もあるし、みんなの採点や投票によるインターネットのランキングもあります。
どれを選択しても、それなりの回答が得られます。店選びに正解はありません。
だとしたら、もっと別の切り口によるカレーガイドがあっていいはずです。
カレー好きのカレー好きによるカレー好きのためのカレーガイド。
カレーを愛してやまない、カレーの食べ歩きに人並みならぬ情熱を注ぎ続けている偏愛家たちが一堂に会して、
“Curry of the Year”を決めるプロジェクトを今年からスタートさせることにしました。 - Japanese Curry Awards実行委員会 水野仁輔 -
各審査員のプロフィールはこちら。
http://japanesecurry.net/#judges選考方式はまず、各選考委員がアワード10店&新人賞・名誉賞各1店をノミネート。
その後、全員のノミネート店を共有した各選考委員が検証。
本選考へと臨みアワード受賞店決定!という流れ。
今年の本審査は12月21日。
昨年のメインアワード受賞店である「バンゲラズキッチン」の新店舗「バンゲラズキッチン神保町」にて行われました。
様々な食ジャンルとの融合、地域との密着や地方からの発信、多店舗への影響、そしてカレーの新たな可能性への提案など、さまざまな角度からメインアワード⒑店、新人賞・名誉賞各1店が選考されました。
第6回となる今年も、個性的なラインナップが揃いました。
それでは、発表です。
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■メインアワード▼印度料理シタール
南インド料理がもてはやされる今日この頃。
そんな中でタンドリーチキン、バターチキン、ナンといったいわゆる「日本で当たり前のインド料理」を提供し、その全てで「当たり前でない」美味さを提供してくれる、只者ではないお店。
まさに、日本人にとって至高の北インド料理にして、絶対王者。
2019年に新しく店鋪をリニューアル、さらなる高みを極めつつあります。
▼ゼロワンカレーA.o.D 
スパイスカレーから南インド、そして独自の領域へ。
大阪でスパイスカレー店としてスタートし、のちに南インドカレー店へと路線変更。
大阪における南インド料理の圧倒的エースとして大人気だった「ゼロワンカレー」が今年、東京へと電撃移転。
大阪とは異なり、インド人による南インド料理店で溢れかえる東京でも、圧倒的な個性と存在感でみるみる人気店となりました。ケララ州を主としたした南インド現地の料理に敬意を払いつつ、この瞬間この日本でいただく美味しさを追求した料理の数々は、まさにゼロワンだけのもの。
真の意味で、熱帯のスパイス料理が日本に根付いてきた証左と言えるでしょう。
▼ベンガルタイガー
例えばフレンチならば、シェフが出身地の素朴な郷土料理のみを要求されることもなく、独創的なアレンジを加えることで褒められることはあれど「本格的ではない」としたり顔の客に怒られることなどないだろう。
そう考えると、アジア各国のシェフに対してまだまだ日本の人々は「見下している」店が多いのではないか。
こちらはベンガル出身、シンガポールの一流ホテルで修業したシェフによる、洗練されたモダンキュイジーヌ。
シェフのルーツを感じさせつつも完全オリジナル、独創的なアイデアで目と舌を満たしてくれます。
そしてこれが都心の特別な人々相手ではなく、千葉の地で愛されていることも革新的。このグローバル感覚は日本のカレー文化にとって大きな刺激となるでしょう。
▼アフターグロウ
インド、スリランカ、洋食、中華料理、和食・・・あらゆるエッセンスを自在に組み合わせ、「美味さ」と「驚き」を追求するマジシャン的な存在。
麻婆カレーを作っても、カツカレーを作っても、ズバリ決とめてくる天才性はさすが。
振り回し、突き抜ける容赦なさ、福岡から発せられる新たなカレーの可能性に限界はありません。
▼錫蘭食堂コジコジ
ようやく関東でも徐々に市民権を得はじめたスリランカ料理。
となれば、その最高峰ともいえる名店を見逃すわけにはいきません。
関東最大のスリランカコミュニティといえる茨城において、日本人シェフのお店が人気を博している、この状況は特筆すべきものです。
▼お出汁とスパイス 元祖エレクトロニカレー
ますます裾野を広げつつ、飽和状態への危機感もある大阪スパイスカレーの中において輝く、他にはない個性のお店。
カレーに出汁を用いること自体は、新世代大阪スパイスカレーに多く見られる特徴でありますが、この店はむしろ、出汁を楽しむカレー。仕込みのプロセスだって、味の雰囲気だって、まるでラーメンなんです。
でありつつ、しっかりスパイス、しっかりカレー。
二大国民食と呼ばれるラーメンとカレーをカレー側に寄せ、新しい美味さを生み出すのに成功したお店なんて、ほかにあったでしょうか?
▼キッチン南海
創業昭和41年、暖簾分けしたお店は実に30を超えるという洋食店「キッチン南海」の総本山。
南海のトレードマークともいえるカツカレーは、黒くサラッとしたスパイシーカレーにサクッとしたカツ、山盛りのキャベツでまさに珠玉の美味さ!
今も各地に点在する「南海」は暖簾分けから数十年経ち、それぞれがそれぞれの街の「町の洋食屋さん」として根付いています。
「南海系」というコトバを生み、そのインスパイア店も含めたカツカレー文化への影響は多大!
▼スパイスカフェ
押上に輝く名店として日本中から憧憬を集めてきた「スパイスカフェ」が業態をガラリと変えたのは2016年10月のこと。
四季折々の食材を活かしたスパイス料理コースと、ワインとのペアリング。
インドやスリランカのスパイス料理を熟知したその先に、季節料理のコースへと行き着いたその思い切りは、来るべき日本スパイス料理文化への先見性溢れる取り組みです。
▼MOKUBAZA
「神宮前キーマカレー激戦区」の中心的存在であり、インパクトあるビジュアルと味で詰めに行列店であり続ける、ドライキーマの王者。
実はこの店元々はBAR。お酒とともに愉しむカレーに革命を起こした店でもあり、グラフィックデザイナー出身であるオーナーによる「食のビジュアルデザイン」といった点でも先駆的存在である。
このSNS時代、カレーという食べ物の価値向上に多大な貢献を果たしているお店。
■名誉賞▼サカエヤ
40年以上にわたって営業を続けるカレースタンド
カレーは待ち時間0分のスピード提供、カツは注文があってから揚げる、けんちん汁やサラダも全て手作りと、まさに「誠実」を絵にかいたようなお店
誰もが安心できるカレーを長きにわたって提供していることこを名誉賞に相応しいと考える(文:三吉さん)
■新人賞▼Cini CURRY/チーニーカリー
神戸のパキスタン料理の重鎮「タンドール」に師事。
現地の基本を踏襲しながらも、日本人としての感性を発揮し、
様々な食材や調理法を組み合わせた料理は、
ジャパニーズパキスタンカレーといっても良い新たなる境地です。(写真/文:TAKさん)
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今年はオリンピックイヤーを控え、首都圏のカレーやスパイス料理があらたな展開を見せてきたように感じます。
ひとつはハラール対応への具体的取組も、、そしてもうひとつは日本が他国に対し明らかに遅れていた、(おそらくはカレーというコトバが持つ大衆食イメージが理由)モダンキュイジーヌとしてのスパイス料理の台頭。
逆に東京を訪れる方々を通じ、、ニッポン発のカレーライス文化を世界にアピールする、またとないチャンスでもあります。
一方で、関西や地方でも新世代カレー店が次々に生まれていることにも注目。
日本のカレー事情、そしてスパイス料理事情は2020年、大きく変化するのではないでしょうか。
●「カレー細胞」Facebookページ https://www.facebook.com/CurryCell ●twitter「カレー細胞」:@hm_currycell ●カレーは読み物!HOUYHNHNM(フイナム)にて『Curry Flight』連載中!Curry Flight 第5便
カレーとハラール。文・写真:カレー細胞 | COLUMN | HOUYHNHNM(フイナム) ⇩ランキング参加中⇩ 一日一回クリックおねがいします。


テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
さて、Japanese Curry Awards2019の季節となって来ました。

今年も各選考委員が提出したノミネート店を発表、本審査を経て受賞店を決定するという流れ。
今年のノミネート店はこちら。
⇒『Japanese Curry Awards 2019 ノミネート店発表!』今年も多彩なお店がノミネートされています。
ここで2019年を振り返り、毎年恒例の長文に続いて、私からノミネートさせていただいたお店の紹介をいたします。
**** 【熱帯化する日本、カレーはブームなのか?】 ****最近「カレーがブームですね。」そう言われることが多くなりました。
が、結論から言えば、私はそうではないと考えています。
このJapanese Curry Awardsも今年で早6年目。
その年その年のトレンドを分析したり、議論したりする機会を重ねるにつれ気づいたのは、
何年にも渡る緩やかな動きこそあれど、誰かが仕掛けて誰かが盛り上げて、一過性のブームになるということは、カレーに関して言えばあまりないな・・・ということ。
大阪スパイスカレーにしても、南インド料理にしても、間借りカレーにしても、飲めるカレー店にしても然り。
一般メディア的には、最近ブームとして取り上げられることが多くなりましたが、いやいやそれは6年以上前から続く緩やかで不可逆なトレンド(傾向)に過ぎないのです。
実際、2014年の第一回アワードの顔ぶれには、関西の間借りカレームーブメントとスリランカムーブメントを象徴する「カラピンチャ」、南インド料理のコモディティ化に貢献した「エリックサウス」、新人賞にスパイス呑みの新星「猫六」が選ばれているのですから。
ですが、確かに「今、カレーがブーム」と感じてしまうのもわからない話ではありません。
メディアにはカレー特集が溢れ、街を歩けばカレー店以外にも様々なスパイス料理が。
これがブームじゃなくて、大きな流れだとしたら、一体何が要因なのか。
一つめの要因は、スパイスやスパイス料理に対する情報が簡単に手に入るようになったこと。
日本にも各国から来た人々が増え、彼らの料理に直に触れる機会が増えたとともに、そのレシピやノウハウがネットで(日本語で)共有され、だれもがスパイス料理に取り組めるようになったことです。
そしてもう一つの要因、これが本当は重要な鍵だと思っているのですが、ズバリ気候の変動です。
それぞれの国、それぞれの地域で育まれた料理は、その土地の気候、そこで育つ植物などの生態系に依存しています。
ところが近年、日本はどんどん熱帯化している。
かつては熱帯にしか育たなかった動植物が、東京で繁殖するほどの変化です。
人間だって例外じゃなく、環境適応していくもの。
熱帯の国で育まれたスパイス料理が今、熱帯化した日本でさらに美味しく感じるようになるのも自然の摂理です。
今後も熱帯化する日本で、人々はもっとスパイスを欲するようになる。
カレーだけでなく、様々な料理がスパイス料理へと変化していく。
このことは、今後各方面でもっと研究されて良いのではと思っています。
スパイス文化にふさわしい、熱帯化日本。
そこにはすでに、世界のスパイス料理が集まって来ている。
ではこの次に起こることは何か。
答えは見えています。
それは、新たに熱帯化した日本ならではの新しいスパイス料理の誕生。
今こそ、ここでしかなし得ないスパイス料理文化を開拓すべく、シェフの創造性が問われる時代なのではないでしょうか。
日本人だけではありません。日本にやって来た外国出身のシェフも、この日本ならではの料理を生み出しつつあります。
「カレー」という強固な概念をもったこの国、四季折々の食材豊かなこの国。
そこから生まれる、斬新な香りと味わい。
このJapanese Curry Awards2019で私が提案・推薦したいのは「クリエイティブ」なお店。
日本のカレー文化が、フレンチやイタリアンに負けない地位となることを願って。
***** 【Japanese Curry Awards2019 カレー細胞ノミネート店】 ******◎メインアワードノミネート(10店)★ゼロワンカレーA.oD(大阪→東京・三田)スパイスカレーから南インド、そして独自の領域へ。
大阪でスパイスカレー店としてスタートし、のちに南インドカレー店へと路線変更。
大阪における南インド料理の圧倒的エースとして大人気だった「ゼロワンカレー」が今年、東京へと電撃移転。
大阪とは異なり、インド人による南インド料理店で溢れかえる東京でも、圧倒的な個性と存在感でみるみる人気店となりました。ケララ州を主としたした南インド現地の料理に敬意を払いつつ、この瞬間この日本でいただく美味しさを追求した料理の数々は、まさにゼロワンだけのもの。
真の意味で、熱帯のスパイス料理が日本に根付いてきた証左と言えるでしょう。
★スパイスカフェ(東京・押上)押上に輝く名店として日本中から憧憬を集めてきた「スパイスカフェ」が業態をガラリと変えたのは2016年10月のこと。
四季折々の食材を活かしたスパイス料理コースと、ワインとのペアリング。
インドやスリランカのスパイス料理を熟知したその先に、季節料理のコースへと行き着いたその思い切りは、来るべき日本スパイス料理文化への先見性溢れる取り組みです。
★ベンガルタイガー(千葉)例えばフレンチならば、シェフが出身地の素朴な郷土料理のみを要求されることもなく、独創的なアレンジを加えることで褒められることはあれど「本格的ではない」としたり顔の客に怒られることなどないだろう。
そう考えると、アジア各国のシェフに対してまだまだ日本の人々は「見下している」店が多いのではないか。
こちらはベンガル出身、シンガポールの一流ホテルで修業したシェフによる、洗練されたモダンキュイジーヌ。
シェフのルーツを感じさせつつも完全オリジナル、独創的なアイデアで目と舌を満たしてくれます。
そしてこれが都心の特別な人々相手ではなく、千葉の地で愛されていることも革新的。このグローバル感覚は日本のカレー文化にとって大きな刺激となるでしょう。
★アフターグロウ(福岡)インド、スリランカ、洋食、中華料理、和食・・・あらゆるエッセンスを自在に組み合わせ、「美味さ」と「驚き」を追求するマジシャン的な存在。
麻婆カレーを作っても、カツカレーを作っても、ズバリ決とめてくる天才性はさすが。
振り回し、突き抜ける容赦なさ、福岡から発せられる新たなカレーの可能性に限界はありません。
★MOKUBAZA(東京・北参道)「神宮前キーマカレー激戦区」の中心的存在であり、インパクトあるビジュアルと味で詰めに行列店であり続ける、ドライキーマの王者。
実はこの店元々はBAR。お酒とともに愉しむカレーに革命を起こした店でもあり、グラフィックデザイナー出身であるオーナーによる「食のビジュアルデザイン」といった点でも先駆的存在である。
このSNS時代、カレーという食べ物の価値向上に多大な貢献を果たしているお店。
★タリカロ(奈良)奈良の古民家という風情の中で、意表を突く迫力のカレーを繰り出す「タリカロ」ももうすぐ10年。
南インド・アーンドラプラデーシュ州の激辛料理を基調に、この地で支持され続けるブレない姿勢には尊敬の一言。
★南インド料理DAL(北海道・帯広)洋食やイタリアンを経てインド料理に開眼、能見台「ガネーシュ」で修業の後、シェフを務めた大村さんが、故郷帯広で開いたのがこのお店。
豊富な調理経験とセンスに、北海道の豊富な食材が組み合わさり、ちょっと他では味わえないすごい料理を提供しています。
エゾシカのピクルスに北海道の巨大牡蠣のラッサム、ガレット仕立ての洒落たドーサに、季節のミールス。
インドでも食べられない、地球上にここしかない、わざわざ足を運ぶべきシェフの料理がここにあります。
ミシュランの審査員はいったい何をしているのだ???
★お出汁とスパイス 元祖エレクトロニカレー(大阪・京橋)ますます裾野を広げつつ、飽和状態への危機感もある大阪スパイスカレーの中において輝く、他にはない個性のお店。
カレーに出汁を用いること自体は、新世代大阪スパイスカレーに多く見られる特徴でありますが、この店はむしろ、出汁を楽しむカレー。仕込みのプロセスだって、味の雰囲気だって、まるでラーメンなんです。
でありつつ、しっかりスパイス、しっかりカレー。
二大国民食と呼ばれるラーメンとカレーをカレー側に寄せ、新しい美味さを生み出すのに成功したお店なんて、ほかにあったでしょうか?
★印度料理シタール(千葉・検見川)南インド料理がもてはやされる今日この頃。
そんな中でタンドリーチキン、バターチキン、ナンといったいわゆる「日本で当たり前のインド料理」を提供し、その全てで「当たり前でない」美味さを提供してくれる、只者ではないお店。
まさに、日本人にとって至高の北インド料理にして、絶対王者。
2019年に新しく店鋪をリニューアル、さらなる高みを極めつつあります。
★サンサール(東京・小岩)ネパール人の天才女性シェフ、ウルミラさんによる、ネパール料理の名店として知られるこのお店ですが、実は南インドの本格的なミールスを日本で初めて提供していたお店でもあります。
そのクリエイティビティは今も健在。シェフ・ウルミラさんにしか作れない料理がここにあります。
◎新人賞ノミネート★roji spice&____ (東京・中野)日本の食材、特に椎茸やシラスといった旨味の軸と、多彩なスパイスの香り、そしてお酒とのペアリング。
「スパイスカフェ」の思想を受け継ぎながら、
路地裏ビストロという視点で新たなカレー、新たなスパイス料理の可能性を見せてくれる新時代のお店です。
(その他候補「アチャカナ」「カレーショップ初恋」「Mrs.DADA」)
◎名誉賞ノミネート★ケララの風 (東京・大森)今日の日本の多彩なカレー事情、スパイス料理事情は、沼尻氏の熱意無くしては成し得なかったもの。
カレーリーフを日本に根付かせた功績のみならず、日本中のシェフに多くの影響を与えたこのお店、今度は「ケララの風モーニング」としてインドの朝食文化を広めています。
メインアワードを受賞したことはあれど、いま改めて名誉賞として推薦したい。
*************************Japanese Curry Awards2019は、各選考委員からのノミネートを基に、本審査会にて受賞店を決定。
受賞店の発表は12月末を予定しています。
乞うご期待!●「カレー細胞」Facebookページ https://www.facebook.com/CurryCell ●twitter「カレー細胞」:@hm_currycell ●カレーは読み物!HOUYHNHNM(フイナム)にて『Curry Flight』連載中!Curry Flight 第5便
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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ
いよいよ発表!
Japanese Curry Awards2018受賞店!!

2014年、11人のカレーマニアが一堂に会しスタートした「Japanese Curry Awards」。
日本のカレー文化に貢献したカレー店を12店舗選出し、表彰する取組みです。
⇒Japanese Curry Awards公式HPおいしいカレーが食べたいと思ったとき、何を信じたらいいのかわからない時代です。
グルメ評論家の薦める店もあるし、みんなの採点や投票によるインターネットのランキングもあります。
どれを選択しても、それなりの回答が得られます。店選びに正解はありません。
だとしたら、もっと別の切り口によるカレーガイドがあっていいはずです。
カレー好きのカレー好きによるカレー好きのためのカレーガイド。
カレーを愛してやまない、カレーの食べ歩きに人並みならぬ情熱を注ぎ続けている偏愛家たちが一堂に会して、
“Curry of the Year”を決めるプロジェクトを今年からスタートさせることにしました。 - Japanese Curry Awards実行委員会 水野仁輔 -
第5回となる2018年には、新選考委員としてさとつーが参戦。
各審査員のプロフィールはこちら。
http://japanesecurry.net/#judges選考方式はまず、各選考委員がアワード10店&新人賞・名誉賞各1店をノミネート。
その後、全員のノミネート店を共有した各選考委員が検証。
本選考へと臨みアワード受賞店決定!という流れ。
今年の本審査は12月16日。
昨年のメインアワード受賞店である「アールティ」にて行われました。
様々な食ジャンルとの融合、地域との密着や地方からの発信、多店舗への影響、そしてカレーの新たな可能性への提案など、さまざまな角度からメインアワード⒑店、新人賞・名誉賞各1店が選考されました。
第五回となる今回も、個性的なラインナップが揃いました。
それでは、発表です。
*************************
■メインアワード▼anonymous(大阪・心斎橋) / ポンガラカレー(大阪・梅田 他)
2018年には「ポンガラカレー」を東京にいきなり2店展開、月曜だけの実験的カレー「カレーフォニケーション」など、カレー界に刺激を与え続ける黒田健氏。
その縦横無尽振りはもはや、大阪カレーの台風の目というより、日本カレー界の台風の目とよんでいいでしょう。
そんな黒田氏の根城、それがこの「anonymous」。
何者でもないが故、何者でもなれる、そんな暗示も感じさせる店名です。
(カレー細胞)
多岐に渡られて色んな形態でカレー活動をされており、スリランカ料理をかなりポピュラーな位置に押し上げられた功績は誰もが認めるところです。
割と簡単にスリランカテイストを取り入れられるお店は多いですが、黒田さんは筋金入りですし、スリランカ人シェフ越えされてる数少ない日本人かと思います。
スリランカの混ぜて食べるスタイルをカレースタンド形式の店舗展開で、ごく一般的な食事として広めておられ、東京進出も果たされましたので、今後もますますの活躍が期待されます。
(三嶋達也)
▼エチオピア(東京・神保町 他)
欧風カレーが全盛だった30年前、当時としては非常に尖ったスパイス使いで登場して、非常にインパクトがあった。その魅力はスパイスカレー時代の今でも色褪せないと思う。
(K1郎)
当初はカレーとコーヒーの専門店として始まり、今やカレー激戦区の神保町でも知らない人はいない程の有名店へ。クローブ・カルダモンが香るスパイスの冥加と辛さ段階70倍がエチオピアの醍醐味。散々食べ歩いてもエチオピアに戻る。リピーターが後を絶たない魅惑の中毒性。
(しまじろ)
▼カレーハウス 11イマサ(東京・新宿)1964年創業。
新宿駅は1日平均乗降者数は約347万人(2016年)と世界一(ギネス世界記録認定)多い駅ですが、イマサは待たずにいただけます。
毎日営業していて、回転の速さを考えると世界一カレーを提供しているお店かもしれません。
カウンターカレー店ながら、カレーソースは常時6種類と豊富で飽きません。
来年で55周年を迎える、新宿西口のカレーの歴史を語る上で外せないお店です。
(USHIZO)
▼クスム本場家庭料理(神戸・三宮)ヴェジタリアンターリーだけのインド料理屋&スパイスショップ。
「クスム本場家庭料理」のターリーはインドのお母さんが作ってて、ピュアヴェジタリアン仕様で、お代わり自由。
同経営のI.P.S.はスパイスショップとしては老舗で、三十数年前とあるマンションの一室で開業。初めて行った時は「こんな所に店あるの?」と不安だったが、マンションのエレベーターのドアが開くとすでにスパイスの香りで満ちてて安心。当時は床にスパイスが入った麻袋が並んでて、そこから希望のスパイスをすくって袋詰めしてくれるスタイルで、なかなかコアな店だった。
このように、神戸で「本当のインド」を教えてくれている店。
(K1郎)
日本で唯一といえるインド人主婦による家庭料理がいただける店として非常に貴重であり、日本人の作り手に対する影響度も高いと思う。一時期、全国放送のバラエティ番組に取り上げられるなど、色物的な人気を博したこともあったが、2011年11月に店舗(というかマンションの1室)火災による閉店後、近隣にて復活したもののオーナー死去などもあったが、昨今は経営体制も立て直されてきている。
(みつお)
▼海月が雲になる日(石川・金沢)
コースでいただくフュージョンタイ料理。石川ならではの、食材(魚介など)のうまみが存分に活きるお店。
海月のようにゆったりとくつろいでほしいという店主の思いが詰まった料理や内装、パフォーマンスは、
食/異国文化がいかに尊く、わくわくするものだということを教えてくれる。
(さと2 ※写真も)
▼大衆中遊華食堂 八戒(大阪・東大阪 長瀬)
「中華とカレーの融合、そのトップランナー」
中華とカレー、いずれも日本人にとって子供の頃からあまりに親しみ深い食ジャンル。
それ故カレーはカレー、中華は中華と、アタマで区分けされてきました。
が、近年、この二大ジャンルの自由な融合が始まっています。
その旗手といってよいのがこのお店。
両ジャンルのアウフヘーベンによる圧倒的な説得力で、ネタに終わらない可能性を感じさせてくれます。
(カレー細胞)
大阪の地でまだまだ発展途上の「中華カレー」を引っ張っている第一人者。
今大阪で最も目が離せない、他ジャンルからのカレー発信店。
(TAK)
▼チャイハナ海花(大分・豊後高田市)
インドのスパイス料理をそのまま真似て提供するのではなく、日本の風土・食材・季節に合わせた提案を行う。
いわば和食とスパイス料理の融合を、最もストイックに、最も思い切った形で体現するのがこの、国東半島に店を構える「チャイハナ海花」。
あの「アジャンタ」出身の瀬口さんが、土地の食材を駆使したインド料理を提供するお店です。
スパイス料理と和の融合が注目される今だからこそ、地方で知る人ぞ知る存在のこのお店にスポットをあてたい。
北斗の拳で言えばトキのような、ある種の究極的存在なんです。
(カレー細胞)
日本のわびさびを感じる昭和20年築の実家。まったくもって商売っ気がない店主から繰り出すインド料理は、来た人にしかわからない心に染み入るクオリティ。外国人観光客に日本の生活とおもてなしを知ってもらう場所となりうる。
(しまじろ)
▼negombo33(埼玉・西所沢 他)
埼玉の雄、今年は大躍進の年になったのではないでしょうか。
元々カレー好きの間では知られた名店ですが、今年はS&Bからこのお店の代表メニューである「ラムキーマカレー」がレトルトとして発売。その再現性の高さが話題になりました。
一般受けしなそうな羊肉を、レトルトカレーというマニア以外に届く商品として送り出したということは大きな「貢献」といえると思います。
さらに11月には高円寺に姉妹店も出店し、のりにのっているお店です。
(三吉)
高円寺にも姉妹店ができた人気店。ラムキーマやチキンカレーなどどれも食材にこだわっており美味しいし、店主のこだわりが詰まったカレーの数々を楽しめます。何カレーかときかれたら山田さんのカレーとしか言いようのない味。
(ノリ)
▼バンゲラズキッチン(東京・銀座)
マンガロールという、あまり世間に知られていない地域の料理。にもかかわらずあまりの美味しさとキレに瞬く間に大人気、銀座のエースになった。
バンゲラさんの探究心や研究熱心さがお店の味に日々反映されていて、これからもアップデートが止まらないお店。
(さと2)
カルナータカ州マンガロールの専門店というマニアックなお店ですが、盛況ぶりからも広く受け入れられているのが判ります。築地で仕入れてくる魚も新鮮で良い物を使っています。マンガロールが海岸沿いの都市ならではですね。フランス人デザイナーにオーダーして作ってもらったという壁紙や器もお洒落です。
(ノリ)
▼ラ・ファソン 古賀 (東京・代々木上原)
さらさらとしたソースキュリーに秘められた卓越した技術が集結。和牛すね肉と何種類もの野菜から抽出したブイヨン。欧風カレーというジャンルではなくソースキュリーという名のカレーはこのお店の実力と拘りが詰まった逸品。
(しまじろ ※写真も)
「カレーソース」の可能性を最大限に追求した日本人といえば、きっと古賀義英氏ではないか。フレンチのシェフながら、旧コム・シェ・ヴで「ソースキュリー」を考案し、人気メニューに育てた。そこからカレー専門店のラ・ソース古賀に挑戦。残念ながらラ・ソース古賀は今は存在しないけれど、ソースキュリーは代々木上原で健在。
(たあぼう)
■新人賞
▼LEMONRICE TOKYO(東京・渋谷)
2018年は「インドのごはん」に焦点が当たった年だったのかなとぼんやり思っている。ビリヤニがポピュラーになって一般誌で特集を組まれるまでになり、銀座にはランチでブラウンライスを楽しめるバンゲラズキッチンなどが登場した。
こちらはレモンライスの専門店。ホフディラン・小宮山雄飛さんの挑戦に経緯を表したい。肝心のカレーやレモンライスの水準はもちろん、食べ方をプリントしたおしゃれな紙ナプキンを添えるセンスに新鮮さを感じた。
(たあぼう)
レモンライスというかなりニッチなメニューに特化した上に、ランチのテイクアウトのみという挑戦的なスタイル。マニアックなカリーもこんなにオシャレにもなれちゃうんですよということを、あえて小宮山さんがやったところがすごい。
衝撃と話題で言ったらここ以上のところは2018年オープン店ではないのではなかろうか。
(NOMCO)
■名誉賞▼ムルギー(東京・渋谷)
創業昭和26年、戦後の激動期ともに歩んできた歴史ある渋谷の名店。一番人気は「卵入りムルギー」。山形に盛り付けられたごはんが特徴的なムルギーのカレーは、誰しも一度は目にしたことがあるカレー界の神様といってもいい。昔から味を変えずに守っているというカレーは病みつきになりファンも多い。
(しまじろ)
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