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「Japanese Curry Awards 2014」受賞店発表!!
category - 辛味&カレー・Japanese Curry Awards
2014/
12/
30「カレーは、世界に誇れる日本のカルチャーである。」
純粋にカレーを偏愛するカレー好きたちが、口コミサイトとも、店舗PRとも全く異なった観点で選ぶカレーのアワード、
「Japanese Curry Awards 2014」いよいよ受賞店の発表です!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おいしいカレーが食べたいと思ったとき、何を信じたらいいのかわからない時代です。
グルメ評論家の薦める店もあるし、みんなの採点や投票によるインターネットのランキングもあります。
どれを選択しても、それなりの回答が得られます。店選びに正解はありません。
だとしたら、もっと別の切り口によるカレーガイドがあっていいはずです。
カレー好きのカレー好きによるカレー好きのためのカレーガイド。
カレーを愛してやまない、カレーの食べ歩きに人並みならぬ情熱を注ぎ続けている偏愛家たちが一堂に会して、
“Curry of the Year”を決めるプロジェクトを今年からスタートさせることにしました。
- Japanese Curry Awards実行委員会 水野仁輔 -
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関連記事:『「Japanese Curry Awards 2014」始動!~カレーとは、何だ?~』
★★★★★★(選考基準)★★★★★★
日本ほど多種多様なカレーが一堂に会する場所はありません。
しかしそれ以前に海外、特にアメリカや中国に行って驚くのは、「カレー」が日本食扱いであり、
ある種の憧憬をもって捉えられているということ。
このアワードでは、世界に類を見ない豊かなカレー文化をもつ日本で、
そのカレー文化にさまざまな意味で貢献したお店を表彰します。
つまり、『○○において、日本カレー文化に貢献した』というのが受賞理由となります。
★★★★★★(選考メンバー)★★★★★★
「カレーが好きで食べ歩きをしていて、それを趣味で発信している」以下の11人が選考メンバーを務めました。
USHIZOさん(CURRY DIARY(・x・))
たあぼうさん(お気に入りのカレー屋さん700)
ヒロシさん(Curry My Love!)
エスニカンさん(◆毎日カレー◆と★タイ料理★)
ノリさん(うまいものは宵に食え)
しまじろさん(カレー401)
ropefish(カレー細胞)
クンプーさん(タイ料理ライタークン・プーのタイ料理食べ歩きブログ&まいぺんらいタイ料理レシピ)
ろなうどさん(CURRIHOLIC!!)
三吉さん(三吉カレー日誌 ~あるいはカレーでいっぱいの海~)
ひろこさん(東京無責任女の大冒険)
かなり濃厚なメンバーですよ。
これに加え、取り纏め役として東京カリー番長の水野仁輔さんが参加しています。
★★★★★★(選考方法)★★★★★★
(水野さんを除く)11人の選考メンバーが各自、ノミネート店を10店提出。
それとは別に、ここ一年で誕生したお店の中から「新人賞」、
長年にわたる貢献に対する「名誉賞」を1店ずつ推薦しました。
2014年12月18日、東京・池上某所にてメンバーが一堂に会し、選考会議。
メンバーそれぞれのノミネート店に対する熱い想い、そして隠れた名店なども登場し、議論は白熱。
3時間のプレゼンテーション&協議を経て受賞店が決定しました。
記念すべき第一回「Japanese Curry Awards」
受賞したのは果たしてあの店か、それともあの店か・・・
「Japanese Curry Awards 2014」受賞10+2店、ついに発表!!
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014 受賞10店★★★★★★
●「リッチなカレーの店 アサノ」(町田)

「日本一美味いカツカレー」で有名な町田の名店。
サラサラスパイシーなカレー(結構辛い、関西でいうところのスパイスカレー)に、高座豚の高級ロースを使用したカツ。
頑固店主による、唯一無二の組み合わせによる美味さの発見で日本カレー文化に貢献!!
●「カレーや うえの」(鷺宮)

カレーの多様性が増すことはもちろん嬉しいのですが、一つ気がかりなのは、
海外の人が絶賛する日本のカレー、その基準点である「おうちカレーライス」文化が空洞化してはいないか、ということ。
もし日本のカレーが大好きな外国人が来日した時、我々はいったいどこへ連れていけばよいのか?
その答えがこのお店にあります。
ニンジン、ジャガイモと具材を別々に仕込み、いつ行っても完璧なおうちカレーを提供するその職人技に脱帽。
昔ながらのおうちカレーを究極的に追い求め、日本カレー文化を正しく次世代に受け継ぐ貴重な貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「エリックサウス」(八重洲)

インド料理マニアの間では永くブームとなっていた南インド料理。
でもそれは、マニアの間だけの話。「エリックサウス」とその仕掛け人の稲田さんはそれを、一般のサラリーマンやOL、主婦が受け入れられる形に持って行った。これはすごいことだと思います。
続く「大岩食堂」「エリックカレー&ビリヤニ」と、日本印度化計画は続きます。
ホンモノの南インドカレーを巧く日本のカジュアルな生活導線へ溶け込ませた点で、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「オクシモロン」(鎌倉)

観光地・鎌倉にあって、和食材を取り入れた、独創的かつハイレベルなカレーを出すお店。
お洒落で、ほどよい距離感、月替わりのメニューなど、デートにも最適なカレー屋です。
店内ではオリジナルのアパレルも展開、夏は私もここのTシャツを着ていますよ。
日本的な観光地で日本の食材を取り入れたカレーを提供することで、日本カレー文化に貢献!!
●「カラピンチャ」(王子公園)

関西を席巻する「スリランカ旋風」。
鰹の旨味もカレーのコクを重視する関西カレー文化にぴったりフィット。
ナニワの粉もん文化はじめ、混ぜて食べる習慣に慣れ親しんだ関西人だからこそ、
混ぜるほど美味いスリランカカレーを自然に取り込むことができたのだと思います。
本場で修業したレシピを日本人感覚で繊細に仕上げた「カラピンチャ」のカレーはまさに至高の幸せ。
スリランカ×日本のミックスは単なるブームで終わるものでなく、
これからのジャパニーズカレーの大きな可能性を切り拓くものだと思っています。
この大きな動きが今後、全国レベルでどう展開していくのか、とても楽しみですね。
関西を席巻するスリランカムーブメントのエースとして、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「ガラムマサラ」(経堂)

インド料理店といいつつ、インドだけでない様々な国のスパイス料理の「面白いところ」を抽出してアレンジする奇妙なお店。
一見邪道。しかし歴史を振り返ればカレーという食べ物自体、長い年月を経て、様々な国や文化の交流と融合の中で生まれてきたもの。
サバ缶マサラに代表されるこの「ガラムマサラ」の試みは、通常数百年かかる食文化交流を数か月単位に圧縮し、あらゆるカレーの可能性をシミュレーションしているのだと捉えることができます。
そのコスモポリタン視点による、異文化融合への飽くなき挑戦で日本カレー文化に貢献!
※カレー細胞推薦店です。
●「GHEE」(明治神宮前)

クリエイターが出会う場であり、幾多の信奉者と派生店を生み、消息を絶ったり復活したりが常に話題になる・・・まさに伝説のバンドの様なカレー屋さん。
(今は神宮前のとあるお店でランチ時のみの復活を遂げています。)
実際、クリエイターという人種は常に刺激を求めるものですから、その中心にカレーがあるのはとても自然なこと。
カレーはいわば、とても健康的なドラッグなのですから。
ファッション&音楽、ポップカルチャーとしてのカレーを体現し、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「シャートムヤムクンポーチュナー」(上野)

一般的に「タイカレー」と呼ばれるグリーンカレーやレッドカレーは、タイ本国では「ゲーン」(汁もの)と呼ばれ、カレーとは全く別の食べ物。
・・・しかし、それをカレーと認定し取り込んでしまうのが日本カレー文化の面白いところ。
上野にあるこのお店は、自家製ペーストによるグリーンカレーはじめ、CNN世界No.1美食で話題になったマッサマンカレー、一般には知名度がまだ低い森のカレー・ゲーンパー(私の大好物!)など、タイカレーが質量ともに大充実。
入りやすい立地・雰囲気も魅力です。
ゲーン改めタイカレーの本当の美味しさを広く知らしめることで、日本カレー文化に貢献!!
●「トマト」(荻窪)

いわずと知れた、欧風カレーひとつの頂点。
「欧風カレー」という言葉はどこかヨーロッパをイメージさせますが、実は日本独自のジャンル。
わかりやすく言えば、名古屋名物「台湾ラーメン」のようなものです(わかりにくいか)。
「ボンディ」系とはまた違った、ホールスパイスをふんだんに用い贅沢に仕込んだそのカレーは、
その価格もさることながら、とても贅沢な「ご馳走」。
カレーをB級グルメと呼ぶ人はいても、「トマト」のカレーをB級グルメと呼べる人はいないはず。
贅沢なご馳走としての欧風カレーを極めた功績で、日本カレー文化に貢献!!
●「ハイチ」(新宿)

硬く炊いたライスの上にドライキーマを乗っけるスタイルで、
炒飯タイプが多かった喫茶店ドライカレーのあり方を大きく変えたお店。
食後のハイチコーヒーはブランデーを数滴入れていただく独自のスタイル。
アフターカレーのコーヒーの、ひとつの素晴らしき到達点であると言わざるを得ません。
「世界一美味しい珈琲は、カレーの後の珈琲である」がモットーの私としても、敬意を表さざるを得ないお店です。
ドライカレーのあり方を変え、アフターカレーのコーヒーという楽しみを提案し続けることで、日本カレー文化に貢献!!
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014 新人賞★★★★★★
●「Spice Bar 猫六」(曳舟)

近年とみに盛り上がってきた、「スパイスバー&居酒屋」というムーブメント。
このムーブメントはおそらく一過性のモノではなく、外食カレーの可能性を一気に拡大させていくことでしょう。
クラフトビールとスパイス料理の組み合わせが愉しめるこの「猫六」は、2014年誕生した「スパイスバー&居酒屋」の中でも出色。
カレーマニアでなくとも、ガッツリ系を敬遠する女子でも、気兼ねなくカレーを楽しめる。
スパイス好きな呑兵衛が、単なる呑兵衛にすすめたくなる。そんなお店です。
外食カレーの可能性を広げる「スパイスバー&居酒屋」の新星として、日本カレー文化への貢献を期待!!
※カレー細胞(次点)推薦店です。
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014名誉賞★★★★★★
●「デリー」(上野)

激辛カレー「カシミール」は日本カレー界のポップアイコン。
南インドベースなのにカシミールというその名称もさることながら、
唯一無二、不動の味を築いた王者として日本カレー界に燦然と輝く大貢献。
柏「ボンベイ」、戸塚「横浜ボンベイ」、新川「デリー」、逗子「スパイスツリー」など、ここで修業、派生した名店も数知れず。
老舗の名店ゆえ、周囲では色々なことがあったりしましたが・・・だからこそ、王者ののれんに一票!!
※カレー細胞推薦店です。
★★★★★★(カレー細胞的総評)★★★★★★
とにかく、熱い議論が続きました。
その中で導き出されたこの12店、結果的にはなかなか面白いバランスになったのかな、と思います。
「日本カレー文化に貢献した」という審査基準を設けたことで、いわゆる各国料理のウエイトが下がった一方、
例えば「うえの」のような、あまりスポットが当たらなかった日本カレーの名店が選ばれたあたり、
このアワード独自の意義が現れているのではないかと感じます。
選考メンバー11人が関東在住ということもあり、首都圏のお店が中心になるのは致し方がないこと。
その中でも一店、神戸「カラピンチャ」が受賞できて良かった。
関西を席巻するスリランカムーブメントは間違いなく、日本カレー文化における大きな波となるでしょう。
また、外食カレーの可能性を一気に広げた「スパイスバー&居酒屋」というジャンルからも「猫六」が受賞。
これも日本カレーの未来を指し示す上で大きな意義があるのではないでしょうか。
(余談ですが私はこのジャンルのパイオニアとして「カッチャルバッチャル」を推薦。ジャンルが重なる「猫六」は大好きなお店でありつつ、「次点」というカタチで提案していたのですが・・・とにかく受賞してよかったです)
その他にも、11人のメンバーが推薦したノミネート店は、実に多彩で、魅力的なお店ばかり。
「佐藤養助」「ビッグサー」「サリサリ」「しんぺー」「ひよ子」「ソムタイストアー」「下北沢カレーフェスティバル」・・・・
個々の嗜好や、切り口も千差万別で、面白くもあり、勉強にもなり。
特に、たあぼうさんの「日本カレー文化とは、融合」であるという意見には大いに共感。
個人的には「たあぼうセレクトの10軒」は別途表彰して欲しいほど。
今回の選考を元に、来年イートミー出版から一冊の本が出版される予定なのですが、
ぜひノミネート全店を紹介していただきたいもの。
それだけでも見ごたえがあり、日本カレー文化の多彩さがひしひしと伝わるはずです。
2020年の東京オリンピックに向けて、日本カレー文化はどう進化していくのか?
この「Japanese Curry Awards」が回を重ねるにつれ、きっと面白い結果が見えてくるのではないでしょうか。
明日の記事ではわたくし「カレー細胞」が今回提出したノミネートシートを掲載します。
受賞したお店、受賞しなかったお店、全部含めてお楽しみくださいませ。
★★★★★★ノミネート店一覧★★★★★★
アンジュナ(高幡不動)/negombo33(西所沢)/トマト(荻窪)/サジロカフェ(吉祥寺)/プーさん(武蔵小金井)/puja(町屋)/ダバ・インディア(八重洲)/GHEE(原宿)/インド富士(東小金井)/ポニピリカ(下北沢)/デリー(湯島他)/ケララの風Ⅱ(大森)/すらさ(溝の口)/草枕(新宿御苑)/サリサリ(白楽)/奥芝商店 田代城(八王子)/ガラムマサラ(経堂)/OXYMORON(鎌倉)/ボンナボンナ(世田谷代田)/エリックサウス(東京)/茶語(新宿)/アサノ(町田)/しんぺー(鶴ヶ峰)/ネパリコ(渋谷)/ミルミレ(千駄木)/ビッグサー(江ノ島)/やるき(新中野)/オフビート(曙橋)/猫六(曳舟)/スープカレーカムイ(秋葉原)/カレーレストランシバ(稲毛)/カラピンチャ(神戸王子公園)/ロッダグループ(大阪千代崎)/大岩食堂(西荻窪)/ナイルレストラン(東銀座)/新宿中村屋(新宿)/香菜軒(富士見台)/ボンディ(神保町)/たんどーる(沼袋)/スパイスカフェ(押上)/アジャンタ(麹町)/すらさ(溝の口)/チャミヤラキッチン(日暮里)/日比谷松本楼(日比谷)/ソムタイストアー(小諸)/シャートムヤムクンポーチャナー(上野)/タイタニ(綱島)/クルア・ナムプリック(自由が丘)/東京カオソーイ(九段下)/ウィパダー(錦糸町)/TAPiR(新大久保)/ガラムマサラ(経堂)/カレーショップメイ(和泉多摩川)/エリックサウス(東京)/カフェハイチ(新宿)/カレーハウスCOCO壱番屋/CAMP Express/マレーアジアンクイジーン(渋谷・表参道)/ポールスター(丸の内)/プティフ・ア・ラ・カンパーニュ(半蔵門)/マンダラ(神保町)/佐藤養助(銀座)/マジックスパイス(下北沢)/まめ蔵(吉祥寺)/ボルツ(竹橋)/カッチャルバッチャル(東京・新大塚)/カレーや うえの(東京・鷺宮)/三代目ニューキャッスル(東京・銀座一丁目)/犬拳堂(東京・下北沢)/ニドミ(大阪・谷町四丁目)/吉田カレー(東京・荻窪)/スパイスツリー(神奈川・逗子)/富士そば/本石亭(神田)/シバカリーワラ(三軒茶屋)/エチオピア(神保町)/ガネーシュ(能見台)/中栄(築地市場)/サカエヤ(新御徒町)/チャオカリー(汐留、新宿)/葉菜(千葉・勝田台)/ジャイヒンド(秋葉原)/シンガポール・コピティアム(八丁堀)/インデアンカレー(東京)/コートロッジ(中野)/カレーのお店 ひよ子(新日本橋)/横浜ボンベイ 戸塚本店(横浜)/シナモンガーデン(南林間)/カラチの空(八潮)/コート・デ・サラ(根府川)/アッチャ(町田)/ニルヴァナム(神谷町)/ムット(西武新宿)
以上92店。
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純粋にカレーを偏愛するカレー好きたちが、口コミサイトとも、店舗PRとも全く異なった観点で選ぶカレーのアワード、
「Japanese Curry Awards 2014」いよいよ受賞店の発表です!!!

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おいしいカレーが食べたいと思ったとき、何を信じたらいいのかわからない時代です。
グルメ評論家の薦める店もあるし、みんなの採点や投票によるインターネットのランキングもあります。
どれを選択しても、それなりの回答が得られます。店選びに正解はありません。
だとしたら、もっと別の切り口によるカレーガイドがあっていいはずです。
カレー好きのカレー好きによるカレー好きのためのカレーガイド。
カレーを愛してやまない、カレーの食べ歩きに人並みならぬ情熱を注ぎ続けている偏愛家たちが一堂に会して、
“Curry of the Year”を決めるプロジェクトを今年からスタートさせることにしました。
- Japanese Curry Awards実行委員会 水野仁輔 -
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関連記事:『「Japanese Curry Awards 2014」始動!~カレーとは、何だ?~』
★★★★★★(選考基準)★★★★★★
日本ほど多種多様なカレーが一堂に会する場所はありません。
しかしそれ以前に海外、特にアメリカや中国に行って驚くのは、「カレー」が日本食扱いであり、
ある種の憧憬をもって捉えられているということ。
このアワードでは、世界に類を見ない豊かなカレー文化をもつ日本で、
そのカレー文化にさまざまな意味で貢献したお店を表彰します。
つまり、『○○において、日本カレー文化に貢献した』というのが受賞理由となります。
★★★★★★(選考メンバー)★★★★★★
「カレーが好きで食べ歩きをしていて、それを趣味で発信している」以下の11人が選考メンバーを務めました。
USHIZOさん(CURRY DIARY(・x・))
たあぼうさん(お気に入りのカレー屋さん700)
ヒロシさん(Curry My Love!)
エスニカンさん(◆毎日カレー◆と★タイ料理★)
ノリさん(うまいものは宵に食え)
しまじろさん(カレー401)
ropefish(カレー細胞)
クンプーさん(タイ料理ライタークン・プーのタイ料理食べ歩きブログ&まいぺんらいタイ料理レシピ)
ろなうどさん(CURRIHOLIC!!)
三吉さん(三吉カレー日誌 ~あるいはカレーでいっぱいの海~)
ひろこさん(東京無責任女の大冒険)
かなり濃厚なメンバーですよ。
これに加え、取り纏め役として東京カリー番長の水野仁輔さんが参加しています。
★★★★★★(選考方法)★★★★★★
(水野さんを除く)11人の選考メンバーが各自、ノミネート店を10店提出。
それとは別に、ここ一年で誕生したお店の中から「新人賞」、
長年にわたる貢献に対する「名誉賞」を1店ずつ推薦しました。
2014年12月18日、東京・池上某所にてメンバーが一堂に会し、選考会議。
メンバーそれぞれのノミネート店に対する熱い想い、そして隠れた名店なども登場し、議論は白熱。
3時間のプレゼンテーション&協議を経て受賞店が決定しました。
記念すべき第一回「Japanese Curry Awards」
受賞したのは果たしてあの店か、それともあの店か・・・
「Japanese Curry Awards 2014」受賞10+2店、ついに発表!!
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014 受賞10店★★★★★★
●「リッチなカレーの店 アサノ」(町田)

「日本一美味いカツカレー」で有名な町田の名店。
サラサラスパイシーなカレー(結構辛い、関西でいうところのスパイスカレー)に、高座豚の高級ロースを使用したカツ。
頑固店主による、唯一無二の組み合わせによる美味さの発見で日本カレー文化に貢献!!
●「カレーや うえの」(鷺宮)

カレーの多様性が増すことはもちろん嬉しいのですが、一つ気がかりなのは、
海外の人が絶賛する日本のカレー、その基準点である「おうちカレーライス」文化が空洞化してはいないか、ということ。
もし日本のカレーが大好きな外国人が来日した時、我々はいったいどこへ連れていけばよいのか?
その答えがこのお店にあります。
ニンジン、ジャガイモと具材を別々に仕込み、いつ行っても完璧なおうちカレーを提供するその職人技に脱帽。
昔ながらのおうちカレーを究極的に追い求め、日本カレー文化を正しく次世代に受け継ぐ貴重な貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「エリックサウス」(八重洲)

インド料理マニアの間では永くブームとなっていた南インド料理。
でもそれは、マニアの間だけの話。「エリックサウス」とその仕掛け人の稲田さんはそれを、一般のサラリーマンやOL、主婦が受け入れられる形に持って行った。これはすごいことだと思います。
続く「大岩食堂」「エリックカレー&ビリヤニ」と、日本印度化計画は続きます。
ホンモノの南インドカレーを巧く日本のカジュアルな生活導線へ溶け込ませた点で、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「オクシモロン」(鎌倉)

観光地・鎌倉にあって、和食材を取り入れた、独創的かつハイレベルなカレーを出すお店。
お洒落で、ほどよい距離感、月替わりのメニューなど、デートにも最適なカレー屋です。
店内ではオリジナルのアパレルも展開、夏は私もここのTシャツを着ていますよ。
日本的な観光地で日本の食材を取り入れたカレーを提供することで、日本カレー文化に貢献!!
●「カラピンチャ」(王子公園)

関西を席巻する「スリランカ旋風」。
鰹の旨味もカレーのコクを重視する関西カレー文化にぴったりフィット。
ナニワの粉もん文化はじめ、混ぜて食べる習慣に慣れ親しんだ関西人だからこそ、
混ぜるほど美味いスリランカカレーを自然に取り込むことができたのだと思います。
本場で修業したレシピを日本人感覚で繊細に仕上げた「カラピンチャ」のカレーはまさに至高の幸せ。
スリランカ×日本のミックスは単なるブームで終わるものでなく、
これからのジャパニーズカレーの大きな可能性を切り拓くものだと思っています。
この大きな動きが今後、全国レベルでどう展開していくのか、とても楽しみですね。
関西を席巻するスリランカムーブメントのエースとして、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「ガラムマサラ」(経堂)

インド料理店といいつつ、インドだけでない様々な国のスパイス料理の「面白いところ」を抽出してアレンジする奇妙なお店。
一見邪道。しかし歴史を振り返ればカレーという食べ物自体、長い年月を経て、様々な国や文化の交流と融合の中で生まれてきたもの。
サバ缶マサラに代表されるこの「ガラムマサラ」の試みは、通常数百年かかる食文化交流を数か月単位に圧縮し、あらゆるカレーの可能性をシミュレーションしているのだと捉えることができます。
そのコスモポリタン視点による、異文化融合への飽くなき挑戦で日本カレー文化に貢献!
※カレー細胞推薦店です。
●「GHEE」(明治神宮前)

クリエイターが出会う場であり、幾多の信奉者と派生店を生み、消息を絶ったり復活したりが常に話題になる・・・まさに伝説のバンドの様なカレー屋さん。
(今は神宮前のとあるお店でランチ時のみの復活を遂げています。)
実際、クリエイターという人種は常に刺激を求めるものですから、その中心にカレーがあるのはとても自然なこと。
カレーはいわば、とても健康的なドラッグなのですから。
ファッション&音楽、ポップカルチャーとしてのカレーを体現し、日本カレー文化に貢献!!
※カレー細胞推薦店です。
●「シャートムヤムクンポーチュナー」(上野)

一般的に「タイカレー」と呼ばれるグリーンカレーやレッドカレーは、タイ本国では「ゲーン」(汁もの)と呼ばれ、カレーとは全く別の食べ物。
・・・しかし、それをカレーと認定し取り込んでしまうのが日本カレー文化の面白いところ。
上野にあるこのお店は、自家製ペーストによるグリーンカレーはじめ、CNN世界No.1美食で話題になったマッサマンカレー、一般には知名度がまだ低い森のカレー・ゲーンパー(私の大好物!)など、タイカレーが質量ともに大充実。
入りやすい立地・雰囲気も魅力です。
ゲーン改めタイカレーの本当の美味しさを広く知らしめることで、日本カレー文化に貢献!!
●「トマト」(荻窪)

いわずと知れた、欧風カレーひとつの頂点。
「欧風カレー」という言葉はどこかヨーロッパをイメージさせますが、実は日本独自のジャンル。
わかりやすく言えば、名古屋名物「台湾ラーメン」のようなものです(わかりにくいか)。
「ボンディ」系とはまた違った、ホールスパイスをふんだんに用い贅沢に仕込んだそのカレーは、
その価格もさることながら、とても贅沢な「ご馳走」。
カレーをB級グルメと呼ぶ人はいても、「トマト」のカレーをB級グルメと呼べる人はいないはず。
贅沢なご馳走としての欧風カレーを極めた功績で、日本カレー文化に貢献!!
●「ハイチ」(新宿)

硬く炊いたライスの上にドライキーマを乗っけるスタイルで、
炒飯タイプが多かった喫茶店ドライカレーのあり方を大きく変えたお店。
食後のハイチコーヒーはブランデーを数滴入れていただく独自のスタイル。
アフターカレーのコーヒーの、ひとつの素晴らしき到達点であると言わざるを得ません。
「世界一美味しい珈琲は、カレーの後の珈琲である」がモットーの私としても、敬意を表さざるを得ないお店です。
ドライカレーのあり方を変え、アフターカレーのコーヒーという楽しみを提案し続けることで、日本カレー文化に貢献!!
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014 新人賞★★★★★★
●「Spice Bar 猫六」(曳舟)

近年とみに盛り上がってきた、「スパイスバー&居酒屋」というムーブメント。
このムーブメントはおそらく一過性のモノではなく、外食カレーの可能性を一気に拡大させていくことでしょう。
クラフトビールとスパイス料理の組み合わせが愉しめるこの「猫六」は、2014年誕生した「スパイスバー&居酒屋」の中でも出色。
カレーマニアでなくとも、ガッツリ系を敬遠する女子でも、気兼ねなくカレーを楽しめる。
スパイス好きな呑兵衛が、単なる呑兵衛にすすめたくなる。そんなお店です。
外食カレーの可能性を広げる「スパイスバー&居酒屋」の新星として、日本カレー文化への貢献を期待!!
※カレー細胞(次点)推薦店です。
★★★★★★Japanese Curry Awards 2014名誉賞★★★★★★
●「デリー」(上野)

激辛カレー「カシミール」は日本カレー界のポップアイコン。
南インドベースなのにカシミールというその名称もさることながら、
唯一無二、不動の味を築いた王者として日本カレー界に燦然と輝く大貢献。
柏「ボンベイ」、戸塚「横浜ボンベイ」、新川「デリー」、逗子「スパイスツリー」など、ここで修業、派生した名店も数知れず。
老舗の名店ゆえ、周囲では色々なことがあったりしましたが・・・だからこそ、王者ののれんに一票!!
※カレー細胞推薦店です。
★★★★★★(カレー細胞的総評)★★★★★★
とにかく、熱い議論が続きました。
その中で導き出されたこの12店、結果的にはなかなか面白いバランスになったのかな、と思います。
「日本カレー文化に貢献した」という審査基準を設けたことで、いわゆる各国料理のウエイトが下がった一方、
例えば「うえの」のような、あまりスポットが当たらなかった日本カレーの名店が選ばれたあたり、
このアワード独自の意義が現れているのではないかと感じます。
選考メンバー11人が関東在住ということもあり、首都圏のお店が中心になるのは致し方がないこと。
その中でも一店、神戸「カラピンチャ」が受賞できて良かった。
関西を席巻するスリランカムーブメントは間違いなく、日本カレー文化における大きな波となるでしょう。
また、外食カレーの可能性を一気に広げた「スパイスバー&居酒屋」というジャンルからも「猫六」が受賞。
これも日本カレーの未来を指し示す上で大きな意義があるのではないでしょうか。
(余談ですが私はこのジャンルのパイオニアとして「カッチャルバッチャル」を推薦。ジャンルが重なる「猫六」は大好きなお店でありつつ、「次点」というカタチで提案していたのですが・・・とにかく受賞してよかったです)
その他にも、11人のメンバーが推薦したノミネート店は、実に多彩で、魅力的なお店ばかり。
「佐藤養助」「ビッグサー」「サリサリ」「しんぺー」「ひよ子」「ソムタイストアー」「下北沢カレーフェスティバル」・・・・
個々の嗜好や、切り口も千差万別で、面白くもあり、勉強にもなり。
特に、たあぼうさんの「日本カレー文化とは、融合」であるという意見には大いに共感。
個人的には「たあぼうセレクトの10軒」は別途表彰して欲しいほど。
今回の選考を元に、来年イートミー出版から一冊の本が出版される予定なのですが、
ぜひノミネート全店を紹介していただきたいもの。
それだけでも見ごたえがあり、日本カレー文化の多彩さがひしひしと伝わるはずです。
2020年の東京オリンピックに向けて、日本カレー文化はどう進化していくのか?
この「Japanese Curry Awards」が回を重ねるにつれ、きっと面白い結果が見えてくるのではないでしょうか。
明日の記事ではわたくし「カレー細胞」が今回提出したノミネートシートを掲載します。
受賞したお店、受賞しなかったお店、全部含めてお楽しみくださいませ。
★★★★★★ノミネート店一覧★★★★★★
アンジュナ(高幡不動)/negombo33(西所沢)/トマト(荻窪)/サジロカフェ(吉祥寺)/プーさん(武蔵小金井)/puja(町屋)/ダバ・インディア(八重洲)/GHEE(原宿)/インド富士(東小金井)/ポニピリカ(下北沢)/デリー(湯島他)/ケララの風Ⅱ(大森)/すらさ(溝の口)/草枕(新宿御苑)/サリサリ(白楽)/奥芝商店 田代城(八王子)/ガラムマサラ(経堂)/OXYMORON(鎌倉)/ボンナボンナ(世田谷代田)/エリックサウス(東京)/茶語(新宿)/アサノ(町田)/しんぺー(鶴ヶ峰)/ネパリコ(渋谷)/ミルミレ(千駄木)/ビッグサー(江ノ島)/やるき(新中野)/オフビート(曙橋)/猫六(曳舟)/スープカレーカムイ(秋葉原)/カレーレストランシバ(稲毛)/カラピンチャ(神戸王子公園)/ロッダグループ(大阪千代崎)/大岩食堂(西荻窪)/ナイルレストラン(東銀座)/新宿中村屋(新宿)/香菜軒(富士見台)/ボンディ(神保町)/たんどーる(沼袋)/スパイスカフェ(押上)/アジャンタ(麹町)/すらさ(溝の口)/チャミヤラキッチン(日暮里)/日比谷松本楼(日比谷)/ソムタイストアー(小諸)/シャートムヤムクンポーチャナー(上野)/タイタニ(綱島)/クルア・ナムプリック(自由が丘)/東京カオソーイ(九段下)/ウィパダー(錦糸町)/TAPiR(新大久保)/ガラムマサラ(経堂)/カレーショップメイ(和泉多摩川)/エリックサウス(東京)/カフェハイチ(新宿)/カレーハウスCOCO壱番屋/CAMP Express/マレーアジアンクイジーン(渋谷・表参道)/ポールスター(丸の内)/プティフ・ア・ラ・カンパーニュ(半蔵門)/マンダラ(神保町)/佐藤養助(銀座)/マジックスパイス(下北沢)/まめ蔵(吉祥寺)/ボルツ(竹橋)/カッチャルバッチャル(東京・新大塚)/カレーや うえの(東京・鷺宮)/三代目ニューキャッスル(東京・銀座一丁目)/犬拳堂(東京・下北沢)/ニドミ(大阪・谷町四丁目)/吉田カレー(東京・荻窪)/スパイスツリー(神奈川・逗子)/富士そば/本石亭(神田)/シバカリーワラ(三軒茶屋)/エチオピア(神保町)/ガネーシュ(能見台)/中栄(築地市場)/サカエヤ(新御徒町)/チャオカリー(汐留、新宿)/葉菜(千葉・勝田台)/ジャイヒンド(秋葉原)/シンガポール・コピティアム(八丁堀)/インデアンカレー(東京)/コートロッジ(中野)/カレーのお店 ひよ子(新日本橋)/横浜ボンベイ 戸塚本店(横浜)/シナモンガーデン(南林間)/カラチの空(八潮)/コート・デ・サラ(根府川)/アッチャ(町田)/ニルヴァナム(神谷町)/ムット(西武新宿)
以上92店。
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コメント
Re: 素晴らしい〜
らくしゅみ、リニューアル後は行けてないんです。
ちょっと価格帯上がったようですが、相変わらずの行列なんでしょうかねぇ。
カラピンチャにはアーッパっていう、クレープみたいなメニューがあるのですが、それは小さいお子さんでも喜んでいただけると思いますよ。
(事前確認おすすめしますが)
なにか、面白いカレー情報ありましたらぜひおねがいします!
2015-01-15 10:47 ropefish URL 編集
素晴らしい〜
色んなお店に行ってみたいのですが、特にカラピンチャに行ってみたいなぁと思いました^ ^
子供がまだ小さいのでカレーも全然食べれないのですが、いつかこちらのブログを参考にカレー巡りしたいと思う私です。
それと、四ツ橋のラクシュミてリニューアル後には行きましたか?もし、行かれていたらカレー細胞さんから感想聞きたいです♬私はリニューアル後はまだ行けてません。15年来の常連なのに。。
こんなにカレーに熱いブログってないので本当に時々読ませて頂いては1人で盛り上がってます笑
これからも応援してます。
2015-01-10 14:01 めい URL 編集
Re: ボンベイが一番
コメントありがとうございます!
横浜ボンベイ、もちろん食していますよ。
石川さんの作るカレーはデリーの系譜のなかでも特にスピリットを強く感じる素晴らしい美味さです。
今回のデリー名誉賞は、横浜ボンベイ、柏ボンベイなどを産んだデリーという意味でもあるんです。
2015-01-01 10:23 ropefish URL 編集
ボンベイが一番
2015-01-01 10:13 村ちゃん URL 編集