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カレー細胞 -The Curry Cell-

あらゆるカレーを紹介し続けるプロジェクト。 時々、珍生物記事もアップするのでマニアは要チェック! 【禁無断転載】写真、文章を転載希望の方はコメント欄などでご連絡ください。

日本インドカリー、激動のルーツ。「新宿中村屋ルパ」(新宿/新宿三丁目)

多少のカレー好きであれば誰でも名前は知っている「新宿中村屋」。
日本のインドカレーの先駆けでもある本店は新宿駅からすぐの場所。
一階の喫茶&販売コーナーから、
各階ごとに名前とコンセプトの異なるレストランが入っています。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
二階はインドカリーと洋食・中華の「新宿中村屋ルパ」
三階はフレンチ&カリーの「新宿中村屋レガル」
四階はカリーバイキングとレストラン&バーの「新宿中村屋ラコンテ」

今回は中村屋の原点であり基本でもある二階の「ルパ」へ言ってきました。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish

流石の有名店、店内には席待ちの列が。
しかし待っている間、
ショーケースに紹介されたお店の歴史を楽しむことができ、
決して退屈ではありません。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
昭和二年にレストランを開業した中村屋。
そのメニューにはすでに「純印度式カリー」がありました。

この純印度式カリーの発売には歴史的ドラマがあったようです。

インド独立運動の志士ラス・ビハリ・ボース。
当時イギリスの統治下にあったインドでは独立の気運が高まっており、
ボーズは1912年にデリーでインド総督に爆弾を投げつけ、
イギリス政府から厳しい追及を受けます。
亡命を決意したボースは、
同じベンガル出身の詩人タゴールがアジア人初のノーベル文学賞を受賞し、
その記念で訪日する情報を知り、
その親類を装って亡命を果たします。
大正4年のことでした。

日本でボースは孫文と知り合い、
その紹介で頭山満の知遇を得て潜伏生活をします。
しかしそれがイギリス政府に伝わり、
日英同盟を結んでいた日本政府は国外退去命令を出します。

退去日の前日に頭山満から依頼を受けた相馬夫妻は、
ボースを中村屋のアトリエに匿います。
一商店が政府の意に反して亡命者を匿うことの危険は計り知れないものでしたが、
中村屋の従業員全員が団結し、保護にあたりました。

翌年、日本政府はボース保護に方針転換しますが、
イギリスからの追及は続きます。
ボースは逃れるため隠家を転々としますが、
この時、逃亡生活を支えたのが夫妻の長女 俊子でした。
二人は後に結婚し2人の子供をもうけますが、
俊子は逃亡生活の心労がたたり、
大正14年、26歳で早逝します。

ボースは相馬家への感謝の念と、
本物のカリーを日本に紹介したいとの思いから、
喫茶部の開設とともに純印度式カリーを売り出すことを提案します。

当時日本に広まっていたカレーはイギリスから伝わった小麦粉を使用したものでした。
材料を厳選し、スパイスをふんだんに使った本格カリーは、
その発売のエピソードも手伝って評判を博します。
街のレストランのカレーが10~12銭だったのに対し、
中村屋のカリーは80銭でしたが、飛ぶように売れたとの記録が残っています。

(中村屋HPより抜粋)


カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
インドの独立運動と中村屋が絡んでいるなんて、
NHKの大河ドラマのようですね。
いや、いずれ大河ドラマ化するかも!?
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
そうこう、印度カリーの歴史に思いを馳せていると、
まもなく席が空きました。

席数が多いので、列の長さに比して、待ち時間はとても短いですね。

さて、まず外せないのはこちらのメニューです。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
インドカリー ¥1470
中村屋の基本にして、日本印度カリーの基本。
発売当時もいい値段がしたようですが、
今もっていい値段がしますね。
しかしそれはそれ、特別なカレーですから。
安売りしては価値が下がるというもの。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
レトルトでも食べることのできる中村屋のカレーですが、
やはり本物は違います。
舌に残る粒子感がなんともクラシックな味わい。
いや、実際これがクラシックなのです。
我々日本人のインドカレーの原体験に当たるカレーなのですから。
やはり一度は食しておくべきといえるでしょう。

さて、もう一品、
とても気になるメニューがあったので挑戦してみました。
カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
スープカリー ¥1575
スープカリーと言ってももちろん、札幌のそれとは違います。
カレーリーフとガーリックでスパイシーに仕上げた一品。
しかもパラタ付き。
中村屋の一般的なイメージとは随分異なりますが、
南インドの料理をベースにしながらも、
具材や調理の仕上げで見事に中村屋オリジナルとなっています。
和印折衷カリー、とでもいいましょうか。
こちらなかなか美味しいですよ。

カレー細胞 -The Curry Cell- by ropefish
食後の一服も、気分はゆったり。

激動の世界史、
その中で生まれた、故郷を越える人と人の絆。
その結晶である印度カリーの味が80年以上もの間引き継がれていることに、
まずは感動。

全てはここから始まったのだなぁ、と、想いに浸るためには、
少々お高い価格も、充分に納得のモノなのでした。

新宿中村屋 ルパ
東京都新宿区新宿3-26-13 新宿中村屋本店2F
TEL:03-3352-6161
営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:無休


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新宿中村屋 ルパ インドカレー / 新宿三丁目駅新宿駅新宿西口駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5
昼総合点★★★☆☆ 3.5


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テーマ:カレー - ジャンル:グルメ

コメント

4. Re:単語コードについて

>スゥプカレーの下僕さん
いやいや、名乗ってますから伏字は要りません!
寧ろ伏字が怪しげ、
いや寧ろ、女王様が下僕に身をやつすこと自体、
怪しげ!!

  • 2010/10/15(金) 01:19:32 |
  • URL |
  • ropefish #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

3. Re:その話聞いた事あります!

>DININGBARSONIAさん
いやいや恐れ多い。
印度と日本、当時は適度な距離感だったのでしょうね。
ドイツに渡った話は初めて聞きました。
探せばドイツにも中村屋チックなカレーがあったりして・・・

  • 2010/10/15(金) 01:17:43 |
  • URL |
  • ropefish #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

2. 単語コードについて

「下○」は大丈夫かしら?だめなら「○僕」でよろしく。

カレーにそのような華麗なる歴史があったとは!?
スゥプカレーについては、わたしまけましたわ。

  • 2010/10/12(火) 03:58:37 |
  • URL |
  • スゥプカレーの下僕 #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

1. その話聞いた事あります!

歴史的なお話ですね。

その後、彼はドイツにも渡ったような。
とにかく英国政府からの独立の為なら、何処へでも行ったんですよね。

東南アジアへ軍事的な進出をしていた当時の日本は、インドを過小評価していた感がありますが、その繋がりあればこそ、今日のカレー文化があるのかもしれませんね。

ROPEさんのブログは本当に面白いです!

  • 2010/10/12(火) 01:49:50 |
  • URL |
  • DININGBARSONIA #79D/WHSg
  • [ 編集 ]

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